山梨学院パブリシティセンター

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●平成29年度全日本学生柔道優勝大会
~山学大女子が4連覇の快挙。通算8度目の優勝~
~出口クリスタ、4戦連続の1本勝ちで優勝に貢献~
※《末尾に25日の男子結果を追記》

平成29年度全日本学生柔道優勝大会(男子66回、女子26回)が6月24日、東京・日本武道館で開幕し、25日までの2日間行われる。1日目は女子の1回戦から決勝戦までと男子の1回戦の試合と、2日目は男子2回戦から決勝戦までが行われる。女子は5人制と3人制の2部制。全国地域から32大学が参加した5人制に山梨学院が連続16回目の大会に臨んだ。昨年史上初の3連覇を達成した山梨学院大(関東)は1戦・2戦・3戦目と順当に勝ち進み準決勝は、同ブロックの第1難関と予想された帝京大学を破った龍谷大学(関西)と対戦。先鋒・月野珠里(4年)が技ありで勝利すると次鋒・出口クリスタ(4年)が一本勝ちで先制する理想的な展開に、中堅の佐藤史織(3年)が繋ぎ勝利を決めた。結果は4勝1敗で決勝に進んだ。決勝の対戦相手は、関東大会でも決勝戦で戦い勝利した筑波大学。試合は、先鋒の出口が(4年)が1本勝ちで流れを作ると、次鋒の月野、中堅・佐藤、副将・新添(3年)が価値ある引き分けで1勝を守り大将に繋いだ。大将の泉真生(3年)は体重差約35kgの相手選手と対戦した。ハンデをものともせず、勝負を決して諦めない不屈の気持ちで戦い抜き引き分けに持ち込み、優勝を呼び込んだ。この結果、山梨学院は史上初の4連覇の偉業を達成。8度目の優勝を飾った。試合後、表彰式で出口クリスタが最優秀選手賞を受賞した。男子は1回戦が行われ、山梨学院は3勝2敗2分で勝利し、2回戦からの2日目に進んだ。

試合方法は、女子は5人制と3人制の2部制で行われ、山梨学院は5人制で出場した。5人の点取り式によるトーナメント戦で、各試合の配列は、先鋒・次鋒は57㎏以下、中堅・副将は70㎏以下、大将は無差別と決められている。女子5人制の部は出場32校がAグループ(16校)、Bグループ(16校)に分かれ各グループ1位によって優勝が争われた。

Aグループの山梨学院大の1戦目は徳山大(中国四国)と対戦、2勝3分けで勝利。2戦目は中京大(東海)に3勝1敗1分けで勝利。3戦目準々決勝は4度の優勝と7回の準優勝を誇る伝統校の東海大(東京)。苦戦も予想されたが、勝利の3勝は全て一本勝ちと難なく3勝2分けで準決勝に駒を進めた。準決勝の相手は、対戦を予想していた強豪校帝京大(東京)を破った龍谷大(関西)となった。龍谷大は一昨年この大会3位の伸び盛りの相手。先鋒・次鋒でリードし、試合を有利に進めたい山梨学院は、先鋒の月野珠里(4年 愛知・大成高)が大外刈りの技ありで幸先の良いスタートを切ると、次鋒・出口クリスタ(4年 長野・松商学園)がタイミングの良い小外掛けで一本勝ち。続く中堅の佐藤史織(3年 愛媛・新田高)も大内刈りの勝利。副将・新添左季(3年 奈良・天理高)は決まったかに見えた得意の足技を返され、不覚にも技ありを取られ敗退。大将・泉真生(3年 千葉・木更津総合高)は上四方固めで一本勝ち。4勝1敗1分けで勝利し、4年連続決勝へ進出した。

■4戦目準決勝 《山梨学院大VS龍谷大 4勝1敗》6/24 日本武道館

  先鋒 次鋒 中堅 副将 大将
山梨学院大 月野 出口 佐藤 新添
 
技あり

一本勝ち

技あり

技あり

一本勝ち
龍谷大 黒木 出村 冨田 米澤 小林

準決勝後に、山部伸敏女子監督は会場の一角に選手を集め、「流れはいい。自分たちで決めた目標を達成しよう」と選手を鼓舞した。

午後5時10分。恒例の大太鼓が「どーん」と大音響を立てて鳴り響くと、日本武道館の決勝の舞台がひときわ明るくなり、観客の眼を中央の畳に集めた。山梨学院の決勝戦の対戦相手は優勝候補の一角、環太平洋大(中国四国)を破った筑波大(関東)。この大会に過去2度優勝を果たし、5月の関東大会で山梨学院と優勝を争った相手。決勝戦に向けて、「上位は力が拮抗しているので先鋒、次鋒で2勝するか1勝0敗が鍵」と話していた山部監督。先鋒に出口クリスタを配した。期待通り開始早々から多彩な技で攻め続け、序盤に技ありを奪い、最後は横四方固めで一本勝ちを収め流れを作った。次鋒の月野、中堅・佐藤、副将・新添もそれぞれ持ち味を活かし、勝ちには至らずも、優勝を近寄せる引き分けに持ち込んだ。優勝するには、大将・泉が引き分け以上。筑波大は勝って同点にして代表戦に持ち込むか、互いに負けられない必死の攻防戦が始まる。対戦相手は、体重差約35kg。力では大きなハンデがあるが、泉は果敢に相手に挑んだ。相手の力任せの攻撃にも真っ向から組合い、気持ちで凌ぐ。山梨学院の応援団が見守るなか、刻々と祈る時間が過ぎ、ついに終了の合図が鳴り響いた。泉は4分間を耐え抜き、山梨学院は史上初を更新する4連覇8度目の優勝に輝いた。表彰式で出口クリスタ選手が優勝に貢献した選手として最優秀選手賞に選出された。式後、選手たちは、サポートに回った選手や会場から応援を続けた選手らとともに胴上げや記念撮影などをして喜びを分かち合った。

