山梨学院パブリシティセンター

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●平成29年度山梨学院小「スポーツフェスティバル」
~子どもたちが作り上げる独自のプロジェクト~
~今年のテーマ「VIVA」の準備が佳境~

山梨学院小学校の教育カリキュラム「スポーツプロジェクト」の最終日5月27日に行われる「スポーツフェスティバル」に向けて準備が進められている。2週間の期間をかけて行うスポーツプロジェクトは、子どもたちと教師が企画した1つのテーマを事前に学習し、“走る”“蹴る”“跳ぶ”“投げる”の運動要素を取り入れ、オリジナルな運動競技が繰り広げられる。山梨学院小では、さまざまなプロジェクトを実施している。秋に行われる「オクトーバープロジェクト」、冬の「アカデミックプロジェクト」とともに三大プロジェクトと呼ばれる「スポーツプロジェクト」。通常の授業とは別に時間を設け、学年の壁を取り払い一つのテーマを協同で追求していく山梨学院小独自の課題探究型学習。「スポーツプロジェクト」は毎年テーマを変え、「大航海時代」、「古代文明」、「太陽系」、「宝石」、「地球」、「Discovery 発見」、昨年の「戦国SENGOKU」など子どもたちの興味・関心に基づき決められてきた。今年のテーマは「VIVA~喜びと共に~」が採用された。昨夏の南米大陸初のリオデジャネイロ五輪の興奮から2020年の東京五輪に向けて、各大陸を探求することがテーマ。今後は同様な方法でそれぞれの特長を学び、それにスポーツの要素を組み込み東京へ聖火を繋ぐスポーツプロジェクトの第1弾として決められた。今年は、南米大陸の自然特質を「ボルカン(火山)」オレンジチームと「グラシアール(氷河)」青緑チームの2チームに分かれ、南米の雄大な自然や多様な動植物や様々な世界遺産や自然遺産をイメージした競技で競い合う。取材した23日はプロジェクトの中盤。学内のいたるところで事前学習、壁画の製作、表現運動などの活動が行われており、会場となる古屋記念堂では学年別種目の練習にも真剣に取り組み本番に備えていた。

山梨学院小学校の「スポーツプロジェクト」は山梨学院幼稚園とともに国際バカロレアPYP候補校に認定されていることを受けて、国際バカロレア(IB)の理念に基づく新たな教育カリキュラムを取り入れ、実践する場として取り組んでいる。IBの学習者像には「探求する人」「知識のある人」「考える人」「コミュニケーションができる人」「挑戦する人」「思いやりのある人」など10項目が設定されているが、山梨学院小の今回の「スポーツプロジェクト」にはその要素がふんだんに含まれている。

■今年のプロジェクトテーマは「VIVA~喜びと共に~」

今年度のテーマは「VIVA~喜びと共に~」。テーマに選んだ南米大陸は、様々な歴史や自然、音楽などの文化、人種などが複合的に入り混じっている地域。さまざまな角度から子どもたちが学べるというところからテーマが決まった。子どもたちが自らデザインしたロゴをあしらったTシャツ、ポスターや各チーム旗はすべて南米の要素を盛り込み製作中だ。当日、古屋記念堂の内部を彩る大きな壁画はスポーツをする人をかたどった迫力の作品。また、競技ルールや練習方法も全て子どもたちが先生のアドバイスを加えながら作り上げる。15日から始まった「スポーツプロジェクト」。取材に訪れた23日は中盤を迎え、学校内のいたるところで知的探求、美術活動、ナレーションの練習、会場となる古屋記念堂では、実際の種目を担当学年別に練習を繰り返していた。プログラムを見ると「恐竜たちが眠る砂漠!イスチグアラスト」「七大陸最高峰、アコンカグアへの登頂」「VIVAコーヒー豆の収穫だ」「地球の大陸移動の回転軸、ロマイマ山」「アステカ文明、危機一髪」「聖火をつなげリオから東京へ」など19種目が設けられ、どれをとってもどんな内容か興味を駆り立てる、本番が楽しみなプログラムになっている。

スポーツプロジェクト担当リーダーの志村美穂教諭と吉田瑞希教諭(左から)は「特に山梨学院小の良さが出るのが『スポーツフェスティバル』でして、競技に一つひとつ意味があり、先生たちの専科性がすごく活きています。もちろん体育は競技を中心にやったり、勉強するところは社会の先生が力を発揮してくれたり、美術活動は美術の専門の先生がいますし、先生方が運動会に向けてただ運動だけを一生懸命にやる形ではなくて、いろんな角度から専門的にアプローチしているので相乗効果で全体の中でいろいろな学びを子どもたちも吸収できます。そこは自信を持って言えることです」とプロジェクトの意義を語った。さらに「今回意識したのは、上級生が教えていくという部分もあるのですが、本人たちが1年生から積み重ねてきた経験で、この競技のルールでは下級生はできる、できないなどという相手に対する思いやる心を持って取り組んでいる姿をものすごく感じました」と話すなど、IBの理念でもある教育カリキュラムが自然に実践されていることを話した。1・2年生に南米について教える学習推進や当日の進行役を務める小松澤傑児童会長(6年)は「僕たちの先輩が受け継いできたこの『スポーツプロジェクト』を演出や競技の質、皆の団結力などで遥かに超えたいと思います」と意気込む。「初めの表現運動や準備運動を見ても分かるように、南米は多様性が溢れているところなので、多様性をいかにスポーツフェスティバルの短い時間の中で詰め込めるかを意識しました。自分たちが競技して楽しむのはもちろんですが、観てくれる方が一緒に楽しんでもらえるようなものを創り上げたいです」と抱負を語った。

テーマの知的探求から始まり、自らが競技のルールを考え、練習に取り組んだ2週間。IBの理念の10項目(学習像)を意識した取り組みを学校側はプロジェクトと融合。子どもたちは与えられる学習から、興味・関心を取り込みながら自らが探求する学習へと自然に移行する山梨学院小学校が培ってきたプロジェクト教育システムは、さらに進化する。子どもたちが作り上げる「スポーツフェスティバル」。どんな世界を見せてくれるのだろう。

文(K.F) カメラ(藤原 稔 K.F) 2017.5.24