●天皇杯全日本サッカー山梨県代表決定戦 決勝
~山学オリオンズ、決勝で韮崎アストロズに敗れる~
~2年連続、3回目の代表出場はならず。準優勝~
「第97回天皇杯全日本サッカー山梨県代表決定戦」決勝が1月29日、甲府市・山梨中銀スタジアムで行われた。決勝戦は山梨学院大学オリオンズと韮崎アストロズの対戦となった。山梨学院大オリオンズは前大会に続いて3回目の決勝戦出場。韮崎アストロズフットボールクラブは本戦出場13回を誇る社会人の古豪チーム。天皇杯全日本選手権は現行では8月開幕だったものを2017年以降、4月に開幕、決勝は翌年の元旦に実施と変更したため、昨年の10月2日から山梨県予選が行われていた。予選は29チームが参加、この日の決勝戦を迎えた。試合は緑のユニフォームの韮崎アストロズのキックオフで始まった。白のユニフォームの山梨学院大オリオンズは序盤、7番MF五百蔵準(1年)9番FWの小野寺元(2年)を中心に主導権を握り、相手ゴールに攻め上がるも中盤、バックパスのミスで相手にボールを奪われ、不用意な失点で先取点を献上した。後半に入っても序盤早々に再三ピンチを招いた。次第に山学オリオンズペースに持ち込むも決定力に欠け、ゴールが遠い。選手を交代して流れを変えたいオリオンズだが、最後まで得点を奪えないまま、前半のミスの失点が響き2連連続の天皇杯出場は果たせなかった。優勝した韮崎アストロズは14回目の山梨県代表として4月に1回戦を戦う。
山梨学院大学サッカー部は4つのカテゴリーに分かれ活動しており、トップチームからブレーブス、ペガサス、オリオンズ、ブラウンベアーズと愛称が付けられている。トップチームのブレーブスは、東京都大学サッカー連盟1部に所属し、関東リーグ昇格を目指し、都リーグ戦を戦っている。ペガサス以下は山梨県サッカー協会1種に登録され、ペガサスとオリオンズが県社会人リーグの最高峰のスーパーリーグ(SPL)に所属し、ブラウンベアーズは1部に所属し、サッカー部内での戦いも熾烈だ。天皇杯県予選には、ペガサス、オリオンズ、ブラウンベアーズの3チームが出場しており、ペガサスは3回戦で敗退、ブラウンベアーズは準決勝で韮崎アストロズに0-1で敗れた。前大会2回目の本戦出場を果たし、2回戦で敗退したものの善戦したオリオンズは、今大会準々決勝から登場し初戦に勝利。準決勝では日川クラブを3-1で破り3回目の決勝に進出した。対戦相手の韮崎アストロズフットボールクラブ(SPL)は、天皇杯本戦に13回の出場を誇り、2年ぶり14回目の本戦出場を目指す古豪チーム。山梨学院オリオンズは伝統チームに臆することなく戦いに臨んだ。
この日の午後12時の天候は晴れ、気温約10℃、風はほとんど無風の温かい日和になった。試合は12時34分、緑のユニフォーム、韮崎アストロズのキックオフで始まった。序盤は、互いにロングボールでデフェンスの裏を狙い主導権を争う。山梨学院オリオンズは序盤立て続けにパスをつなぎシュートを放すも決まらず、13分には、初のCK(コーナーキック)を得るとショートコーナーからセンタリングでゴール前に合わせると9番FWの小野寺元(2年 東京・帝京第三高)がヘッドでゴールを狙った。相手ゴールキーパーが前に落としたところを前に詰めていた3番DF小島佑太主将(4年 静岡・藤枝西高)は押し込めず、絶好のチャンスを逸した。そのまま中盤までオリオンズペースで試合は進んだ。試合が動いたのは20分。オリオンズの最終ラインでのパス回しミスで、前線に詰めていた相手18番MFの選手が1番GK矢島海都(1年 茨城・東福岡高)をかわしシュートを決め先制点を奪った。その後ボール支配率で韮崎が上回り、オリオンズはカウンターやロングボール、早いパス回しなどで相手ゴールを狙うがことごとくデフェンスに跳ね返され0-1で前半を折り返した。後半になると開始早々、ペナルティエリア内に攻め込まれ、2本のシュートを打たれ再三のピンチを招いたものの、何とか凌いだ。オリオンズも何とか同点に追いつこうと7番MF五百蔵準(いおろい じゅん1年 埼玉・山梨学院高)、9番FW小野寺元を中心にゴールへ迫るも決定力を欠きゴールが遠い。終盤、フィジカルの強い10番MF内田光輝(4年 東京・保善高)を投入、活路を見出すべく粘り強く攻め続けたが、相手デフェンスの堅守で得点を奪えず、そのまま無情にも試合終了の笛が鳴り響いた。山学オリオンズの2連覇はならず準優勝となった。勝利した韮崎アストロズは2年ぶり14回目の天皇杯出場を決め4月22日、又は23日の1回戦に挑む。
天皇杯全日本サッカー山梨県代表決勝戦 《1月29日》 山梨中銀スタジアム | ||
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● 山梨学院大 0 オリオンズ |
前半 0-1 後半 0-0 |
1 韮崎 ○ アストロズ |
試合後。山梨学院大オリオンズを率いた武井雅之監督は「オリオンズは前からどんどん湧き出てくるようなサッカーなのですけど、コンディションを含め、選手のメンタル面を私がコントロールできなかった。立ち上がりから行くゲーム展開ができないというミスで選手に申し訳なく思っています」と語り、試合展開は「前半通してボールの動き、人の動きが少なかったところを後半も改善できなかったことが敗因」と振り返った。前節の試合で退場者を出し、日川クラブ戦や事前の練習中に怪我人が出るなど主力4人が万全の形で出場させることもできなかったことをも影響した。小島佑太主将は「最初、入りということを意識したのですが、それを徹底できなかった。立ち上がりから相手のペースに呑まれ、上手に試合運びができなかった。惜しいチャンスを逸したり、ミスから失点したしたことで自ら負けを呼び込んでしまった」と反省を口にした。さらに「自分の本来のポジションではない選手もいたし、その中で戦うことは難しいと感じました」と4年間最後の試合に敗れるという悔しさを滲ませた。
文(K.F) カメラ(平川大雪) 2017.1.29