●信玄公祭り甲州軍団に出陣
~国際リベラルアーツ学部の留学生が甲冑を手作り~
~18日のコスプレ研究会議で制作した鎧兜を披露~
山梨学院大学国際リベラルアーツ学部(iCLA)の留学生らが、4月の信玄公祭り甲州軍団出陣に向けて準備作業に取り組んでいる。ドイツ・香港・アフリカのザンビアなどからの9人の留学生と1人の日本人学生が、昨年10月から祭りで着用する兜や鎧の制作に励んできた。信玄公祭りが3週間後に近づき、最後の仕上げ作業に取り掛かっている。3月18日に学部内レクチャーシアターで行われた「日本ポップカルチャーコンファレンス」(コスプレ研究会議)で、完成した一体の甲冑が披露され、会場から喝采を博した。4月8日の甲州軍団出陣では、他の留学生や教授陣らを加えた33人編成のiCLA軍団を組み、風の如く出陣し、火の如く燃えて、勝鬨を上げることにしている。
国際リベラルアーツ学部は、学生や教職員で“手作りサムライプロジェクト”を組織し、日本文化や日本人の思考を学ぶジャパン・スタディーズの一つとして、サムライ精神の研究にも取り組んでおり、昨年の信玄公祭りにゲスト的に初参加した。2年連続となる今年はiCLA軍団として、信玄公の次男武田信親隊を任されることになり、より良い武者行列をしようと、より一層力が入っている。甲冑の制作に取り組んでいる10人の学生は、昨年10月から準備作業に入り、毎週1回の合同作業とそれぞれの自主作業で鎧兜の制作に取り組んできた。組み紐をつないで鎧を作り上げるなど細かい作業が多かったが、全員がほぼ完成にまで漕ぎ着け、最後の仕上げ段階に入っている。9人の留学生はそれぞれ「日本文化を学ぶいい機会になった」と話し、日本人学生は「みんなの輪が広がった」と言い、全員が「最高のパフォーマンスをする」と張り切っている。
18日に行われた「日本ポップカルチャーコンファレンス」は、コスプレの文化や歴史、サブカルチャーに関する研究や論文を発表するコスプレ研究会議で、ロンドン在住のアニメ文化研究者ヘレン・マッカーシーさんが世界中のコスプレの歴史について講演し「コスプレ(COSPLAY)は日本発祥の言葉であり文化である」と紹介した他、江戸時代から続く忍者集団・武蔵野一族の五十嵐剛氏の忍者演武などが行われた。研究会の中で、甲州軍団出陣のプレゼンテーションとして完成した一体が披露され、聴講者から喝采が起きた。このコスプレ研究会議の日本語通訳を務め、信玄公祭り甲州軍団出陣では、武田信親役を務める合気道・書道の高段者ウイリアム・リード特任教授は「文武両道の日本文化をより一層広げるために日本国の内外でアピールして行きたい」としている。留学生ら結成のiCLA甲州軍団は、信玄公祭りの後も活動を持続させ、4月23日に群馬県渋川市で開催される八重桜まつりにも出陣し、文武両道の武士道精神を現代社会の日本人にも訴えたいとしている。
文(M.Ⅰ)カメラ(平川大雪)2017.3.18