●インターハイ冬季大会フィギュア競技
~河西萌音総合11位、入賞に後一歩の大健闘~
~学校対抗戦女子総合4位、表彰台に届かず~
平成28年度全国高校総体冬季大会(インターハイ)の「第66回全国高校スケート・アイスホッケー選手権大会」が栃木県宇都宮市、日光市で1月19日より23日までの日程で開催され、35都道府県の選手約1000人が氷上で熱戦を繰り広げた。山梨学院高校からは、スピードスケート競技に男子2人、フィギュア競技に3人の選手が出場した。栃木・宇都宮スケートセンターで行われたフィギュア競技女子には143人が出場し、その内24人だけが決勝に残れる狭き門に山梨学院の3人が挑んだ。競技初日20日に小澤みいな(1年)が出場。ショートプログラムグループ19位で予選通過はならず。2日目21日に遠山莉央(3年)はグループ17位となり決勝には進出できなかった。競技3日目22日、山梨学院勢最後に出場したのは河西萌音(3年)。グループ19人目に登場。演技を終えた時点で自己ベストを叩き出し1位に躍り出た。その後は順位を落としたものの10位で23日のフリー決勝戦に進んだ。決勝戦では、前半ジャンプで多少のミスはあったが13位で滑り終え、総合順位は昨年の20位を大きく上回る11位と健闘した。また、3人の出場選手の合計得点で競う学校対抗戦では、山梨学院は表彰台を目指したが昨年に続き総合4位となった。なお、日光市で行われていたスピードスケートでは塩川弦太(3年)が1000mで9位、1500mで12位に入る活躍を見せたが、僅かに入賞の8位には届かなかった。
◆総合順位、河西萌音11位と大健闘。昨年の20位から大幅に順位上げ。
22日に予選のショートプログラムを10位で通過した河西萌音は自己ベストを更新。得意のジャンプも完璧に決めるなど好結果でスタート。予選後に河西萌音選手は「今季は関東や県外の試合であまり良い演技が出来なかったので、今回は最後のインターハイでもあって、全力でやってきたことを出し切ろうと臨み、自己ベストが出せたので良かったです」。ジャンプは全て決められたものの、スピンや細かいところでミスがでたことを決勝の課題とした。昨年はフリーの決勝進出を果たすも、後半体力が落ちミスを連発。20位に終わった雪辱を果たすべく決勝戦に挑んだ。フリー決勝15番滑走の河西はスタート前、岩本英嗣コーチとがっちり握手して演技地点に立った。白に赤の縁取りが入ったコスチュームに髪に赤いリボンを巻いてスタートを待った。曲はミュージカル『ウエストサイドストーリー』。ヒロインのマリアに扮し、3分30秒間銀盤を縦横に舞った。序盤の3回転ループ2回転トォループをきれいにまとめ、2回目のループに回転不足のミスをしたが、「他は上手くまとめられ良かった」と笑顔を見せた。今季は体力強化を課題に挙げ、シーズンオフの4月から6月まで、週2回のペースで筋力強化と走り込みで体力をつけた。「後半疲れてきたところで4つのジャンプを飛べるように強化しました」と、河西萌音選手。自身の演技に合格点をつけた。得点はショート、フリーの総合得点135.25を出し、総合順位を11位とした。「130を超えられたことは良かった」と納得の表情で話した。8位の入賞得点までは僅か1.10差、昨年の20位からの順位を大幅に上げる大健闘を見せた。
◆遠山莉央、小澤みいな、本来の力を出せず決勝進出を逃がす。
他の山梨学院勢では、競技2日目21日に滑走した遠山莉央選手(3年)は「過去2年間思い通りの滑りができなかったので、最後の年は自分の思ったような滑りが出来るように頑張ろうと滑りました」と大会に臨んだが、本来の滑りが出来ず、「ジャンプは比較的良かったですけど、スピンでのミスが響き悔しかったです」と振り返った。結果は総合45位と満足のいく順位ではなく、肩を落とした。初日20日に滑走したもう一人の小澤みいな選手(1年)は「今の自分の力が出し切れなく、すごく悔しいです。点数も全然伸びなく目指していた順位にも遠く、ジャンプで転倒してしまったことと、スピンでレベルが取れなかった」と反省した。順位は63位と納得はしていない。初めてインターハイには、「思ったよりはあまり緊張はしなかった。来年までに膝の怪我を治して、ジャンプを万全な状態で臨めるようにしたい」と捲土重来を期す。
◆3人の得点合計で争う学校対抗戦は、昨年に続き4位。表彰台に届かず
女子3選手の合計得点で順位を争う学校対抗戦では、河西萌音(133点、総合11位)、遠山莉央(99点、総合45位)、小澤みいな(81点、総合63位)、合計313点で総合4位につけ、4年連続5回目の入賞を果たした。しかし、2年連続で今一歩の惜しい表彰台を逃がした。表彰式後、出場した3人(右から遠山莉央、河西萌音、小澤みいな)。河西萌音選手は「今年は優勝を目指して頑張ってきたので表彰台に上がれなかったのは悔しいです」。「大会に出発する前に3人で表彰台と誓ってきたので乗れなかったことはとても悔しい」と遠山莉央選手。小澤みいな選手は「自分の個人成績が良くなく、もっと上に行けたら絶対に表彰台に上れたので、悔いが残る試合でした。来年は今回より上を目指します」と前を向いた。
栃木県日光市の日光霧降スケートセンターで20日から23日まで行われたスピードスケート競技では男子1000mに出場した塩川弦太(3年)は9位、1500mでは12位と入賞まで後一歩と健闘した。弟の塩川和音(2年)は同種目に出場したが、45位、37位と振るわなかった。二人は現在、ショートトラックを主体に競技をしているため塩川弦太の頑張りは特筆する。
19日から23日までの5日間にわたるインターハイは無事に終了。河西萌音選手は、片平陽冬選手(甲府第一高)とともに1月27日から長野県長野市他で始まる「第72回国民体育大会冬季大会・ながの銀嶺国体」に出場する。
文(K.F) カメラ(平川大雪) 2017.1.24