●山梨学院高伝統の「英語スピーチコンテスト」
~特進コース(G系)2年生が英語表現力を競う~
~洗練された構成力、プレゼン力を高評価~
山梨学院高校特進コース(G系)が毎年行っている「英語スピーチコンテスト」の決勝が1月18日に開催された。旧英語科(今年3月まで)が2005年に文部科学省が教育支援したSELHi(スーパー・イングリッシュ・ランゲージ・ハイスクール)の研究指定校になったことの一つの取り組みとして「英語スピーチコンテスト」を行うようになった。英語科は昨年度(2015年)、山梨学院高の学校改革の一環としてのコース再編に伴い、特進コースのG(グローバル)系列と位置づけられ、現在の3年生を最後に『英語科』としてのコースを終える。今回、1年生による『暗唱の部』は3月に行うことになり、2年生の『弁論の部』のみ恒例通り行った。会場のルネサンスホールに受験を控えた3年生を除く1年生特進コース(G系列)47人・2年生54人、101人全員がホールに集まり、昨年12月に2年生全員で行われた予選会を突破した10人がカナダ語学研修の自身の体験について発表を行い、表現力を競った。時折言葉に詰まってしまう生徒、落ち着いて堂々とした話しぶりの生徒、身振り手振りを交えて巧みに表現する生徒もおり、それぞれに日頃学んだ英語表現力を披露し、2人の外国人教師と1人の日本人教師による審査が行われた。また、フランスとオーストラリアからの留学生2人と中国からの編入生4人が日本語のスピーチを行い、それぞれが山梨学院高での思い出や印象、日本での生活を、分りやすい日本語で語りかけた。
山梨学院高校は、英語の「読む」「聞く」「話す」「書く」の4つの基本技能により、コミュニケーションに必要な能力の向上を目指す研究校として、平成17年(2005年)から平成19年(2007年)の3年間にかけて文部科学省が英語教育に積極的な学校を支援するSELHi(スーパー・イングリッシュ・ランゲージ・ハイスクール)に指定された。その一つとして英語科(今年3月まで)が「英語暗唱弁論大会」を取り入れ、現在に至っている。山梨学院高校に英語科が増設されたのは昭和51年(1976年)。山梨県で初の英語科だった。以来、40年間多方面で通用する人材を輩出してきた。山梨学院高は昨年度、学校改革の一環としてコースの再編を実施、英語科は特進コースのG(グローバル)系列と位置づけられ、さらに国際社会で活躍できる人材の育成に取り組んでいく。現在の3年生が最後となる。
◆浅川魁さんが1位。2位には岩本夏実さん、高橋寧夫さんが受賞。
スピーチコンテストは冒頭、吉田正副校長が「今、皆さんがやろうとしていることは単に英語が話せるようになるだけではなく、それに加えて内容に知性のあるものを盛り込めるかどうか。今日はそのような視点でも聞かせていただきますので頑張ってください」と挨拶。
2年生のスピーチ(弁論)コンテストは、昨年10月の2週間のアメリカ語学研修での自身の体験談を一人2分から3分の持ち時間でそれぞれスピーチした。スピーチにはマイクを使用せず、会場にいる生徒にいかに自身の生の声で印象に残るよう伝えられるか2人の外国人英語教師と1人の日本人教師が暗唱力、表現力、発音力などを総合審査した。審査の結果は1位1人、2位2人、3位3人が表彰された。1位を獲得した浅川魁さんはホストファミリーでの体験を踏まえ「外国に行くということは、例え英語が出来たとしてもそれなりに大変なことがあるから甘く見ないで欲しい。辛いことも良い経験だと思えることを覚えて欲しいとの気持ちを込めました」と話した。賞については「1位取れるとは思っていなくて、1年生に僕の体験が伝わればベストだと思っていました。賞状より伝えたい気持ちが大きかった」と話した。2位の岩本夏実さんは自身の夢『キャビンアテンダント』になるために山梨学院に入学したという。「今日のためにたくさん練習して、やりきった感もあったので正直1位いけるかもと思いましたが」と笑顔で話した。また、この経験を生かして「東京五輪でたくさんの外国人の方とコミュニケーションして、もっともっと大好きな英語を学んでいきたい。将来的には小学校からの夢を叶えたい」と語った。同じく2位の高橋寧夫さんは昨年1年の時には『暗唱の部』で1位を獲得。『弁論の部』でも1位を目指して臨み、ホストファミリーとの別れの情景をスピーチした。「2連覇達成しようと思っていました。緊張して上手く話せなかったですが、2位という賞を取れたので悔いはないです」と振り返った。コンテストの最後にフランスとオーストラリアの2人の留学生が日本語で、4人の中国上海・文来高校からの編入生が日本語でスピーチした。フランス(ドイツ国籍)から昨年9月に留学しているマリアン・シルクさんは「私はこの滞在が日本の文化を理解にするのに大きな助けになりました。私は日本語を熱意を持って学び日本の文化に驚きを感じます。私は多くを楽しみ、私の体験からポジティブなものだけを得たいと思います」と流暢な日本語で話した。エミリー・デイヴィースさんは「私の夢は日本語を勉強して話せるようになることです。私はたくさんの経験をしました。毎日が新しい挑戦でした。多くの思い出をくれました。それを永遠に大切にします。私の素晴らしい経験『皆さんありがとうございました』。」と分りやすい日本語で感謝を述べ、最後に「あなたが目標を選択するのに苦労しているのなら、何もしないでチャレンジしないなら100%何も起こらないということを忘れないでください」と仲間にエールを贈った。エミリーさんは20日に留学を終え、国内を旅行して帰国する。
審査を担当した3人の英語教師の一人、佐野喜道教諭は「今年の生徒は例年になく、洗練されていました。授業でも指導はしましたが、構成の仕方が上手になって分かり易かった。特に上位の3人は聴衆に与える印象も違ってくるプレゼンテーションも上手でメリハリが付いていました」と講評した。大会の最後に、勝村寿子教頭は現在行われている相撲の初場所に触れ「稽古は本場所の如く。本場所は稽古の如く」と昭和の大横綱双葉山の言葉を引用。「稽古をするときに本場所に臨むようにすれば、いざ戦いに挑む際には、稽古で身についた力を大いに発揮できます」と本番に立ち向かう心持ちを話し、生徒全員に励ましの言葉を述べた。
文(K.F) カメラ(平川大雪) 2017.1.19