●平成28年度山梨学院高校卒業式
~卒業生344人が晴れやかに学び舎から旅立つ~
~多くの部活動で外部団体から団体・個人表彰~
山梨学院高校で3月1日、平成28年度「第59回卒業証書授与式」が行われた。今年度の卒業生は普通科313人、英語科31人の合計344人。午前10時に始まった卒業式は初めに、担任の教師が一人ひとりの名前を読み上げ、普通科と英語科の総代2人が卒業証書を受け取った。続いて皆勤賞(22人)・精勤賞(57人)のうち皆勤賞22人が紹介された。また、特別表彰の「創立者古屋賞」は、全国高校将棋竜王戦で日本一になった竹内広也さんに授与された。日本学生野球協会、県高体連、県高野連、県高校文化連盟会長賞など41団体からの外部団体表彰が行われ、延べ111人が表彰され、日本私立中高連合会会長賞を受賞した塩谷智子さんが代表して賞状を受け取った。学校長の式辞では山内紀幸校長が溢れる情報時代に、自分自身で能動的に行動し五感を信じ、要らない情報を“捨てる”意義を卒業生に語った。式を終えた卒業生は、各クラスで最後のクラス会を行い。前庭で待っていた部活の後輩らとそれぞれの形で別れを惜しみ、青春時代の3年間を過ごした学び舎から、数多くの思い出を胸に晴れやかに旅立って行った。
「不老園」の梅の香りが春の気配を感じさせ、穏やかに晴れ間がのぞき、迎えた3月1日。卒業式は午前10時、2年生徒・保護者の拍手に迎えられ、卒業する344人の3年生が体育館に入場した。最初に各クラスの担任教師が、卒業生一人ひとりの名前を読み上げ、普通科総代の白須真晃さんと英語科総代・石川南さんの2人が壇上に上がり、卒業生を代表して卒業証書を受け取った。続いて皆勤賞22人が一人ひとり紹介され、席を埋め尽くした保護者席から大きな拍手が贈られた。今年度も山梨学院高校の部活動は目覚しく、5年ぶり出場の全国高校野球選手権、男女駅伝部の全国大会出場、サッカー部の全国高校選手権出場と全国高校初となる四冠達成や、全国高校ホッケーチャンピオンズカップ優勝、個人ではスケート部ショートトラック男子・塩川弦太さんが国体少年の部で優勝、女子の田中冴実さんが3位入賞。文化部では将棋部門で全国高校総合文化祭3位、山梨県芸術文化祭放送部門優秀賞、県高校生読書感想文コンクール優秀賞など数々の輝かしい成績を残した。それらに対して日本学生野球協会、県高校野球連盟・県高体連・県高校文化連盟・県吹奏楽連盟・県合唱連盟・県高校応援連盟など41の外部団体から111人が表彰を受けたことが報告された。また、学術、文化、スポーツ等の分野で顕著な成果を挙げ、山梨学院の名声を高めた者に授与される「創立者古屋賞」は、全国高校将棋新人戦、全国高校将棋竜王戦で優勝し、二冠に輝いた竹内広也さんが表彰された。
式辞の挨拶に立った山内紀幸校長は「“捨てる”という言葉を贈ります。間もなく20代に突入する皆さんに捨てて欲しいものを一つ挙げてみます。それは溢れる情報です。この世にはいらない情報が多くあります。『生きることは呼吸することではない。行動することだ』フランスの思想家の言葉です。この言葉こそ情報が溢れる時代に生きる皆さんに相応しい言葉です。手に取ってみて、行ってみて、対話してみて、能動的に自分の身体を使って得た情報こそが皆さんの将来を支える確かな知識になります。こんな時代だからこそ自分の五感を信じて欲しい」と高校時代に贈る最後の言葉とした。在校生を代表して望月梨生生徒会長は今年度の部活動の活躍や芙蓉祭での楽しい思い出と共に「今、先輩方の心の中にはきっと、3年間のかけがいのない充実した青春の思い出が次々に浮かんでいるでしょう。