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●全国高校サッカー選手権 3回戦
~山梨学院高は駒澤大高に敗れベスト16で散る~
~3年生は最後まで全力で戦い涙を見せなかった~

「第95回全国高校サッカー選手権大会」は1月3日、ベスト8を賭けた3回戦の戦いが行われた。山梨学院高は、3試合連続同会場となる東京・駒沢陸上競技場で東京A代表の駒澤大高と対戦した。開始7分に先制点を奪われ、前半だけで3失点、後半にも1点を取られた。優勝候補のチームに反撃の芽を摘み取られ0-4で屈した。この1か月間は苦しかった。大会前にメンバー入り選手のうち6人が骨折などで次々に戦線離脱、やっと組み立てて出場したメンバーも、4日で3試合の連戦で疲労困憊、誰もが満身創痍の体で戦った。青きイレブンは気力で強敵に挑み、最後まで決して諦めなかった。試合後、選手は涙を流さなかった。それは、全力を尽くした思いをその胸に抱いていたから。

守りのチームが、序盤のセットプレーから守備体形を崩されたことが試合の流れを決めてしまった。この大会の山学高は、守りを固めて早いタイミングで前線にロングボールを上げ、藤原拓海(3年)の運動量を生かした作戦を主体に戦ってきたが、3点を奪われてからは作戦を切り替え、DFラインからボールをつないで前線に運ぶパスサッカーに切り替えた。これで試合は落ち着いたが、駒大高の中盤での素早いプレスに阻まれ相手のアタッキングサードまで侵入するシーンは少なかった。シュート数は前後半合わせて3本に抑え込まれ敗れた。

第95回全国高校サッカー選手権 3回戦
≪山梨学院高vs駒澤大高≫(1/3) 於 東京・駒沢陸上競技場
● 山梨学院高 0 前半 0-3
後半 0-1
4 駒沢大高 〇
得点 村上哲・矢崎一輝・西田直也・高橋勇夢

山梨学院は大会前に次々に負傷者が出た。県大会優勝の原動力U-17日本代表のエースストライカー加藤拓己(2年)が12月に入り足首剥離骨折、大会2週間前に甲府南中部活サッカー部出身の期待のDF堀内貴彦(3年)が左足首骨折、1週間前にDF藤原柊平(3年)も左足首骨折で松葉杖、メンバー入りした選手6人が次々に戦線離脱した他、MF雨宮壮(3年)は腰痛で万全でない状態、FW宮崎純真(1年)は大会初戦の岡山学芸館戦でふくらはぎを痛めた。山学チームの特徴は走るサッカー、どのチームよりも多く走ってきた選手の体は、3回戦を迎えた時は疲労の極に達していた。全員が気力を振り絞って戦い抜いた、大差をつけられても諦めず、最後の1秒まで全力でフィールドを疾走し、 笛とともに倒れこんだ。

試合後、安部一雄監督は「このチーム状態でよく2回も勝った、3年生が諦めずによく戦ってくれた」と選手を称え、小林友也主将は「転校生もマネージャーも含め33人の3年生全員が心を合わせて戦いました」と胸を張った。骨折して最初で最後の舞台に立てなかった堀内も藤原も「出れなかったのは悔しいけど、自分ができる精一杯のことをして仲間を支えようと思いました、みんな全力で戦ってくれた、よくやってくれた」と涙をこらえていた。女子マネージャーは選手一人一人に「お疲れ」と声をかけていた。今年の部員たちは誰もがみな青きイレブン、ベンチに入ったものも、入れなかったものも、応援席で大声援を送ったものも、誰もが駒沢の地で全力を尽くし、その心に糧を得ていた。

 

 

青きイレブンへ

 

今年の山学高サッカー部は不思議なチームだ

高校総体も、インターハイ予選も力負けした

強豪が集うプリンスリーグはさらに苦しんだ

決して強いチームではない

しかし、9か月戦ったプリンスで残留を獲得

11月の選手権予選で無冠を返上して見せた

3年生は谷間の世代と言われた、悔しかった

なにくそと思った、己の心とからだを鍛えた

 

大晦日に夢だった全国舞台に立った

エースを欠いたチームの下馬評は低かった

相手の岡山学芸館は中国地区代表最強チーム

体を張って守り一本のロングスローで勝った

2回戦の尚志戦はもっとピンチの連続だった

1年生が流れを変え、主将が逆転弾を放った

マスコミは不思議な力を持つチームと言った

3回戦に勝ち上がった時には満身創痍だった

走れるだけ走ってきた体は悲鳴を上げていた

気力だけで駒澤大高に挑み試合には敗れたが

あの弱かった選手たちは己の心に勝っていた

勝利とは己の心に勝つこと、青きイレブンは

明日の自分の心を支える不思議な力を得ていた

 

多くの3年生は大学でサッカーを続ける

その日々が順風満帆でないことは分かっている

辛いことも、苦しいこともみんな分かっている

山梨学院での3年間でそれを経験してきたから

苦しさに耐え切る心を和戸サッカー場で学んだ

明日からまた、新たな一歩を踏み出してほしい

努力を積み重ねて進めばいつの日か道は開ける

フレー フレー 青きイレブン

 

文(M.I)カメラ(平川大雪)2017.1.3

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