山梨学院パブリシティセンター

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●山梨学院大生が笛吹市に移住定住促進策を提言
~山学大と笛吹市との包括連携協定の一環~
~学生による地方創生研究の成果発表会~

山梨学院大学は笛吹市との包括連携協定の一環として1月20日、笛吹市役所本館で山梨学院大が地域課題の解決を目指すことを目的にした授業「地域課題総合研究」で行ってきた「移住定住促進策」を提言する成果発表会が行われた。山梨学院大では昨年9月後期授業として「地域課題総合研究」科目を開講。地域と学生とがともに地域の課題を研究しようというもの。学生たちは笛吹市に対し、「移住定住促進策」を提言することを研究テーマに14回授業を展開してきた。15回目の今回、集大成として市職員などの前で研究成果を発表した。初めに日高昭夫山梨学院大副学長・法学部学部長が趣旨説明を行い、続いて法学部法学科・政治行政学科、現代ビジネス学科の3学科、2年から4年生までの学生24人が4つのワーキンググループに分かれてそれぞれ発表した。どのような取り組みが移住定住による人口増に繋がるか、市の担当職員に現状や課題、笛吹市の移住者にインタビュー調査などを行いまとめた移住定住を促進するアイディア、「農業Xコミュニティ=移住」「雇用拡大を目指して」「農家と新規就農者を繋ぐ提案」「ブドウの皮で笛吹市を活性化」の4つの案として提言した。視聴した約30人余りの市職員は熱心に学生の提言に耳を傾け、メモを取っていた、最後に笛吹市小澤紀元経営政策部長が学生たちの提言に感想を述べ、前向きな検討を約束と謝意を述べて閉会した。山梨学院大では、来年度も他の自治体と連携し、地域の課題を研究していきたいとしている。

地方都市の人口減に歯止めが掛からない現状に地方自治体の多くが頭を痛めている。その中で各地方大学や経済団体が取り組む文部科学省の「地(知)の拠点大学による地方創生推進事業(COC+)」がある。その一環の授業科目として山梨学院の「地域課題総合研究」が昨年の9月に開講した。この科目は地域が抱える諸問題を自治体と学生がともに研究していこうとするもので、山梨学院大と2015年に包括的連携協定を締結した笛吹市は、政策の課題の一つである人口減少を、現在約70000人の人口に対して2065年には45000人と予測されるため、それを何とか55000人に食い止めようとさまざまな施策に取り組んでいる。そのひとつに『移住定住』が挙げられ、今回初めて山梨学院の「地域課題総合研究」として、笛吹市との連携協議のテーマに設定し、地域と学生が一緒に取り組んできた。学生は笛吹市の職員ややまなし暮らし支援センターの職員などの授業を受講し、話を聞き情報を得たり、すでに市内に移住している人にインタビューなど実地調査を進め、県内外の成功事例なども調べたりしながら、それを基にグループでアイディアを練り上げていった。

発表会では、最初に日高昭夫山梨学院大副学長・法学部学部長が趣旨説明を行い、「今日の提言に至るまでは、さまざまな方からテーマによる現状や課題などの情報を提供していただき、学生たちの独自の調査により、最終的には課題解決に繋がっていけるような提案をさせていただき何とか発表会にたどり着けることになりました。まだまだ掘り下げが弱いなど課題はあると思いますがさまざまご意見が聞かれるとありがたいと思っています」と挨拶した。
続いて、4つのワーキンググループに分かれて、研究に取り組んだ成果を発表した。農業をしたい若者をターゲットにIT技術を活用し、情報の可視化で農業とコミュニティを繋ぐ重要性を提案した「農業Xコミュニティ=移住」。「雇用拡大を目指して」は『職』を重要課題に挙げ、「サテライトオフィス」の成功事例を紹介しながら移住定住には雇用問題が重要とし、企業誘致を一つの判断材料として示した。「つなげ農業」では農家と新規就農者を繋ぐために、行政や支援センターなどの情報などを活用、相互の情報共有の円滑化を図る『仲介サイト』を開設することを提案。「ブドウの皮で笛吹市を活性化」は、まちの特産品ブドウの皮を絵の具にして、新しい商品開発を手掛け新しい価値で移住定住者の呼び込むことを提案した。若い学生ならではのアイディアに富んだ視点からの提案にいくつかの意見交換が行われ、最後に小澤紀元笛吹市経営政策部長は「後期の授業の中で真剣に考えていただいた提案は、我がふるさと笛吹市のより良いための足がかりになると思っています。参考にさせていただく提言も多くございましたし。就職先ということで多くの企業とも協力して準備もします。今日来ていただいた学生さんの何人かにも笛吹市のために頑張ろうという方がいらっしゃることを期待しています」と総評した。発表を行った鬢櫛佑樹(びんぐし ゆうき 法学部政治行政学科3年)さんは「授業内で市役所の方と政策提言させてもらう機会はないので、そこに魅力を感じたこととグループワークのなかでいろいろな人たちと意見を交流しながら一つの政策を作ることは面白い試みで自分のためにもなると思いました。たくさんの人の意見を一つにまとめることが大変に難しいと感じました」と話した。矢澤拓海(現代ビジネス学部3年)さんは「移住定住が最重要テーマですが、開発に関わる資金調達を目的に提言させてもらいました。実際にブドウの皮を使って絵の具が作れるかということを何社か問い合わせたのですけど、作った事がないから分からないという回答で、今回の発表までに情報が得られなかったことが残念でした」と話した。山梨学院大で行われた授業にも講師として参加した野崎進笛吹市役所経営政策部移住定住担当は「直接すぐ生かせるかは別として、私たちが提言するときは費用の問題とか、諸々考えていかねばならないのです。そういう部分があるともっと良い発表になったと思います。最後の『ブドウの』提言は次への発展性があって面白かった。こういう機会を大学側にもっと設けてもらうとプレゼンも上手くなるし、深く考えることが出来るのでは」と、感想を語った。

今回の担当教授今井久山梨学院大現代ビジネス学部長は「今回が初めてですが、来年は例えば甲府市とタイアップしたり、それぞれの行政、地域の課題を自治体と一緒に毎年毎年考えていくことをしていきたい。『大学コンソーシアムやまなし』のフレームの中で、県内の学生でしたら誰でも受講ができ単位互換も可能」と述べた。

文(K.F) カメラ(平川大雪) 2017.1.21