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●春季関東高等学校野球山梨県大会 決勝戦
~山学高、苦しみながらも駿台甲府高を下し優勝~
~秋・春連続関東大会出場。春季3年ぶり10度目~

「第69回春季関東高校野球山梨県大会」の決勝戦が5月7日、山日YBS球場で行われた。山梨学院は、昨日の試合で優勝候補の一角と目されていた東海大甲府高を16-5の大差の5回コールドで下し決勝戦に進出した。山梨学院は、準決勝で勝利したことにより3年ぶり10度目の春季関東大会出場を決めた。また、昨日の準決勝もう1試合で、駿台甲府高が日本航空高に競り勝ち、23年ぶりに関東大会出場を決め、決勝戦に駒を進めた。試合は、今大会初の先発を託された垣越建伸(2年)。1回表、垣越は、味方の美技にも助けられ3者凡退の上々スタート。2回に2者連続安打と味方守備との連係ミスで無死満塁のピンチ。次打者の内野ゴロで1点を先制される。3回裏、山梨学院の攻撃は一死後、四球と2番五十嵐寛人(3年)の二塁打に3番栗尾勇摩(3年)のスクイズ犠打で同点とする。4回裏にも丹沢海輝(3年)、松尾孝太(3年)の連続安打、相手内野手の失策で無死満塁。さらにパスボールが重なり難なく1点を勝ち越した。この好機に後続が続かず1点止まりだった。5回表には、駿台甲府高に2本の安打とパスボールが絡み、1点を返され再び同点とされる。6回裏、山梨学院は相手失策、犠打、中尾勇介(2年)の中前適時安打で1点を勝ち越す。山梨学院投手陣は8回表まで、先発垣越、坂本遥飛(3年)、勝又功徳(3年)、栗尾勇摩、吉松塁と繋いできており、先を見据える投手起用で試合を主導した。8回裏の攻撃、一死一塁から9番広瀬巧真(3年)、中尾勇介の連続安打で一死満塁の好機に2番に入った吉松塁がきれいに2点中前適時安打を放ち、点差を広げた。9回表に駿台甲府高も最後の粘りを見せ、1点を返したものの、勝負はそこまで。5-3で山梨学院高が勝利し優勝を飾った。山梨学院は、春季関東大会、3年ぶり10度目となる出場に、山梨県大会3季連続優勝の花を添えた。

第1シードの山梨学院は、4月15日の初戦、23日の2戦ともに5回コールド勝ちを収め、5月3日ゴールデンウイーク(GW)後半初日に行われた準々決勝でも甲府工業高に8回コールド。投手と打線が噛み合い、難なく勝利を収めてきた。昨日行われた準決勝は昨年この大会準決勝で逆転負けを喫した東海大甲府高。今回も優勝候補の一角と言われたその相手に猛攻を仕掛け雪辱を果たす5回コールド勝ちで攻略した。山梨学院は4試合連続コールド勝ちで決勝戦の相手は、ノーシードから勝ち上がり23年ぶりの関東大会出場を決めた駿台甲府高との対戦となった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

後攻の山梨学院の先発は、今大会初の先発を託された垣越建伸(2年)。伸びのある140キロに近い直球が持ち味。1回表3者凡退の立ち上がり。その裏、山梨学院の攻撃は久々の先発、2番五十嵐寛人(3年)が一死後右翼越えの二塁打で好機をつくるも後続が続かず無得点。2回に垣越は先頭打者から3連打を浴び、無死満塁のピンチに。続く打者は内野ゴロを打たせるも内野手がもたつき、その間に三塁走者が生還し、先制点を許した。山梨学院も3回裏に一死後、四球と2番五十嵐がこの日2本目の二塁打で三塁・二塁にすると3番栗尾勇摩(3年)が絶妙なスクイズ犠打で三塁走者を返し同点とした。4回には先頭打者5番丹沢海輝(3年)、6番松尾孝太(3年)の連続安打。次の清水玄司(3年)の二塁ゴロが相手の失策を呼び、無死満塁。この後、相手投手のパスボールで難なく1点を加え2-1と逆転。しかし、その後打線が繋がらず三振、Wプレーで得点はこの1点のみ。最大の好機を生かせなかった。山梨学院の投手は4回に垣越から坂本遥飛(3年)に継投、5回には坂本から勝又功徳(3年)に代わるも勝又は2本の安打と味方の拙い守備により1点を失い再び同点。6回先頭打者に安打されたところで栗尾勇摩に救援を仰いだ。代わった栗尾は6回7回をしっかり抑え、8回二死後に安打を許したところでエース吉松塁と代わった。山梨学院は6回裏にも相手失策と犠打で二死二塁から1番中尾勇介(2年)が中前適時打で1点を勝ち越した。8回には四球と9番広瀬巧真(3年)の犠打が内野安打、続く1番中尾が右前打、2番に入った吉松が中前適時安打で2点を追加、5-2と点差を広げた。9回表、駿台甲府高は一死後、二者連続四球で次の打者は三振に倒れたが、二死二塁・一塁で左前適時安打を放ち1点を返えす。必死の攻撃もここまで山梨学院は後続を抑え、勝利した。4年ぶり4度目の春季山梨大会の優勝に輝いた。決勝戦は準決勝までの余裕のある勝ち方ではなく、少ない好機をじっくり得点に結び付けていくという、明日に繋がる試合ができた。

