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●全日本選抜レスリング選手権大会 2日目・最終日
~2日目、OB鴨居正和が65kg級フリーで2連覇~
~最終日、70kg級藤波勇飛、圧倒的強さで初優勝~

平成29年度「明治杯全日本選抜レスリング選手権大会」の最終日の試合が6月18日に東京・代々木競技場第2体育館で行われた。前日28日の大会2日目は男子6種目行われ、山梨学院大からは、現役2人、OB1人が出場した。74㎏級フリースタイルの木下貴輪(4年)は、決勝進出を期待されながら2回戦敗退。ベスト16に終わった。130㎏級グレコローマンの貝塚賢史(4年)は1回戦敗退、涙を飲んだ。65㎏級フリーのOB鴨居正和(自衛隊体育学校)は、決勝まで順調に進み、決勝戦では、2-2の同点で試合は終了したが、ビッグポイントの規定により勝利し優勝した。昨年に続く世界選手権の代表枠を勝ち取った。3日目最終日は65㎏級フリースタイルに松宮大樹(4年)と期待の新人榊大夢(1年)、70㎏級フリースタイル藤波勇飛(3年)、59㎏級グレコローマンに二人の山梨県出身者、高橋三四郎(2年)、丸山智也(3年)の5人が出場した。この日も山梨学院の同門対決があった。61㎏級フリーの松宮大樹(4年)と榊大夢(1年)が大会開始直後に行われた。試合はテクニカルフォール(TF)で榊の勝利。59㎏級グレコローマンでは、丸山智也、高橋三四郎ともに1回戦に勝利したものの、2回戦で敗れた。70㎏級フリーの藤波勇飛は2回戦から登場。初戦、準決勝と圧倒的な強さで勝利して決勝に進出。決勝では昨年のこの大会の優勝者多胡島伸佳(KATSURA)と対戦。藤波と多胡島の手に汗握る熱戦にも藤波が攻守のバランスに優れ10-2と圧勝し、初優勝を飾った。この後、世界選手権のプレーオフが行われ、藤波は難なく勝ち切り代表権を獲得した。

◆《6月17日 大会2日目》

大会2日目の17日、山梨学院勢からは130kg級グレコローマンに出場した貝塚賢史(4年 茨城・霞ヶ浦高)の1回戦は、高校の後輩との対戦。第1P(ピリオド)互いに胸を合わせチャンスを窺うが貝塚は消極的との注意を受け、1ポイントを失う。第2Pに入ると相手の力に押し負け体勢を崩されポイントを奪われた。その後貝塚は挽回できず、1-3で敗れ1回戦敗退となった。貝塚賢史選手は「練習がうまくいかなかった分、短期間で追い込めたのですが、やはり調整不足でした。高校の後輩でやりづらかったですけど負けたことがなかったので悔しいです」と声を絞り出した。全日本大学選手権優勝の74㎏級フリーの木下貴輪(4年 鹿児島・鹿屋中央高)は、1回戦を素早い足への攻撃からバックを取ってポイントを奪い第1P2分35秒、フォール勝ち。2回戦には全日本選手権2位の山﨑弥十郎(早稲田大)と初対戦。第1P、木下は得意の足への攻撃を仕掛けるが、なかなか飛び込めずに注意を受け、1ポイントを失い第2Pに入る。互いにポイントを奪おうと激しい応酬を繰り広げるも最初に点を奪われ0-3と劣勢に立った。中盤ようやく木下らしい足からの攻撃から2ポイントを返すも、そのまま2-3で敗れ、準決勝に進めなかった。木下貴輪選手は「相手は力が強いので、1回引っ掛けられたら守るのは難しいと思い、1回のポイントで勝敗が決まってしまう展開だったので引っ掛けさせないことが課題だったですが、今回技術とか体力などではなく勝負強さが必要なんだなと感じました」と試合を振り返り反省した。65㎏級フリーOBの鴨居正和(自衛隊体育学校)は2回戦、準決勝と勝ち進み、決勝では2-2と苦しみながらもビックポイントを取ったため勝利し、昨年に続き優勝。世界選手権の切符を手にした。鴨居正和選手は「調子が悪く、大会前は大会に出るのが怖いと思っていました。それでも世界選手権の代表権が懸かっていたので、最後まで競い合うことができ出場枠が取れて良かった」とほっとした表情で語った。