私たちも先輩たちと共に過ごした日々が色鮮やかに浮かび上がってきます。いよいよお別れのときがまいりました。今まで私たちの先輩でいてくれて本当にありがとうございました。」と送る言葉を述べた。卒業生を代表して塩谷智子前生徒会長は2年生に対して「来年の卒業式まではあっという間です。これからは皆さんが山梨学院高校を背負っていかなければなりません。これからの学校生活は全てに『最後』がついてしまい、その都度悲しく寂しく感じると思いますが、時間は一瞬で過ぎてしまいます。やり残すことがないように、後悔することのないように全力で高校生活を楽しみ充実させてください。そして本校をさらに発展させてください」とエールの言葉を述べた。卒業生は、高校生活最後に歌う山梨学院校歌をしっかり心に留め、野球部OBのシンガーソングライターの伸太郎さんの曲「卒業~それぞれの旅立ち~」が流れる中、在校生・保護者の励ましの拍手に送られながら、新たな光溢れる希望の道へ歩き出した。
式後コース変更に伴い、最後の英語科となった総代を務めた石川南さんは「英語科なので3年間同じメンバーで、いろいろなこともあったですけど、修学旅行でアメリカに行ったことなど思い出がたくさん作れました」と話した。創立者古屋賞を受賞した竹内広也さんは「いろいろな部活動で頑張っている人たちがいて、そういう人たちと近くで生活することで自分も頑張らないといけないと感じてきました。成長できる環境で過ごせたと思っています」と話し、早稲田大学に進学する竹内さんは「大学へ行っても将棋を続け、また日本一を目指します」と語った。ホッケー部で1年からレギュラーで3年次にはキャプテンを務めた橋本岳樹さんは明治大学へ進学が決まっている。「1年生からインターハイ3位になるなどいろいろなことを経験させてもらい大学への糧になるような3年間でした。途中でやめて勉強に進んだ人もいるし、皆それぞれの道を進みますがここで過ごした3年間部活動で過ごしたことを忘れないでほしい」とチームメイトとの別れを惜しんだ。3年間全国高校駅伝(都大路)で1区を務めた駅伝部飯島圭吾前主将は「入学した時は、夏まで長くて結構苦しかったですけど、終わってみれば早かったなという感じです。1年生の時は1区以外がいいなと思っていましたが、2年、3年と進むほどに1区の面白さを知れたので、今は1番好きな区間になりました」と振り返った。駅伝の強豪校、東洋大学に進学する飯島さんは「かなり厳しい戦いにはなると思いますが、1年目からしっかりメンバー入りを狙い、走れれば区間賞を狙うという気持ちでないと駄目なので、1年目から戦力になれるよう頑張ります」と意気込みを語った。昨年の夏の甲子園に出場、主将としてチームを牽引した瀧澤虎太朗さんは「長いようで『あっという間』に終わった3年間でした。甲子園も自分の中では3年前に行った感覚で、もう遠いところへ行ってしまって、自分にはもう甲子園に行くチャンスはないのだなと、少し寂しいです」と話した。早稲田大学で野球を続ける瀧澤さんは「走攻守、3拍子揃った選手になって、一日でも早く試合に出られるようにしたいです。六大学リーグで首位打者を獲るというのを目標にしています」と将来を夢描いて目を輝かした。
穏やかな暖かく晴れ渡った空の下、前庭へ集まった卒業生たちは、あちらこちらで恩師やクラスメイト、保護者などと記念写真を撮り合い、部活の後輩たちがさまざまな形で先輩たちを送り出す光景が見られ、3年間共に歩んだ仲間といつまでもいつまでも別れを惜しんでいた。
20年後に失望するのは、 綱を解き、船を出し、帆で風を捕らえよ。 《マーク・トウェイン》 |
文(K.F) カメラ(平川大雪) 2017.3.1