●山学高県内初「国際バカロレア」認定校 記者会見
~世界共通の大学入試資格取得が可能~
~大学入試制度の改革にいち早く対応~
山梨学院高校は、1月27日付けで国際バカロレア(IB)機構より「国際バカロレア認定校」に県内で初めて認定されたことを受けて、2月20日山梨学院クリスタルタワー7階広報スタジオにおいて記者会見を行った。山梨学院高は平成27年3月高校生を対象にしたDP(ディプロマ資格プログラム:16~19歳)の申請書をIB機構に提出、同年9月に県内初となるIBDP『候補校』となり、今回正式に認定され発表に至った。DPは日本の高校2,3年の2年間を対象にしたカリキュラムで大学進学準備を前提にしている。記者会見では山内紀幸校長が経緯とIB教育の概要及び、これからの取組みについて具体的な内容を説明した。DP認定校は山梨学院高が全国で15校目。今回認定された日本語DPでは全国で6番目となった。日本の大学ではIB入試の導入が始まっており、IB資格取得により入学が可能になることや、国際的に認められる世界共通の大学入試資格(IB資格)を得られることで注目されている。
国際バカロレア(IB)機構は、1968年設立。国際バカロレアは、世界共通の大学入試資格とそれに繋がる小・中・高校の教育プログラム。現在では世界140以上の国・地域、4677校(平成28年12月1日現在)で導入されている。文部科学省は、2020年までに国際バカロレア(IB)認定校を200校に増やすことを国家プロジェクトとして進めている。目的は、これからのグローバルな社会を生き抜くために必要な「知性・人格・情緒・社会的なスキル」を身につけることや「多文化に対する理解と尊敬を通じて、平和でより良い世界を築くために貢献する、国際的視野を持つ人間の育成」を初め、グローバル化に対応した大学入試改革を進めようとするもので、各都道府県のいくつかの高校でも認定校を目指す準備が行われている。
山梨学院高が認定されたのは、日本語DP(ディプロマ資格プログラム:16~19歳)というもの。DPの試験・授業は原則として、英語・フランス語又はスペイン語で行うとしているが2013年、IBと文科省が協力して日本語での授業を可能にした。日本語DPでは、6つの科目から英語だけで行う授業として2科目を選択しなければならない。日本語DP認定校は、山梨学院高で全国6校目、中部・甲信越地域では初めてとなる。記者会見は山梨学院高から山内紀幸校長、吉田正副校長、堀内晃教諭(IBコミュニケーションコーディネーター)、小林文IB CASコーディネーターが出席、山内紀幸校長が認定までの経緯とIBDPの概要、そして山梨学院高のこれからの取組みについて具体的な内容を説明した。IB教育に取り組む理由として、そのひとつが山梨学院高の教育理念とも合致する世界標準の探求型教育プログラムの下でのグローバルな人材育成。また、2020年にはセンター試験が廃止され、新テストへの移行が検討される大学入試改革への迅速な対応を挙げた。山内紀幸校長は「IB資格を持っている生徒はインターナショナル・スクールを除いて、現在ほとんどいませんので、入試対策も含めて文部科学省と大学が大学入試改革を推進したことで私たちが踏み込む大きな理由になった」と述べた。また、2年次・3年次に適用されるDPについて「今年4月から特進コースを従来のプレミア・国公立・私立理系をIB系との2コースに分ける。IB系には、4月から現在特進コースの2年生になる88人の内、9人の生徒が選択を希望しており、新しく入学する1年生でIB系を目指す生徒には、準備コースを設け放課後などで追加履修を用意、近い時期にIB機構の規定25人まで生徒枠を広げたい」としている。山内校長の概要説明後には、報道各社との質疑応答があり、詳細について担当者が対応した。
山梨学院高は、2017年度4月から高校2年生のDP授業をスタートさせ、2018年度には日本語DPによる認定者が出ることが可能になった。山梨のフロンティアになるべく、山梨学院が取り組む真の教育改革に注目する。
文(K.F) カメラ(平川大雪) 2017.2.20