◆《6月18日 大会3日目最終日》

3日目最終日、大会開始直後に行われた61㎏級フリーは、松宮大樹(4年 茨城・霞ヶ浦高)と榊大夢(1年 鹿児島・鹿屋中央高)の今大会3度目となる同門対決となった。試合は、榊が先輩から主導権を握り、第2Pでテクニカルフォール(TF)で下し、2回戦に進んだが、昨年のこの大会57㎏級フリーで優勝している中村倫也(博報堂DYスポーツ)に実力負け。ベスト8となった。榊大夢選手は「初戦は一緒に練習しているので競った勝負になると思っていたんですが、自分のレスリングができ勝てて良かったですが、中村選手にはもう少し頑張りたかったんですけど、引いている足を狙ってタックルを仕掛けてきたのにびっくりして反応できませんでした。格上の選手と試合できる機会がなかなかなかったので、6分間戦えると良かったですが、何もできなく、何も経験できなかった」と話した。59㎏級グレコローマンに出場した丸山智也(3年 山梨・韮崎工高)は1回戦、相手をコントロールし僅か48秒でTF勝ち。2回戦はリオ五輪銀メダリストの太田忍(ALSOK)と対戦した。第1P、序盤激しい攻防を繰り広げ中盤、丸山が後方へ投げ倒す4ポイントの大技でリードするも、直後負傷し、鼻血を出し試合が中断。この中断が試合の流れを変えたのか、太田が反撃を開始。連続技を喫しTFで負けた。一方、高橋三四郎(2年 山梨・農林高)は、1回戦をビックポイントで辛うじて勝利。2回戦は、2階級にわたり学生二冠に輝いた河名真寿斗(クリナップ)に第1Pは、1-4と我慢の試合で最小限に凌いだが、第2Pには、上体をコントロールされ力の差を見せられTF負けした。高橋三四郎選手は「めっちゃ強かったです。第1試合も強い相手だったですけど、勝負強さは少しは付いたかなと思います。全体的に技術も力も全部劣っていたので、もっと練習しなければ駄目です」と反省した。丸山と高橋はベスト8。

70㎏級フリーの藤波勇飛(3年 三重・いなべ総合学園高)は、2回戦から登場。初戦、開始早々から素早くタックルを仕掛け、攻撃の手を緩めず着実にポイントを挙げ、第1Pを8-0で折り返すと。第2P序盤にTFを決め準決勝に進出した。準決勝は、昨年の天皇杯優勝、5月のアジア選手権3位の中村百次郎(日体大助手)を相手に圧倒的な強さを見せ、僅か1分15秒でTF勝ち。決勝戦に進んだ藤波の対戦相手は、早稲田大を卒業して社会人になった多胡島伸佳。昨年のこの大会でも優勝している強豪。試合は藤波が最初に仕掛け2ポイントを先制。1分過ぎには相手の攻撃にカウンターでポイントを重ねる。二人は攻守のバランスが優れ、手に汗握る熱戦を展開。それでも藤波の動きが勝り、1点もポイントを与えることなく第2P中盤にTF勝ちを収め初優勝に輝いた。世界選手権の代表争いは昨年の天皇杯の覇者、中村百次朗とプレーオフで再び対戦。この試合も藤波の強さが光る展開で、一方的勝利で代表権を獲得。シニアでの世界選手権日本代表は初めてとなる。試合後のメディア取材で藤波勇飛選手は「これまで全日本に出れてなくて、今まで応援してくれた方々に今回優勝で恩返しができたかなと思います」とまずは感謝の言葉を述べた。決勝戦については、「1回戦目と準決勝戦で良い試合ができていたので、優勝できるという自信がありました。プレーオフでは少し守ってしまったところがあったので、これでは世界では勝てないと思うので、勝てる状況でもしっかり攻めることを考えてやっていきたい」と抱負を語った。

試合後、小幡邦彦コーチは「藤波は初めから優勝を狙っていましたが、決勝で不用意な2ポイントを取られたがそれ以外は完璧でした。その他の選手も今まで勝てなかった相手とか、格上の選手からポイントを取れているので、大きな大会で成績を残せるようになったことで自信を付けてもらい今後の試合に繋げてもらえれば」と今大会を振り返った。今大会は、山梨学院勢は、藤波勇飛とOBの鴨居正和、高橋侑希の3選手が8月、フランス・パリで行われる世界選手権に日本代表として派遣される。最後に小幡コーチは「ほぼ想定内の人数」と話した。

文(K.F) カメラ(平川大雪) 2017.6.18