●第12回関東学生女子ソフトボール春季1部リーグ
~山学大、優勝を逸するもインカレ出場権獲得~
~エース小林、新人信田、万全の投手リレー~
平成29年度「第12回関東学生女子ソフトボール春季1部リーグ戦」が5月3日から5日までの3日間、埼玉県・毛呂山大類ソフトボールパークで行われた。山梨学院大学ソフトボール部女子はこれまで春・秋季リーグ1部に5季連続、10度の優勝を果たしており、今回の春季リーグで6季連続11度目の優勝に挑んだ。3日初日の2戦は小林咲嬉投手(4年)の完全試合達成の快挙や新人バッテリーの活躍で幸先の良いスタートを切ったが、4日に行われた城西大学戦にまさかの大敗を喫した。5日、本日行われた第1試合に城西大が勝利し、山梨学院の6季連続優勝は潰えた。4日までの山梨学院の勝敗は3勝1敗。準優勝までに与えられる全日本大学ソフトボール選手権大会(インカレ)の出場権を懸けて1敗同士の東京国際大学と最終試合で対戦した。山梨学院は後攻。先発の小林咲嬉は、3回まで完璧な内容で東京国際大を3者凡退に抑えるも、4回表、味方失策と四球で無死二塁・一塁のピンチ。ベンチは嫌な流れを断ち切るため新人バッテリーに代えたが、一死後、相手内野安打で1点を先制された。その裏、山梨学院も田波里緒子(2年)、大参花菜(3年)、遠山晏主将(4年)の3本の安打と相手の失策も絡み2点を挙げ、逆転した。その後、救援した信田沙南(1年)は、6回にピンチはあったものの、威力のある直球を武器に要所を締め、2-1の僅差を逃げ切った。山梨学院は優勝は逸したが準優勝となり、9月に広島県で行われるインカレの出場権を獲得した。
関東学生女子リーグ戦は、東京都の大学を除く関東7県の大学チームによって争われる。女子1部は、昨年の秋季リーグまで春・秋通じて5季連続優勝の山梨学院大、秋季準優勝の城西大学、その他東京国際大学、東海大学、淑徳大学、新島学園短期大学の6チームが5試合戦い、勝敗と得失点差で順位を決める。昨日4日終了の時点で城西大学が4勝0敗、山梨学院大学と東京国際大学が3勝1敗で続き、この日城西大学が第1試合で勝利したため、山梨学院大の春季リーグの優勝はなくなり、6季連続優勝の夢は絶たれた。城西大学は優勝したため、インカレの出場権を獲得。山梨学院と東京国際大学は残り1枠のインカレ出場枠を懸けて直接対決した。
雲一つない快晴の毛呂山大類ソフトボールパーク。午後0時30分試合は始まった。後攻の山梨学院の先発は、3試合目の登板となるエース小林咲嬉(4年 山梨学院高)。第1戦の新島学園短期大戦で完全試合を達成。翌日の城西大戦ではまさかの大乱調で試合を作れず、この試合で名誉挽回を図るべく強い決意を持ってマウンドに登った。1回から3回までを3者凡退で抑える好投。4回表、先頭打者1番の選手を味方の失策で塁に出すと、続く2番打者に死球を与え、無死二・一塁の初めてのピンチ。ここでベンチは嫌な雰囲気を断ち切るために、バッテリーを信田沙南(1年 埼玉・星野高)と菊池朋美(1年 岩手・花巻東高)に代える策に出た。信田は第2戦、第4戦を無失点で勝利を収めている期待の新人。初めの打者を投手ゴロに仕留めたが、走者は三塁・二塁に進塁。続くバッターは三塁ゴロ。三塁手遠山が走者を牽制して一塁に送球したが僅かに打者の足が速く内野安打に。その間に三塁走者が本塁にかえり1点を先制された。山梨学院はその裏、2番田波里緒子(2年 埼玉・星野高)が内野安打と相手の牽制失策で二塁に進塁。3番大参花菜(3年 愛知・東海学園高)が中前に弾き返し同点に追いついた。さらに4番遠山晏主将(4年 群馬・高崎健大高崎高)のバント安打、一死後、走者三塁・二塁で6番鈴木結奈(3年 神奈川・厚木商高)のエンドランで1点を追加し逆転に成功した。6回表には信田投手が死球と内野強襲安打で二死三塁・二塁のピンチを招いた。続く打者に粘られたものの、遊撃ゴロに打ち取り凌いだ。7回は3者凡退で切り抜け2-1の接戦を制し勝利した。4回途中から登板した新人信田が今大会3勝目を挙げた。山梨学院は6季連続優勝を逸したが、9月広島県で行われる全日本大学ソフトボール選手権大会(インカレ)の出場権は獲得した。
◆《第12回関東学生女子ソフトボール春季リーグ1部最終戦》
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 合計 | |
東京国際大 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | ||
山梨学院大 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | X | 2 |
◆《山梨学院大:安打7 四死球1 三振0 失策1》
[山梨学院バッテリー] 小林-渡邊(4年) → 信田ー菊池
[投手] 小林3回0/3:投球数32、安打0、四球0、死球1、三振3、自責点0
信田4回(勝利投手):投球数64、安打3、四球0、死球1、三振3、自責点0
[代打] 久保田莉依(2年)→諏訪いろは(1年)=リエントリー
[代走] 大参→青木菜南(4年) 菊池→田波(共にリエントリー)
※リエントリー=先発メンバーは代打、代走などで一旦ベンチに退いても一度だけ試合に再出場ができるルール
試合後、清水正監督は「3戦目の城西大戦での小林が誤算でした。相手の投手もいいですから最初に点を取られると」と優勝を逃がした敗因を語り、今日の試合については、「やはり選手たちは気持ち的に昨日の敗戦を引きずっていて雰囲気があまり良くなかったですが、小林咲嬉が立ち上がり意地を見せてくれて、新人バッテリーに繋いでくれたのが収穫でした。4年生が硬かったのは、話にならないのでインカレ出場も決めたので、もう一度落ち着いてつくり直そうと思っています」と話した。遠山晏主将は「1年生バッテリーが頑張ってくれたのが大きかったです。この大会を通して私たちの力がまだまだと実感しています。力がないから昨日も負けたので、これからリスタートして他のチームより一丸となって練習していこうと思います」と反省を口にした。
◆《山梨学院大学 今大会成績 4勝1敗 準優勝》
1日目第1戦 | ○ 山梨学院 16-0 新島学園短大 ●(5回コールド)小林勝利投手 |
1日目第2戦 | ○ 山梨学院 7-0 東海大 ●(6回コールド) 信田勝利投手 |
2日目第3戦 | ● 山梨学院 2-10 城西大 ●(6回コールド) 小林敗戦投手 |
2日目第4戦 | ○ 山梨学院 5-0 淑徳大 ● 信田勝利投手 |
3日目第5戦 | ○ 山梨学院 2-1 東京国際大 ● 信田勝利投手 |
春季リーグ戦順位は優勝・城西大学、準優勝・山梨学院大学、3位・東京国際大学、4位・東海大学、5位・淑徳大学、6位・新島学園短期大学となった。
文(K.F) カメラ(平川大雪) 2017.5.5