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●第93回競泳日本選手権 3日目
~陶山周平、400自でも決勝5位。大躍進~
~江原ら次世代、頭角を現し始める予感~

第17回世界水泳選手権大会代表選考会、第29回ユニバーシアード大会代表選考会を兼ねた「第93回日本選手権水泳競技大会・競泳競技」の3日目が4月15日、愛知県名古屋市日本ガイシアリーナで行われた。3日目の15日は男4種目女子5種目が行われ、山梨学院勢は、男女2種目に現役8人、OB・OGが2人出場した。最初に行われた女子50m背泳ぎで瀬下茉利(3年)が11位で惜しくも決勝進めなかったものの、B決勝(9位から11位)に進み6位だった。同種目のOG竹迫麻澄(SWANS)は今大会最後の出場種目でもあり、地元開催のため表彰台に上がりたいと臨んだ決勝戦で5位と涙を飲んだ。続いて行われた男子400mに出場した成長著しい陶山周平(3年)は、予選を2位で通過し、200mと同様に今大会初出場で決勝戦に臨み、5位と大健闘した。この種目では江原騎士(自衛隊体育学校)は5位で予選を通過。決勝戦では萩野公介にかわされ2位となった。この大会いまひとつ調子が上がらずこれまで世界選手権代表は手にしていない。男子200m個人メドレーでは、西山雄介(3年)がB決勝に進み、2位(全体で10位)となった。この日の他の選手は、女子50m背泳ぎの瀬下茉利(4年)が予選11位で進んだB決勝で6位(全体で14位)。女子200mバタフライには、熊本真季(4年)、大塚綾乃(3年)、加藤由佳(2年)の3人が挑んだが、予選敗退した。男子400m自由形には陶山、江原以外に吉田峻也(4年)、豊田将大(3年)が出場もいずれも予選敗退した。

「第93回日本選手権水泳競技大会・競泳競技」は全国各地から水の精鋭約700人が一堂に介し、13日から16日までの4日間、日本一と世界選手権代表を懸けて激しい争いが繰り広げられている。本大会は世界を意識した厳しい派遣標準記録が設定され、優勝または2位以内に入り、派遣標準記録を突破しなければ日本代表に選出されない。後半戦を迎えた3日目となった大会も、3年後の東京五輪で活躍が期待される若い力といままで数々の成績を残してきたベテランが凌ぎを削り、世界選手権代表選手も続々名乗りを挙げ、大会を盛り上げている。

◆先輩江原騎士を追う陶山周平、昨日に続き400自でも5位入賞。

昨日、男子200m自由形で日本選手権に初出場、7位に入賞した陶山周平(3年 山梨学院高)は、今日の男子400m自由形でも大躍進した。予選は、同組で日本競泳界を代表する荻野公介(ブリジストン)の隣のレーンで泳ぎ、最後は離されたものの、堂々と渡り合い萩野に続く2位で自己新を更新し、決勝に駒を進めた。陶山周平選手は「萩野選手は予選ではそんなに行かないので付いて行ければいいかなと思っていました。最後離されてしまったけど自分の中では結構いい感じで付けました。昨日200で全然駄目だったので今日の400では何としてもベストを出すと決めていたので、ベスト出たので素直にうれしいです」と語り、決勝戦へ臨んだ。このレースでも陶山は、前半から積極的な攻めの泳ぎを見せ、中盤まで1位を行く先輩江原騎士(自衛隊体育学校)を追って2位と健闘したが、徐々にペースを落とし5位に終わった。このレースでも初出場ながら今後が楽しみな選手として記憶に残る活躍をした。陶山はレース後、「タイムが出なくてちょっと悔しい。課題の前半は上手くいったのですが、その分後半がきつくなってしまいました。隣の萩野選手に付いていきましたが、トップ選手は後半強いので、自分的には悪くはなかったですけど落ちてしまった」と話した。

一方、スタートから飛び出た江原騎士は、終盤まで1位をキープする力泳を見せるも、最後に力を温存していた萩野公介と残り25mからデットヒートを演じたが、まともやかわされ2位となった。自己新に迫る気迫の泳ぎも派遣標準に届かずこの種目でも代表入りは叶わなかった。江原騎士選手は「日本選手権に一番合わせなければいけないのに、できなかった自分をもう一度しっかり振り返り、本番にできない自分を見つめ直して、2種目両方で2位ということと、怪我をして復帰したばかりの萩野選手に勝てない自分の弱さを追求してさらにストイックにハングリーに頑張らなければいけない」と反省を口にした。高校・大学の後輩、陶山選手の躍進に話を向けると「前半から飛ばしているのが分かって、昔の自分を思い出したような感じです。自分も大学2年の時から急に伸びてこういう舞台に立つことができ、こういう選手が怖いのだなと思います。決勝に残って負けも知ったりするともっともっと焦りも出てくるし、成長もするだろうし、陶山君の追い上げもうれしいですけど、自分自身がもっと追い上げられるようにしっかり頑張りたいです」とエールを贈った。

