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●第93回競泳日本選手権 閉幕
~山学大水泳部、西山・陶山が決勝で好結果~
~東京五輪に向けて、希望が、明るい光が見えた~

第17回世界水泳選手権大会代表選考会、第29回ユニバーシアード大会代表選考会を兼ねた「第93回日本選手権水泳競技大会・競泳競技」が4月16日、愛知県名古屋市・日本ガイシアリーナで4日間の最終日を迎え閉幕した。約700人のスイマーが一堂に介し競泳日本一を懸け、7月にハンガリー・ブタペストで行われる世界水泳選手権大会への代表選考を懸け、熱い戦いを繰り広げてきた。世界水泳選手権代表には、各種目2位までと、そのうち派遣標準記録を破った選手が選出される厳しい条件が課せられた。4日間の大会で男子が8種目、女子が11種目から派遣代表が内定し、日本新記録3つと世界ジュニア新記録4つが生まれる内容の濃い大会になった。山学大からは西山雄介(3年)と陶山周平(3年)が決勝上位に名を連ね、大きな収穫となった。大会最終日は男女とも5種目が行われ、山梨学院勢は、男子3種目、女子2種目に現役5人、OB・OGが3人出場した。女子200m平泳ぎに出場したOGの鈴木聡美が2位となり、50m・100m平泳ぎと合わせ3つ目の世界選手権代表に内定した。また、男子800m自由形のOB江原騎士は優勝したものの派遣標準記録を破れず、代表入りを逃した。同種目に出場した豊田将大(3年)は、タイム決勝でB決勝にあたる15位となった。吉田峻也(4年)は、31位。女子100mバタフライの加藤由佳(2年)は43位、女子200m平泳ぎの奥田百香(3年)は17位、男子200mバタフライの大谷走(3年)は28位。他にOBの甲斐耕輔は男子100mバタフライで37位だった。

4月13日から16日までの4日間、競泳日本一と7月の世界選手権代表を決める目の離せない激しい争いが繰り広げられてきた。今大会は、男女各17種目が行われ、熾烈な戦いの中で世界選手権代表選手が内定したのは男子8種目、女子11種目となった。また、3つの日本新記録と4つの世界ジュニア新記録が生まれた。史上初の5冠の快挙を成し遂げた池江璃花子(16)を初め、3年後の東京五輪で活躍が期待される若い力が数多く躍進しており、リオ五輪で活躍したスイマーとの激突で大会を大いに盛り上げた。

◆江原ら世代を継承。次世代の雄・西山雄介、陶山周平が成長。今大会に大きな収穫。

大会初日、西山雄介(3年 群馬・高崎商高)は、男子400m個人メドレーで4位に入り、学生1位という大成果を挙げ、初の表彰台まで後一歩まで来た。3日目の男子200m個人メドレーでは予選の出足で失敗し決勝に進めなかったが、B決勝ではしっかり修正して挑んだ結果、自己記録を更新、2位(全体の10位)となり、まずまずの成績を残した。「まだまだ全然通用はしないですが、自己ベストを出せたのは良かったです。次のジャパンオープンではさらに上を目指します」と今大会で得た手応えを携えて道を拓く。陶山周平(3年 山梨学院高)は、今回、200m自由形、400m自由形でともに戦った江原騎士(自衛隊体育学校)の高校・大学時代の後輩。江原の後継者と言われながらもなかなか芽が伸びずに昨年の大会では観客席から声援を送った。しかし、冬場のトレーニングが実を結び、初めての競泳日本選手権出場の機会を得、満を持し挑んだ。2日目、最初の200m自由形で初出場7位に入賞、3日目の400m自由形で萩野公介の隣のレーンで泳ぐ幸運に恵まれ、2位で予選通過を果たした。決勝でも着順の結果、4レーン萩野、5レーン陶山とメーンのスタート台で再び並んだ。レースは前半から失うものはなく果敢に攻め、中盤まで2位と大健闘、後半徐々にペースを落とし5位に終わったが陶山はレース後、「タイムが出なくてちょっと悔しい。課題の前半は上手くいったのですが、その分後半がきつくなってしまいました。隣の萩野選手に付いていきましたが、トップ選手は後半強いので、自分的には悪くはなかったですけど落ちてしまった」と話した。200mに続き、このレースでも初出場ながら今後が楽しみな選手として記憶に残る活躍をした。

