●山梨学院高と都留文科大が連携協定締結式
~国際バカロレア教育に関する連携~
~内容の充実、生徒・学生の資質向上を図る~
山梨学院高校と都留文科大学は、5月25日、山梨学院クリスタルタワー7階広報スタジオにおいて「国際バカロレア教育に関する連携協定」締結調印式が行われた。協定は、山梨学院高校及び都留文科大学が互いに連携し、交流を深めることにより、国際バカロレア教育内容の充実と生徒及び学生の資質の向上を図るための事業に取り組むもの。締結式には、山梨学院高校側から山内紀幸校長、吉田正副校長、アンジェラ・ラスマセンIB DPコーディネーター、池尻文IB CASコーディネーター、都留文科大学側からは福田誠治学長、櫻場江利子国際教育学科支援研究員が出席し、山内校長、福田学長が協定書に調印、交換した。連携事業内容は、都留文大による公開授業等の実施。山梨学院生が開催する公開授業への都留文大生の見学などが予定されており、今後両者で協議の上、決められる。
山梨学院高は2016年3月高校生を対象にしたDP(ディプロマ資格プログラム:16~19歳)の申請書をIB機構に提出、同年9月に県内初となるIBDP『候補校』となり、2017年1月に正式に認定された。DPは日本の高校2,3年の2年間を対象にしたカリキュラムで大学進学準備を前提にしている。日本の大学ではIB入試の導入が始まっており、IB資格取得により入学が可能になることや、国際的に認められる世界共通の大学入試資格(IB資格)を得られることで注目されている。山梨学院高が認定されたのは、日本語DP(ディプロマ資格プログラム:16~19歳)というもの。DPの試験・授業は原則として、英語・フランス語又はスペイン語で行うとしているが2013年、IBと文科省が協力して日本語での授業を可能にした。IB教育に取り組む理由として、そのひとつが山梨学院高の教育理念とも合致する世界標準の探求型教育プログラムの下でのグローバルな人材育成。また、2020年にはセンター試験が廃止され、新テストへの移行が検討される大学入試改革への迅速な対応を挙げている。
一方、都留文科大学は、60年にわたる教員養成の伝統を持ち、これからの世界に通用する教育者の養成を目指すための国際バカロレアIBユニバーシティとして2016年11月に認定され、2017年4月に「国際教育学科」を新設。国際バカロレア教育に対応したカリキュラムを開設した。日本文化を基に国際バカロレア教育ができる教員の養成や日本の良さを活かしつつ世界的企業で活躍するクリエイティブ・リーダーの養成などを目的にする。文部科学省では2018年までに高校生を対象としたDP(ディプロマ資格プログラム)認定校を200校以上に増す計画。それに対応してDPを教えられる教員の必要性が喫緊の課題となり、「国際教育学科」は、世界で認められる国際バカロレア教育を4年間しっかり学べる学科として注目されている。
締結式では初めに、これまで協定締結に至った経緯や概要を山内紀幸校長が説明。「都留文科大学はこの4月に国際バカロレア教育の教員養成のパイオニア的存在として『国際教育学科』を開設。山梨学院高校も4月から国際バカロレア教育IBDPとしてスタートした。互いにパイオニアとして頑張ろうとエール交換は設置認可前から行われ、2016年8月に都留文科大から山梨学院高対して協力協定の締結を打診され本日に至った」と述べた。続いて山内紀幸山梨学院高校校長、福田誠治都留文科大学学長が協定書に調印、交換した。
代表者挨拶では、初めに福田誠治学長は「私どもの大学は教員を養成すること伝統していますから世界に通用する教員養成を目標に立てました。これからは教育のあり方も変えなければなりませんし、学ぶほうも主体的な学びに変わっていかねばなりません。生徒を教える教員も変わらなければなりません。教師を育てる大学も変わらねばなりません。待っていては始まりませんので、全国のIBスクールと協定を結びながら教育実習をさせてもらいながら授業作りも大学の教員とともに小中高の先生方とも協力してやっていきたいと考えて、山梨ですので真っ先に山梨学院と協定を結ぼうということになりました」と述べ、山内紀幸校長は「山梨学院高校としても大きな流れは、2020年度のセンター試験の廃止に伴う入試改革というものが大きな動機づけとなりました。IBが持っている教育システムを借りて、学校自体も探求型の学校に変わっていこうという一つの契機としてIBDPというものを導入した次第です。私たち教員自体が絶えず自己研鑽を重ねるということがIBで一番求められていますので、ワークショップや研修の機会を提供していただいたり、IBの教師になるために頑張っている学生のみなさんに現場の感覚を磨いていただくための教育の場を提供したり、いろいろな選択肢から互いに高めていこうとする、まさにIBの精神に基づいて両校が発展して行きたいと考えています」と挨拶した。続いて、質疑応答、フリー取材が行われた。
■《連携・協定内容》
◎都留文大による公開講座等の実施。
◎ 山梨学院高校が開催する公開授業等への都留文大生の見学等
◎ その他連携事業の目的を達成するために必要と認められる事業
《実施時期》
◎連携事業は、平成29年度から実施する。
文(K.F) カメラ(藤原 稔) 2017.5.25
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