◆江原ら次世代を継ぐ旗手西山雄介、陶山と共に水泳部を引っ張る

大会初日に男子400m個人メドレーで4位と素晴らしい成績を残した西山雄介(3年)が3日目の男子200m個人メドレーに出場、2種目続けての入賞かと期待させたが、予選の飛び出しでつまずき、前半が伸びずに16位と沈み、B決勝(9位から16位まで)に回った。西山雄介選手は「アップの時点では悪くないと思っていたんです。力んだというか、あまり感覚が良くなく、背泳ぎ、平泳ぎがうまく泳げなかったです。ちょっと悔しいです。しっかり挑戦してベストは最低でも更新したいです」と話し、決勝戦に臨んだ。前半は抑え気味に入り中盤まで5位で泳いでいたが、予選で失敗した平泳ぎの150mから2位に浮上。最後の自由形でも2位を守り自己新を記録した。「ベストですけど速くはないです。予選で力んでしまったので昼に力まないように調整しました。まだまだ全然通用はしないですが、自己ベストを出せたのは良かったです」と次にさらなる上を目指す。

世界選手権出場を誰よりも強く思い描いていた竹迫麻澄(SWANS)は、昨日得意の女子100m背泳ぎで勝てたレースを落とし5位と自分では納得のいかない気持ちを、女子50m背泳ぎにぶつけた。竹迫麻澄選手は「50mという種目は、スタートした時点からどれだけ一つ前に出られるか勝負なので自分の持ち味を最大限に発揮しないと。50の選手は皆選考逃げ切りのタイプが多いのでその中でも目立たなければいけない」。と、いつもよりも自身の持ち味、先行逃げ切りを図ったものの予選5位、決勝も自己新を出しながら5位と100mの上位4人の壁を抜き切ることができなかった。レース後、「表彰台狙っていたので、ちょっと悔しいですけど3位まで0.3秒差だったのでまだ実力が足りないのかなという感じです。地元開催ですし、日本選手権だけがまだメダルを取ったことがないので本当に悔しいです」と唇を噛んだ。同種目に出場し自己記録を更新し、11位でB決勝に進出した瀬下茉利(4年 愛知・豊川高)は「昨日がすごく悔しかったので、今日は絶対ベストを出すつもりで泳ぎました。もう1本泳げるタイムだったので良かったです。もう1本頑張ります」と話したが、決勝では、「25mまでは良かったが、そこから伸びなかった。まだ全然力が足りなかった」と6位(全体14位)と順位を落とした。

他の山梨学院勢は、女子200mバタフライの熊本真季(4年 京都外語大学西高)はレース直後、「B決勝に進めるか際どいラインにいる気がするんですけど、でも全力を出し切れました。ベストを大幅に更新したかったので、ちょっと心残りですけど」。結果は残念ながら17位でB決勝に進めなかった。同種目の大塚綾乃(3年 千葉・東海大付属浦安高)、加藤由佳(2年 宮城。東北高)は予選敗退。陶山とともに男子400m自由形に出場した吉田峻也(4年 富山商高)、豊田将大(3年 神奈川・生田高)も予選敗退した。

◆3日目個人種目結果 4/15 愛知県名古屋市・日本ガイシアリーナ

種目 派遣標準 氏名 記録 順位 備考
女子50m
背泳ぎ
28.51 瀬下茉利 29.19(自己新)
29.53
24位6位 予選
B決
竹迫麻澄OG 28.81
28.57(自己新)
5位
5位
予選
決勝
男子400m
自由形
3:47.19 吉田峻也 3:57.03(自己新) 31位 予選
豊田将大 3:58.16 29位 予選
陶山周平 3:51.84(自己新)
3:52.10
2位
5位
予選
決勝
江原騎士OB 3:52.30
3:47.74
5位
2位
予選
決勝
女子200m
バタフライ
2:08.52 熊本真季 2:13.60 17位 予選
大塚綾乃 2:14.82 25位 予選
加藤由佳 2:15.98 29位 予選
男子200m
個人メドレー
1:59.23 西山雄介 2:02.88
2:01.42(自己新)
16位
2位
予選
B決


明日4日目最終日の山梨学院勢の出場種目は、女子100mバタフライに加藤由佳(2年)、女子200m平泳ぎに絶好調鈴木聡美(ミキハウス)と奥田百香(3年)、男子では100mバタフライにOBの甲斐耕輔(ルスツリゾート北海道)、男子200m平泳ぎに大谷走(3年)、男子800m自由形に豊田将大(3年)、吉田峻也(4年)と江原騎士(自衛隊体育学校)の8人が出場する。

文(K.F) カメラ(平川大雪) 2017.4.15