●2017山梨県高校総体3日目 閉幕
~山梨学院高女子総合優勝、3連覇10度目~
~テニス女子個人シングルス、坂詰優勝~
県内最大高校スポーツの祭典「69回山梨県高等学校総合体育春季大会」が5月10日より12日までの3日間の大会を終え、閉幕した。参加校男子38校、女子40校、33競技で熱い戦いが繰り広げられた。5月の澄んだ晴れやかなスポーツシーズン真っ只中、高校生アスリートたちはライバルや己との戦いに挑んだ。3日目最終日は、山梨学院高女子ソフトボール部が帝京第三高校との決勝戦で延長戦となる好ゲームに1-2のスコアで惜敗し、2年ぶりの優勝は逃すも、昨年同様準優勝となった。ホッケーは、白根高校とホームアンドウェーでの戦いに2戦2勝で優勝、10連覇となった。テニス個人戦では、坂詰姫野選手(1年)が個人女子シングルスで優勝。2位の猪俣莉々花(3年)とともにインターハイ出場を決めた。全ての競技が終了した後、山梨中銀スタジアムで閉会式が行われ、総合成績が発表された。男子は日本航空高校が3年連続の総合優勝。山梨学院は6位に入賞したものの、昨年の3位から順位を落とした。女子は3年連続10度目の総合優勝に輝き、2日前に返還した優勝旗を再び持ち帰った。来年は男子の飛躍を期待し、アベック総合優勝を目指す。
《女子ソフトボール》
決勝は、釜無川スポーツ公園で帝京第三高校と対戦した。後攻の山梨学院の先発、長瀬富(3年)は、1回表立ち上がりに緊張からか先頭打者と2番打者に連続四球を与えるも後続を抑えた。2回には、安定する前に2本の安打を打たれ、1点を先制される。追う山梨学院は走者を出すものの、あと一本が遠く点に結びつかない。終盤6回裏一死後、敵失と四球で走者を出すと、二死後、内藤莉胡主将(3年)が右前適時打で1点を返し同点に追いつく。突き放したい場面で次の打者も投手強襲安打で満塁になるも後が続かず1点のみで7回の攻防に入った。7回表、帝京の攻撃は、4回から代わり好投を続けていた眞篠理音(1年)が先頭打者に死球を与えると、すかさず犠打で走者を進め、続く打者が中前打を放ち二塁走者が本塁を突いた。中堅手の見事な送球で間一髪得点を阻止、ピンチを切り抜けた。しかし7回裏、山梨学院は3者凡退。8回からは、無死二塁から攻撃を始める延長タイブレーク方式で始まった。山梨学院、眞篠投手は簡単に二死を取るが3人目に中前適時打を浴び、ついに1点を追加され均衡を破られた。追う山梨学院はその裏、二死三塁に次の打者が打ち取られ1-2で敗退。2年ぶりの優勝を逃がし準優勝に終わった。内藤莉胡主将は「何回もチャンスがありながらものにできなかった。あと一歩足りない感じです。夏はベストな試合をできるような試合をしたいです」と話した。
《テニス個人戦》
昨日の個人ダブルス戦に続き最終日、個人戦シングルスの準決勝、決勝が行われた。女子シングルスの準決勝に残った選手4人のうち、3人が山梨学院勢で占め、インターハイ出場2枠を懸けて熱い火花を散らした。準決勝2試合の内、山梨学院の猪俣莉々花(3年)と坂詰姫野(1年)の同門対決は、坂詰が先輩を下し、決勝に進出。狐塚理子(2年)は中央高校の選手と対戦し敗退。決勝戦に進出した坂詰は、中央高校選手相手に主導権を握り優位にゲームを進めて8-3で勝利。まずはインターハイの切符を手に入れた。試合後、坂詰姫野選手は「初めての大会だったので結構緊張していたんですが、決勝は落ち着いてプレーできました。いつも言われるのは、相手と戦うのではなく、自分のプレーをしっかりするということなので、集中してそれができたことが良かったです」と話した。残りの1枚は、準決勝に破れた猪俣と狐塚が対決し、猪俣が勝つと、中央高校の選手と対戦しその勝者のもとへ。狐塚が勝つと、1枠は狐塚に直接対決で勝っている中央高校の選手のもとにいくことになる。猪俣にとっては負けられない同門対決。試合は、猪俣が先行するも、狐塚もじりじり追い上げ緊迫した試合展開になった。ついに6-6のタイブレークになると最後に意地を見せたのが先輩の猪俣。執念で2ポイントを奪い8-6で勝利し、中央高校選手との1枠を懸けた対戦に持ち込んだ。試合は、猪俣がサービスエースや激しいラリーに打ち勝つなど気迫を身体いっぱいにみなぎらせ8-2と圧倒。苦しみながらインターハイ出場を決めた。
《ホッケー男子》
ホームアンドウェーで戦うホッケーは10日に白根高校に4-1で先勝。12日に行われた2戦目は10-0で勝利し優勝した。
《閉会式》
すべての競技が終了した午後3時から閉会式が山梨中銀スタジアムで行われた。優勝校の日本航空高校と山梨学院高校吹奏楽部が演奏する中、役員・選手団が入場。前村強競技委員から上位6位までの学校名と得点が発表された。男子優勝校は日本航空高校。山梨学院高校は昨年の3位から6位に後退した。女子は、山梨学院高校が3年連続9度目の総合優勝に輝いた。表彰式では、女子総合優勝の表彰を生徒会の望月梨生生徒会長と坂本七海さんが優勝旗と賞状を受け取り、男子は小島大知さんが6位の賞状を受け取った。参加校男子38校、女子40校33競技で熱い戦いを繰り広げてきた今大会。閉会の挨拶で山梨県高等学校体育連盟・武井多加志会長は「両校には普段の精進で勝ち取った栄冠に深く敬意を表します。学校全体がチームとして戦ったまさに総合力の勝利であり、全校で優勝の喜びを噛み締めてください。この大会の後、6月に開かれる関東大会、そしてインターハイ予選が続きますが、山梨の高校生の底力を見せてください」と祝福と激励の言葉を述べた。晴れわたる空と新緑に包まれた5月の3日間に繰り広げられた熱戦は、次の高校生アスリートたちのさらに上を目指す次のステップに向っていく。
◆《最終男女総合成績結果》
男子 | 学校名 | 得点 | 女子 | 学校名 | 得点 |
優勝 | 日本航空高校 | 47点 | 優勝 | 山梨学院高校 | 31点 |
準優勝 | 甲府工業高校 | 41点 | 準優勝 | 甲府商業高校 | 25点 |
3位 | 日川高校 | 26点 | 3位 | 日本航空高校 | 19点 |
4位 | 駿台甲府高校 | 23点 | 4位 | 韮崎高校 | 19点 |
5位 | 北杜高校 | 20点 | 5位 | 甲斐清和高校 | 17点 |
6位 | 山梨学院高校 | 18点 | 6位 | 巨摩高校 | 17点 |
※得点が同点の場合は、優勝種目が多い高校が上位になる。
文(K.F) カメラ(平川大雪 藤原勇 藤原稔) 2017.5.12