●山梨学院短大とキープ協会が包括的連携協定締結
~食と健康、環境教育、地産地消の推進等で連携~
~初年度はジャージー牛のミルク利用レシピ開発~
山梨学院短期大学と公益財団法人キープ協会は、3月3日、山梨学院クリスタルタワー7階広報スタジオにおいて包括的連携協定締結調印式が行われた。協定は、山梨学院短大及びキープ協会が有する知的・人的・及び物質的資源の活用を図りながら、包括的連携協力を進めることにより、地域の課題解決・豊かな地域社会の創造・発展に寄与することを目的にしている。山梨学院短大側から山内淳子学長、羽畑祐吾食物栄養科長、白鳥仁事務局長、キープ協会側から淺田豊久理事長、桑田秋光専務理事、林正人常務理事が出席し、山内学長、淺田理事長が協定書に調印、交換した。多くの山梨学院短大関係者やキープ協会関係者がその様子を見守った。平成29年度の実施内容はジャージー牛のミルクに関する研究及び同ミルクを利用したレシピ開発やキープ協会の施設を活用した学生のための「食と健康、環境教育」などが予定されている。
キープ協会は、八ヶ岳南麓に「清里の父」と呼ばれているアメリカ人のポール・ラッシュ博士によって1938年(昭和13年)に建てられたキリスト教指導者研修施設の清泉寮が母体である。ラッシュ博士は、第二次世界大戦後の日本を民主的に立て直すため、新しい農村コミュニテイの確立を目的に設立した。「食料・保健・信仰・青年への希望」という4つの理念を掲げ、日本の農村モデルとしてさまざまな施設を建設した。その一つに日本人が自立して暮らしていけるようにと、酪農を中心にした高冷地農業を実験的に始めるためにキープ農場を作り、現在では、高冷地に適したジャージー牛が飼育されている。1980年代からは、さらに「環境教育」「国際協力」にも力を入れ、自然保護や環境保全、豊かな自然に触れ合う体験型学習などの環境保護活動、アジアやアフリカなどの発展途上の国々の農業支援を行っている。2012年、公益財団法人の認可を受けた。
連携協定調停式では、多くの山梨学院短大、キープ協会関係者が見守る中、山内淳子山梨学院短期大学学長、公益財団法人キープ協会淺田豊久理事長が協定書に調印、交換した。代表者挨拶では、初めにキープ協会淺田豊久理事長は、連携協定の大きな内容の一つとして「私どもが有機栽培をしている牧草で育ったジャージー牛の牛乳がこの連携協定により、大きく羽ばたくステージを与えられた栄誉を感じてご提供申し上げることを、もろ手を挙げて賛同させていただきました」と述べた。ジャージー牛は、ポール・ラッシュ博士が当時高地でできる酪農をする実際の手段として、当時珍しかったジョージー牛をアメリカから輸入し、清里の地で酪農を始めたのが、山梨県におけるジャージー牛の育成と生産、生産された牛乳の商品化の歴史がある。山内淳子学長は「常々、キープ協会の理念や活動に共感してまいりました。山梨学院短大とキープ協会の人的・物質的・知的資源を有効活用しながら豊かな地域づくりに励んでいきたいと思います。ジャージー牛のミルクの研究を楽しみにしています。学生が成分の研究だけではなく、ジャージー牛の牛乳を生かしたレシピの開発などに取り組んでいきたいと思います」と挨拶した。キープ協会においては、教育機関との連携協定締結は初となる。
■《連携・協定内容》
◎ 自然の保護・活用など教育環境に関すること。
◎「食と健康」に関する研究・教育に関すること。
◎ 地域の特性を生かした農業の振興、地産地消の推進に関すること。
◎ 前各号に掲げるもののほか、前条の目的を達成するために必要な活動等に関すること。
◎ その他。
■《平成29年度に予定している実施内容》
◎ 4月16日・17日に清泉寮などキープ協会の各施設で行う「山梨学院短期大学新入生オリエンテーションセミナー」において、学生を対象にした「食と健康・環境教育」を実施する。
◎ ジャージー種のミルクに関する研究及び同ミルクを利用したレシピ開発(4月以降予定)。
◎ その他。
調印式後、山内淳子学長は「今回、ジャージー牛が連携のきっかけなので、とても大事にしていきますし、キープ協会さんの方も期待していてくれています。理念、考え方なども共通している部分もあり、一緒に取り組めば私どもの専門職養成も充実していきますし、先方にもいろいろ提供することもでき、互いに地域のためになると思います」と、連携の意義を語った。山梨学院短大は、これからも積極的に双方にとって有益な連携が取れる外部機関等とともに地域連携、地域貢献に寄与していくとしている。
文(K.F) カメラ(平川大雪) 2017.3.4