●日本学生氷上競技選手権大会 開幕
~男子5000m大林4位、女子3000m高山8位~
~体調不良者響き、大学対抗前半女子6位、男子7位~
スケート競技のインカレ「第89回日本学生氷上競技選手権大会」が1月6日に北海道・苫小牧市で開幕。9日までの日程で行われる。スピードスケート、フィギアスケート、アイスホッケーの3競技で約150大学の約1100人の選手が総合優勝を争い、大学氷上競技日本一を目指して熱戦を繰り広げる。山梨学院大はスピードスケート競技にエントリー。スピードスケート競技は、各種目3人ずつが出場、各順位別のポイントを競う。競技は6日から始まり、初日は男女スピードスケート500mが行われた。500mは2本滑り合計タイムで順位が決まる。山梨学院勢女子は虫狩光桜(2年)が総合で11位が最高で持田あかり(1年)は13位。原茉畝(2年)が14位で入賞はならなかった。男子も入賞はできず、岡田崚(1年)が14位、青木雅弥(1年)は22位、生野幸太(3年)は26位に終わった。7日の2日目は、午前中に女子3000mと男子5000mが行われ、期待の男子5000mの大林昌仁(4年)は体調が万全ではなく表彰台を目指したが4位となった。女子3000mには高山瑞穂(2年)が8位となり2種目で入賞を果たした。他に3000mの原田梨央(2年)が10位、午後に行われた女子1000mの虫狩光桜(2年)が10位、持田あかり(1年)が11位、男子1000mでは渡邊晟(3年)が14位、大学対抗得点を獲得した。初日、2日目の総合成績は、男子7位、女子6位となり、残り2日間に巻き返しを図る。
会場になった北海道・苫小牧市で行われるのは第84回以来5年ぶり、8回目なる。今回、スピード競技は「苫小牧市ハイランドスポーツセンター」、フィギア競技は、「苫小牧市沼ノ端スケートセンター」、アイスホッケー競技は「白鳥王子アイスアリーナ、苫小牧市新ときわスケートセンター、安平スポーツセンターせいこドーム」で行われる。山梨学院大女子は過去に7度の総合優勝を誇るが、第85回大会の日光市(一部宇都宮市)開催以来、優勝から遠ざかっている。4年ぶりの優勝をぜひ引き寄せたいところだが。
■《1日目 1/6 午前10時 晴れ -2℃ 苫小牧市ハイランドスポーツセンター》
大会競技1日目、苫小牧市の朝6時の気温は氷点下10℃と冷え込んだ。競技が始まった朝10時の気温は氷点下2℃、雲ひとつない快晴、風も微風とスピードスケートには申し分ないコンディション。競技は女子500mの1回目から始まった。山梨学院からは原茉畝(2年 北海道・帯広三条)、持田あかり(1年 北海道・白樺学園)、虫狩光桜(2年 北海道・池田)の順番で滑ったが、1回目は3人とも記録が伸びず、入賞圏内の8位には2回目の滑りが大事になるところだった。しかし、この回も想定したタイムには及ばず、虫狩の11位が最高で入賞にも届かなかった。男子も1回目の順位が2回目にも影響し、上回ることができなかった。14位と振るわなかった原茉畝選手は「チームに貢献できたらよかったなと思います。目指しているところはもっと上だったですけど、今出せる力は出し切りました」と次の出場種目のリレーに気持ちを切り替えていた。
◆1日目女子500m成績
名前・学年・出身校 | 1回目 | 2回目 | 総合成績 |
虫狩光桜(2年 北海道・池田) | 11位 | 11位 | 11位 |
持田あかり (1年 北海道・白樺学園) | 13位 | 12位 | 13位 |
原 茉畝(2年 北海道・帯広三条) | 13位 | 14位 | 14位 |
◆1日目男子500m成績
名前・学年・出身校 | 1回目 | 2回目 | 総合成績 |
岡田 崚(1年) 北海道・釧路江南 | 16位 | 18位 | 17位 |
青木雅弥(1年) 北海道・池田 | 23位 | 22位 | 22位 |
生野幸太(3年 長野・長野市立長野) | 26位 | 26位 | 26位 |
男子は15位、女子は12位までが順位までにポイントが与えられ、総合ポイントで順位が決められる。1日目のポイントは虫狩光桜の11位だけが大学対抗得点になった。
■《2日目 1/7 午前10時 晴れ -4℃ 苫小牧市ハイランドスポーツセンター》
◆女子3000m高山瑞穂8位入賞、女子1000m虫狩光桜10位大学対抗得点に貢献
