●第99回全国高校野球選手権山梨大会 2回戦
~山学高初戦、甲府南高に7回コールド勝ち~
~初回無安打で3点、後半打線が繋がり13得点~
「第99回全国高校野球選手権山梨大会」、2日目1回戦2試合と2回戦1試合が7月9日、甲府・山日YBS球場で行われた。この日に先立ち昨日8日、同球場で開会式が行われ、昨年の優勝校山梨学院高を先頭に出場校36校約720人が堂々の行進をした。開会式後には2試合が行われ、熱戦の火ぶたが切って下された。昨年この夏の大会で優勝、5年ぶり6度目の甲子園出場を果たした山梨学院高校は、新チームになった昨秋、今春大会と3季連続山梨県大会で優勝しており、今大会も総合力NO.1の呼び声高く優勝候補に挙げられている。夏の甲子園2年連続出場を見据え、2日目に初戦を迎えた。山日YBS球場の第1試合、初戦の対戦相手は甲府南高校。後攻の山梨学院は、初回相手投手の立ち上がりの乱調から5四死球で無安打ながら3点を先攻した。先発の石井友樹(3年)は三回に二死から2点適時打を打たれ1点差に詰め寄られたが、その裏打線が死球と二塁打で一死三塁・二塁と走者を進めると続く7番松尾孝太(3年)が右中間三塁打を放ち2点を追加、さらに相手失策で1点加え、6-2と差を広げた。五回に継投した吉松塁(3年)は、内野安打と盗塁で走者二塁とされ、続く打者に右中間適時二塁打で1点を返された。六回にも二死から3連続安打を浴び、さらに1点を追加された。山梨学院は五回にようやく打線が繋がりを見せ、四球と二塁打2本、安打で3点を加えた。六回にも4連続安打を含む安打5本で4点を追加。13-4とした。7回表を無得点に抑えたためコールド勝ち、初戦を突破した。
「第99回全国高校野球山梨大会」が7月8日に開幕した。開会式には出場校36チーム約720人の選手が甲府市小瀬スポーツ公園山日YBS球場に集結した。入場行進は山梨学院高吹奏楽部の演奏に合わせ、山学高チアリーダー部が先導した。昨年優勝した山梨学院高は優勝旗を掲げる栗尾勇摩主将を先頭に堂々と行進。各チームが次々に続いた。開会式後に2試合が行われ、いよいよ7月23日の決勝戦に向けて熱戦の火ぶたが切って下された。
新チームは、「全国で勝てるチーム」を目標に掲げスタートした。昨秋、今春の県大会では優勝したが、県外試合、関東大会では思うような結果が残せず、技術ではなく自らの弱さに目を向け、その課題克服に取り組んできた。栗尾勇摩主将は「夏は何があるか分かりません。相手はどこであろうと油断せず一戦一戦全力で勝ちに行く」と強い決意を滲ませていた。
7月9日午前9時、すでに30度を超え、晴れわたった山日YBS球場の1塁側スタンドにはベンチ入りを果たせなかった野球部員とチアリーダー部、吹奏楽部を中心に全校生徒、保護者の応援団が陣取り、その声援に後押しされた後攻の山梨学院ナインがグラウンドの守備に就いた。山梨学院の先発は右の石井友樹(3年)。先攻の甲府南高に一回、二回と単発打を打たれたものの、後続をしっかり抑え上々の立ち上がり。一回裏、山梨学院は一死後、失策をきっかけに、連続5四死球無安打で3点を先制。三回表、石井は先頭打者を安打と死球で走者を出すと、二死後、2点右前適時打を打たれ、1点差に詰め寄られた。その裏、一死後、5番栗尾が四球で塁に出ると6番清水玄司(3年)が左前二塁打で走者三塁・二塁。続く7番松尾孝太(3年)が初球を狙いすまし、右中間に2点三塁打で突き放した。さらにこの回1点を加え、6-2とした。山梨学院は五回表に石井から吉松塁(3年)に継投。吉松は最速140キロの球速を記録するも、いつもの球の切れがなく、この回1点、六回にも1点を献上した。山梨学院の打線は、相手投手のスローボールに苦しめられてはいたが、五回裏先頭の7番松尾の四球をきっかけに、8番吉松の左翼線適時二塁打で1点、犠打で一死後、1番丹沢海輝(3年)の右前適時打で1点、続く2番中尾勇介(2年)が右翼越え二塁打でさらに1点を加えた。六回には、先頭の栗尾中前打、一死後、松尾の中前打、吉松の代打相澤利俊(1年)が右前打、9番広瀬巧真(3年)の代打関口俊哉(3年)の右翼越え二塁打、1番丹沢も中前打と4連続打で4点を追加。試合を決定付けた。7回表は、星野健太(2年)と勝又功徳(3年)の継投で無失点に抑え、7回コールド勝ちを収めた。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 合計 | |
甲府南高 | 0 | 0 | 2 | 0 | 1 | 1 | 0 | 4 | ||
山梨学院高 | 3 | 0 | 3 | 0 | 3 | 4 | X | 13 |
※7回コールド
山梨学院高
[投手]石井→吉松→星野→勝又 [捕手]五十嵐寛人(3年)→山本瑞基(3年)
石井4回 投球数56 安打5 四死球1 三振3 失点2
吉松2回 投球数42 安打6 四死球1 三振4 失点2
星野2/3 投球数 9 安打0 四死球1
勝又1/3 投球数 1 安打0 四死球0 三振1
[交代]吉松(投)→(H)相澤→(投)星野 広瀬(遊)→(H)関口→佐藤颯(遊 3年)
山梨学院=安打11《三塁打1:松尾 二塁打4:清水・吉松・中尾・関口》
四球4 死球5 三振3 失策0
甲府南 =安打11《二塁打1》 四球3 三振8 失策2
試合後、今年4月に就任した吉田健人コーチは「初戦ですので少し硬くなっていました。記録上はエラーにはなっていませんが目に見えないミスが多かったです。次の試合までにそこを改善していきたい」と話した。打線が沈黙していた中で流れの突破口を開いた松尾孝太選手は「もう少し守備でリズムを作りたかったですけど結構相手が打ってきたので手こずりました。(打った三塁打は)ストレートでした。相手のボールがゆるい分、みんな前で打ってしまい苦労していましたが、自分はできるだけ引きつけて近くで打ちました。勝つたびに相手のレベルも上がってくるので、そこは気を引き締めていきたい」と話した。栗尾勇摩主将は「初戦の難しさを感じたゲームでした。自分たちの持ち味の打って点を取るという展開ではなかったので、そんなに点を取ったという感じではなかったですが、(相手のミス)そこにつけこむことは大事だと思うし、結果的には初回の点が大きかった。点差は開きましたが課題も残ったので対策を練って次の試合に臨みます」と前を向いた。吉田洸二監督は「今日の展開は自分の中では普通の出来です。周りの人が持つイメージと、毎日見ている者とは違うので、いい展開になることも予想していたけど、予想される失敗をずっとしていたので想定内です。今日まずかったことを修正して最終的にうちが1点でも多く取れるように試合をするだけです」と淡々と話した。
山梨学院高の次の試合は、11日(火)行われる日大明誠高と増穂商高の勝者と15日(土)、午前9時00分から山日YBS球場で対戦する。
文(K.F) カメラ(平川大雪) 2017.7.9