■決勝戦 《山梨学院大VS筑波大 1勝4分け》 6/24 日本武道館

  先鋒 次鋒 中堅 副将 大将
山梨学院大 出口 月野 佐藤 新添
 
一本勝ち
引き分け 引き分け 引き分け 引き分け
筑波大 柴田 内尾 能智 津金 粂田

試合後、西田孝宏総監督は「始めたころは4連覇するなんて思ってもみなかったですけど、率直に大記録を作ってくれて本当にうれしい限りです。4年生の月野と出口がしっかり後ろに繋げてくれましたのが大きかったです。今の4年生は4回優勝しているわけですからすごいです」と相好を崩した。山部伸敏女子監督は「プレッシャーはありました。簡単には勝たしてくれないです。4連覇は学生が頑張った結果ですから。学生たちが自分たちで目標を立てて、プレッシャーに負けず、試合に出た8名だけでなく部員全員で勝ち取ったものです」と選手を讃えた。4年生として、主将として出口副主将と4連覇に向けてチームを牽引した月野珠里主将は「今は、ほっとしています。試合前全然緊張しないのですけど、今日は今までで一番緊張しました。1試合目は緊張で身体が動かなかったですが、試合を重ねて緊張感はなくなりました」と4連覇の重圧を語った。次に向けて、「4連覇しましたがここで安心してしまうといけないので、もう一度気を引き締めて全員でさらに上げていきたいです」と決意を新たにした。出口クリスタ選手は「1年・2年・3年生の時は先輩がいて甘えた部分もあり、昨年は新添が活躍して優勝できたという面もあったので、個人でも結果出している新添が研究され抑えられていく中でいかに勝っていくかというところで、前2つで絶対に取ることが今回の自分たちの目標でしたので、取るべきところで取れたのは良かったです。今年は最上級生として後輩たちを楽にしてあげたいという気持ちで大会に臨みました」と語った。

女子5人制の部は、優勝・山梨学院大、準優勝・筑波大、3位・環太平洋大と龍谷大となった。24日は男子の試合は1回戦だけが行われ、山梨学院大は順天堂大に3勝2敗2分けで勝利し、25日の2回戦に駒を進めた。

文(K.F) カメラ(平川大雪) 2017.6.24



◆《追記》25日男子の試合結果

昨日、山梨学院大女子の4連覇に沸いた日本武道館は、男子の1回戦も行われ、山梨学院大は、順天堂大に勝利し、2日目第2回戦に臨んだ。昨年ベスト16に終わり今年は最低でもベスト8を目標に鍛錬を続けてきた。この大会の男子の出場校は全国9地域から62校が終結し、先鋒から大将まで7つの配列で争われた。2日目の試合は、午前9時、6つの試合場で同時に始まった。山梨学院は、2試合目に名城大(東海)と対戦。先鋒の中元岳(3年)、次鋒・町屋匡(3年)、五将の藤井靖剛(4年)の3人が互いに譲らず連続で引き分けた。続く中堅の前野玲音(4年)が試合を優勢に進め小内刈りで一本勝ちを収めると次の三将・春日良太主将(4年)は横四方固めの寝技で一本勝ち。2勝で優位に立った。続く副将の渡辺大樹(4年)の相手は渡辺の100㎏に対して170kgと二回りは大きい相手。重圧をかけてくる相手を上手に凌ぎ、引き分けに持ち込んだ。ここで山梨学院の勝利が確定し、大将の水野樹(4年)も引き分け。2勝5分けで3回戦に進んだ。この試合に勝てば最低目標のベスト8。是が非でも勝ちたい試合だった。

対戦相手は、昨年の3回戦でも対戦しベスト8進出を阻まれた相手。雪辱を期して臨んだ。いい流れを作ると、先鋒を託された前野は、優勢に進めるも、一瞬の隙を突かれ技ありで敗れた。次鋒の藤井は足から勝機を見出そうと攻め立てるが、決め手なく引き分け。続く五将で追いつきたい山梨学院は迫村一輝(4年)に期待を賭けた。しかし、技を繰り出し必死に攻めるも、相手が勝り指導3の一本負けを喫した。続く水野、春日も相手を上回る攻撃を仕掛けるが相手も凌ぎともに引き分け。後がなくなった。副将の長谷川優(3年)に対して味方から願いを込めた声援が送られるが攻めきれずに引き分け、ここで敗退が決まった。最後、大将の渡辺が一矢を報いるために畳に立つも、もはや心が折れたか小外掛けで一本負けを喫した。3敗4分けで敗退、今年もベスト16止まりに涙を呑んだ。

西田孝宏総監督は試合後、男子選手を控え室に集めて、「大惨敗。7人中6人も4年生を使ったことはないかも知れない。4年生を使って負けたから悔いはない。ただ、俺の指導が悪かったかも知れん。力があっても怪我をせずに、きちんとした生活をしてやり切ってこないとやはり勝てない。それをできなかった監督の俺が悪い。なかなかここまでベストコンディションで持ってこれなかった俺は悔いが残るし、自分自身反省している。お前たちに申し訳ない」と複雑な胸中を選手に語りかけた。

文(K.F) カメラ(平川大雪) 2017.6.25