神田忠彦監督は「時間は掛かりますけど3年後に向けて着実にやっていける希望が、光が見えてきました。陶山や西山はまだまだトップとは差がありますけれど、今からの伸び率を考えると育成はこれからもしていかなければならないですが、いいところまで行ってくれると思います」と二人に期待を寄せる。

◆鈴木3つ目の世界選手権代表切符内定。江原、今大会初優勝も代表を逃がす。

最終日のレースは、男子800m自由形で江原騎士(自衛隊体育学校)が最後の意地を見せた。男子200m・400m自由形で世界選手権代表を狙ったものの、2種目とも代表枠の2位となったが、派遣標準記録に届かず、このレースに懸けた。飛び出しから江原が持ち前の積極的泳ぎで攻め、そのまま後続を引き離し1位でゴールしたものの、狙った派遣標準記録に遠く及ばず無念にもこの種目でも代表選出は叶わなかった。江原騎士選手は「やるべくことはやりました。大会前に体調を崩したのが最後まで響きました」と言葉少なく話した。今大会絶好調の鈴木聡美選手(スポーツカレッジセンター研究員・ミキハウス)は、女子50m平泳ぎを1位で泳ぎ日本新記録を更新、世界選手権代表に内定。続いて100mでも2位となり、2つ目の世界選手権代表を内定させた。最終日の200m平泳ぎでは、前半100mは抑えて4位で折り返すと徐々に前を追い、150mでは、1位とは身体一つ半リードされていたが、2位争いは三つ巴になった。残り25mで他の二人から抜け出し2位でゴール。派遣標準記録も突破し、3つ目の代表入りを決めた。

他の山梨学院勢は、女子200mの奥田百香(3年 愛知・小牧高)は「今大会はあまりいい泳ぎができていなくて、タイムも悪いと思っていたら意外と速かった。後半が粘れたのが良かったです」とB決勝に進出に1つ足りなく17位で終わった。男子800m自由形のタイム決勝に出場した豊田将大(3年 神奈川・生田高)は「1500mが専門で初めての800でしたが、どんなペースで泳いだらいいか分からなく、周りが意外に遅かったので奥に速い人がいたのでその人を見ながらペースをつくりました。距離は思った以上に短く感じました。この位のラップで1500も入れたらいいかなと思います」。順位は15位。B決勝に相当する。同種目の吉田峻也(4年 富山商高)は31位。男子100mバタフライの甲斐耕輔(ルスツリゾート北海道)は37位。女子100mバタフライの加藤由佳(2年 宮城・東北高)は43位。男子200m平泳ぎの大谷走(3年 千葉・昭和学院高)は28位という結果に終わった。

◆4日目最終日 個人種目結果 4/16 愛知県名古屋市・日本ガイシアリーナ

種目 派遣標準 氏名 記録 順位 備考
女子100mバタフライ 58.03 加藤由佳 1:02.80 43位 予選
男子100mバタフライ 51.83 甲斐耕輔OB 54.46 37位 予選
女子200m平泳ぎ 2:25.36 奥田百香 2:31.01 17位 予選
鈴木聡美OG 2:27.13
2:25.27
2位
2位
予選
決勝
男子200m平泳ぎ 2:10.39 大谷走 2:14.93 28位 予選
男子800m自由形 7:45.66 豊田将大 8:08.02 15位 T決
吉田峻也 8:23.94 31位 T決
江原騎士OB 7:54.16 1位 決勝


※ T決=タイム決勝(予選は行わず、タイムで順位を決める)

4日間にわたり、日本一と世界選手権代表を懸けて繰り広げられた「2017競泳日本選手権」が閉幕した。昨年のリオ五輪後から3年後の東京五輪に向けた強化が進み、若い力の台頭と、積み上げた経験とたゆまない練習で実力を見せ付けた中堅層の凌ぎ合いが大会を盛り上げた。その中で、力の限界からプールサイドから去っていく何人かのトップスイマーの姿に胸を締め付けられる大会だった。山梨学院からは、本来、実力のある西山雄介と江原騎士の後継者と期待されながらなかなか頭角を現せないでいた陶山周平が、今大会で決勝でも充分戦える強さの片鱗を見せた。二人の更なる成長と彼らを追う次の世代の育成に神田監督の手腕を楽しみにしたい。

文(K.F) カメラ(平川大雪) 2017.4.17