山梨学院パブリシティセンター

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●山学大留学生が県と県内生活に関する意見交換
~県内に学ぶ留学生の率直な意見を県政に反映~
~人口減少対策や国際化、魅力度向上の一助に~

山梨県と山梨学院大は6月14日、山梨学院広報スタジオで副知事をはじめ、県の関係部署と山学大の留学生との意見交換会を実施した。山梨県では、人口減少対策として様々な施策に取り組み、今年度は将来の山梨を担う若年層を重点ターゲッドとした施策を推進している。一方で海外からの留学生の定住に向けた施策を検討することで県の国際化、魅力度向上にも有効であることから、今回の留学生との意見交換会が企画された。当日は山学大の留学生11名と山梨に移住し山学大で教鞭と執っているウィリアム・リード教授が出席し、学生生活の楽しみや山梨県の魅力、県内での生活における問題点、県内への就職や定住への課題等について率直な意見が出された。留学生と県との意見交換会は山学大が初めてで、県では今後他大学でも実施し、留学生の幅広い意見を施策の検討の一助にしたいとしている。
 
山梨県では、「ダイナミック山梨総合計画」を平成27年度に策定し、人口減少対策や地域産業・観光産業の活性化、子育て環境・移住(定住)環境の整備などに取り組んでいる。人口減少対策としては、今年度は将来の山梨を担う若年層を重点ターゲットとした施策を進めており、国内のみならず海外からの留学生らの移住(定住)に向けた検討が行われている。一方、海外への魅力度発信や外国人観光客の受入態勢整備についても行われており、留学生からの率直な意見を聞くことで県政にも反映できると考え、県と留学生との意見交換会が企画・実施された。意見交換会には県からは柵木環副知事をはじめ、県民生活部次長、地域創生・人口対策課長、私学・科学振興課長、労政雇用課総括課長補佐、国際観光交流課総括課長補佐らが出席。山梨学院大からは、山梨に移住し山学大で教鞭を執っているウィリアム・リード教授と山学大に留学する学生(11人/10か国)が出席(オブザーバーとして県外から入学した学生2人も参加)。意見交換会では「学生生活の楽しみや山梨県の魅力について」「山梨県内での生活において不便なことや問題点について」「山梨県での就職や定住の意向や課題について」の3つのテーマを柱に自由に意見が交わされた。
 
以下、テーマごとに留学生らから出された意見(抜粋・集約)
■学生生活の楽しみや山梨県の魅力について
・色々な国の学生が集まっているので世界の文化や生活、考え方が参考になり、さらに、他国の言葉を勉強することができる。
・先生による一方的な受け身の授業ではなく、プレゼンや発表の機会も多く、自分の考えをしっかり持つことができる。
・富士山をはじめ、自然が豊かである一方、東京までの電車やバスの交通網もあり、2時間ほどで都心に出られるので気軽に旅行に行ける。
・野菜やフルーツ、肉、魚などが新鮮で、日本にいながら自国の懐かしさを味わうことができる。
・空気と水がおいしい。また、自然が豊富にあるため、ホタルを見たり、綺麗な星空を眺めることができる。
 
■山梨県内での生活において不便なことや問題点について
・市内や県内に出掛ける際に、留学生は車を持っておらず、自転車がほとんどのため、行動範囲が限られる。電車やバスなどの公共交通機関網をもう少し整備して欲しい。
・信玄公祭りだけでなく、世界に誇れる日本の伝統文化・行事が沢山あると思うので、もっと海外に向けて情報発信をするべき。
・英語の観光パンフレットはあるが、概略しか載っておらず、実際に行ってみたい場合の具体的な行程等の記載が少ない。
・外国に比べて日本は治安が良いが、山梨は自然が豊かな反面、街灯が少なく、暗い路地が多いため、女性が怖いと感じる所が多々ある。
・家賃等は比較的安価だが、生鮮品や小売品等の物価自体は変わらない。アルバイトの最低賃金は東京などと比較して安いため、留学生の購買行動が抑制されるので、時給のアップや留学生向けのアルバイト紹介機関(受け入れ先)があれば、とても嬉しい。
 
■山梨県内での就職や定住の意向や課題について
・日本の企業で働くことのイメージがつかめないので、留学生向けのインターシップや就業体験の機会を設けてほしい。
・都市部と変わらない環境(高速インターネット網の整備や公共交通の発達など)があれば、外国人の定住も進むと思う。
・東京と同じ賃金、同じ待遇であれば、自然環境が豊かな山梨に住みたい人は多いと思うので、外国人が安心して働ける環境があれば移住者は増えると思う。
・まだ日本語に不慣れな面もあるため、働きながら日本語を学べる環境や日本語習得に対する企業自体の理解があれば、就業を希望する人は増えると思う。
 
■その他
・他大学の留学生が交流できるイベントの実施。
・留学生ならではの視点のビジネスチャンスもあると思うので、県内の留学生を対象としたビジネスプランコンテストの実施。
・山梨の観光や文化情報などの魅力をPRするためのSNSの共通プラットフォームの構築。
 
留学生から上記のような率直な意見が出され、柵木副知事をはじめ、各課の担当者らは、熱心にメモを取り、留学生の話に耳を傾けた。一方、県からは留学生から出された意見の中で、既に実施している施策や関連する施策、担当機関の紹介が行われ、特に子育て支援に関する施策では、リード教授をはじめ、留学生から感嘆の声があがった。県では、今後他大学での実施も検討し、この日出された意見とともに留学生の幅広い意見を今後の施策の検討の一助にしたいとしている。
文・カメラ(Y.Y)2017.6.20