2日目最初の競技は女子3000m。1500m、3000mを得意とする山梨学院の高山瑞穂(2年 北海道・駒大苫小牧)は6組目に登場、上位入賞が期待された。序盤、33秒台でラップを刻んでいたが、徐々にラップを落とし、最後の1周は38秒台まで落ち同走に苦杯を舐めた。高山瑞穂選手は「大学対抗戦ですので同走の日体大の選手に勝ちたかったのですが、勝てなく悔しいです。最近あまり調子が上がらず粘れたらいいなと思っていましたが、粘れなかった」と8位入賞も満足はしていない。4組で登場した原田梨央(3年 北海道・白樺学園)は10位に大学対抗得点に貢献した。女子1000mでは12月のジャパンカップスピード競技会で6位入賞を果たし好調な虫狩光桜(2年 北海道・池田)が10位、持田あかり(1年 北海道・白樺学園)11位。高山菜摘(3年 北海道・駒大苫小牧)は15位だった。虫狩光桜選手は「今季は最初とても調子がよくてタイムも上がっていたのですが、同走の相手が格上なので色々考えてしまい自分でプレッシャーを掛けてしまいました。足は動いていましたが、逆にそれに乗れていなくて悪い方向に行ってしまいました」と振り返った。持田あかり選手は「自分の中では頑張れたと思うのですけど周りに比べたらレベルが低いので、もっと上げていかなければ」と初めてのインカレを経験、課題も挙げた。高山菜摘選手は「もっと2周目のことを考えた滑りで入りたかったですけど、最初の方で疲れが出てしまって、足が止まってしまい悔いが残ります。明日の1500mでは、ラップの落ち幅を少しでも縮められるように滑りたいです」と明日に気持ちを切り替えていた。
◆男子5000m大林昌仁、体調不良ながらも4位入賞
大林昌仁(4年 長野・佐久長聖)は、11月に長野・エムウエーブで行われたワールドカップ第2戦5000mで19位ながら自己記録を2秒近く上回る6分35秒11を記録し、来年の平昌五輪に向け一歩前進した。この日は風邪気味で万全な調子でない状態で、母校の名誉と誇りを懸け出場した。やはりいつもの切れはなく、重い滑りで終始。結局6分56秒44と、振るわず4位に甘んじた。大林昌仁選手は「体調不良は自分の責任です。オランダから帰ってきた頃から滑りがばらばらになってしまって、戻そうと思ってやってきているのですけど、なかなか戻らなくて、今に引っ張ってきてしまっているという感じです」と、もどかしさを口にする。明日の10000mについて「山学での団体戦は最後なので、しっかり滑りきって、キャプテンの仕事をするだけです」とコンディションの悪いなかでも責任感を滲ませた。14位となった山本大生(2年 青森・八戸西)は「もう少し行けると思ったのですが、あまりリズムが上手く作れなくてラップが安定しませんでした。10000mを重視してきたので、明日はしっかりリズムを作って滑ります」と気持ちを入れ替える。赤神諒(1年 北海道・釧路北陽)は29位だった。
男子1000mでは、4年間の思いの全てを懸けて滑った選手がいる。山中敏愛選手(4年 長野・小海)は「今までのインカレでは出場はしたのですけど、得点を取ることができなかったので4年目の最後こそはチームのために1点でも取ろうと滑りましたが、自分の滑りができませんでした」と26位に終わり得点には結びつかなかった。明日の1500mで是が非でも得点を取る。長身を生かしたダイナミックでなめらかな滑りを見せる渡邊晟(3年 福島・郡山商)は「スタートから少しミスをしてしまいスピードに乗り切れないところがあり、かなり課題が残るレースでした」と振り返った。男子には15位までに与えられる大学対抗得点に貢献した。インカレ2日間の前半が終わり山学大の大学対抗戦のポイント順位は男子が7位、女子は6位に付け、3日目・4日目で巻き返しを図る。明日は、男女1500m、男子10000mが行われる。
2日目を終わり川上隆史監督は「私たちの管理の不手際か、体調が悪い選手が続出しチーム力としては非常に厳しい戦いになりました。本来獲得すべきポイントからは下がってしまってはいるのですが、キャプテンである大林がチームを引っ張る力として大きな存在なので10000mでは優勝を目指して頑張ると本人も言っていたのでそこに期待しながら、山梨学院スケート部の伝統を守るというインカレらしい意気込みで残りの2日間を戦います」と総合順位の上乗せを狙う。
文(K.F)カメラ(平川大雪)2016.1.7