◆《決勝戦 山梨学院高VS駿台甲府高 5/7 山日YBS球場》

  1 2 3 4 5 6 7 8 9 合計
駿台甲府高 0 1 0 0 1 0 0 0 1 3
山梨学院高 0 0 1 1 0 1 0 2 X 5

【山梨学院バッテリー】垣越建伸→坂本遥飛→勝又功徳→栗尾勇摩→吉松塁→吉福渉矢→
吉松塁 ー (捕)五十嵐寛人→山本瑞基
〔投手〕垣越:投球回数3、投球数37、安打4、四球0、三振2、失点1
  坂本:投球回数1、投球数18、安打1、四球1、三振1、失点0
勝又:投球回数1、投球数26、安打3、四球0、三振2、失点1
  栗尾:投球回数2・2/3、投球数39、安打1、四球0 三振1、失点0
  吉松:投球回数1・1/3、投球数37、安打0、四球3、三振2、失点1
  吉福:投球回数0/3、投球数2、安打1 
〔打撃〕安打10(二塁打:五十嵐寛人2) 〔失策〕0
〔交代〕垣越(投)→坂本(投)→(H)森塚雄也(3年)→勝又(投)→(一)栗尾(投)→佐藤颯(一)
    栗尾(投)→吉松(投) 佐藤(一)→(H)山本瑞基→栗尾(一) 五十嵐(捕)→山本(捕) 吉松(投)→吉福(投)→吉松(投) 丹沢(右)→大島

試合後、吉田洸二監督は「今日の試合は、打線が繋がらなくて良かった。昨日のような大量安打・大量得点では学ぶものがないですから。勝たなくてならないということがあるので、苦しんで勝った内容が良かったです」と語った。さらに「大会前から言っているように、この大会は教育目的ですから東海、甲府工にたくさん打って勝ったからといって、それが夏に繋がるかというと、我々の成長には大して役立ちません。生まれるのは慢心だけ」と気を引き締めていた。次の関東大会には、「関東は1勝でも多くできるようにしたいです」と意気込んだ。同点に追いつくスクイズ犠打を決めた栗尾勇摩選手は「なかなか自分たちの試合にはならなかったですけど、中盤気合を入れ直して終盤に点を入れられたことが勝運でした」と語る。さらに同点に追いついたスクイズバントについては、「あのプレーはずっと練習していたので練習の結果が出て良かったです」と振り返った。投球については、「ずっと自分自身で悪いほうに遠回りしていたので、冬から何も考えずにシンプルに思い切って行こうと指導者と話して、気持ち的にもそんなに抑え込もうという気持ちもなく、思い切り投げることができたので良かったです」と話した。投手の吉松塁主将は「昨日東海大甲府戦でコールド勝ちしたことで、ゆるみがでたかなと思います」と苦しんで勝利した戦いを振り返った。2度目の登板になる自身の投球は、「最後は3人で締めたかったのが本音です。制球が悪く、力が入りすぎで自分のフォームで投げられなかったことが反省点です」と悔やんだ。関東大会では、「今日をきっかけに自分たちのことを見直して、関東に臨めればと思います」と5月20日から茨城県で始まる関東大会に向けて静かな闘志を燃やす。

文(K.F) カメラ(平川大雪) 2017.5.7