●インターハイに懸ける!2017 第2回
~陸上部、男女駅伝部の4人出場。上位入賞狙う~
~酷暑に負けず、迫った本番に照準を定める~
平成29年度全国高等学校総合体育大会(インターハイ)「はばたけ世界へ 南東北総体」が7月28日から8月20日にかけて山形県を中心に南東北地方(山形、宮城、福島、和歌山《平成36年まで固定開催=ヨット》)を舞台にして開催。30競技に約3万人の高校生アスリートが日本一をかけて争う。インターハイは高校野球の「夏の甲子園」に例えられるように、高校スポーツの祭典で最大のビッグイベント。山梨県からは28競技、約610人の高校生アスリートが夏の酷暑に立ち向かい、全国の精鋭たちに決戦を挑む。山梨学院高校は男子ホッケー部、女子テニス部の2団体と陸上・空手道・テニス、体操、新体操の延べ33人(複数種目出場選手含む)の生徒が出場する。(なお、水泳競技は、22~24日の関東大会終了後に出場者が決定する。競技は8月18日・19日)。山梨学院ニュースファイルでは3回に分け、インターハイに懸ける出場選手の意気込みを伝える。2回目は、陸上部の前田匡蔵選手、男女陸上駅伝部の小笠原朱里・矢島洸一・飯澤千翔選手の4人を紹介する。
◆陸上競技 円盤投げ出場
前田匡蔵(まえだ・きょうぞう 3年 山梨・甲府南中) 陸上部。
昨年初めてインターハイに出場。通過標準記録44m00にも届かず予選敗退、悔し涙を流した。今年5月5日に行われた山梨県総体陸上競技男子円盤投げで45m32の大会新記録で優勝。その一週間前に行われた小瀬カーニバルでは47m22の県高校新記録を出し、着実に記録を伸ばし続けている。この競技では決して体格には恵まれてないが人一倍練習する努力と抜群の身体能力の持ち主。前田選手が円盤投げ競技を始めたのは中学2年の秋、先輩に進められ大会に出場したのがきっかけ。僅か3年半でトップアスリートに成長した。今年の6月の関東高校陸上競技会では、48m76を投げベスト記録で優勝。この記録は昨年度のインターハイでは2位に相当する。2度目のインターハイの切符を手にした前田匡蔵選手は「『高3のインターハイで日本一になる』。中3の時に決意してから3年間、この日のためだけに懸けて練習を積み、たくさんの努力をしました」と準備万端と自信をうかがわせる。「気負わずに、リラックスして50m以上のベストパフォーマンスを見せ、優勝します」と宣言した。
円盤投げは、予選・決勝ともに8月2日に山形県天童市NDソフトスタジア山形で行われる。
◆女子1500m、3000m出場
小笠原朱里(おがさわら・しゅり 2年 石川・津幡町立津幡南中) 女子陸上駅伝部。
1500m、4分15秒、優勝。3000m、8分57秒、優勝。高校新記録」と小笠原朱里選手はインターハイの目標を掲げた。先月行われた日本陸上選手権女子5000mでは社会人、大学生に混じり3位と好走。U18の日本新記録を樹立。益々、走りに磨きが掛かってきた。陸上は父親が走る姿を見て小学3年の時に始めた。中学2年の2014年11月に行われたジュニアオリンピック陸上競技大会、中学3年の2015年8月の全日本中学陸上の女子1500mで優勝、昨年2月(中3)千葉で行われた第1回全国中学生クロスカントリー選手権3kmで優勝するなど数々の輝かしい実績を引き下げ山梨学院高に入学した。高校生になって早々に行われた5月の山梨県高校総体では、1500mと3000mで優勝を飾り2冠達成、華々しく高校生デビューを果たした。6月の関東高校陸上競技会では女子1500mはトップと激しく競り合うも僅かにかわされ悔しい2位。女子3000mでは巻き返しを図る素晴らしい走りを見せ、優勝。2種目でインターハイ出場を決めた。今年も県高校総体で1500、3000mで2連覇達成。関東大会の1500mでは昨年同様、ラストでかわされ、惜しくも2位。3000mでは後続を約100m離し9年ぶりの大会新で堂々の優勝を飾り、今年も2種目でインターハイ出場を決めた。昨年初のインターハイでは1500m6位、3000m7位と上級生に力負けした。小笠原朱里選手は「地道な努力を当たり前のものとする」と日々の練習の課題に挙げる。インターハイでの走りを、「1500では力が入ってしまうことが多いので、焦らずに自分の走りをする。3000では5000の少し速いペースをイメージし、余裕を持って走りたい」と決意を語った。
女子1500m予選は7月29日、決勝は7月30日。女子3000mは予選8月1日、決勝は8月2日、山形県天童市NDソフトスタジア山形で行われる。
◆男子5000m出場
矢島洸一(やじま・こういち 3年 長野・長峰中学校)男子陸上駅伝部。
矢島洸一選手は小学校のマラソン大会で良い結果を出せたことをきっかけに中学校で本格的に陸上に取り組んだ。山梨学院高に進み1年の全国高校駅伝山梨県予選で1区2位、2年には2区で1位。全国高校駅伝では1年時に5区8位、2年時は、5区5位と好走し実力の片鱗を見せた。3年になり、体力とスピードがつき、今年の5月に行われた山梨県高校総体で男子5000mに優勝を飾り、関東高校陸上競技大会へ初の出場権を獲得。6月に行われた大会では「余裕があった過信から中途半端に前に出てしまいラストスパートで負けてしまった」とレース展開を反省。2位となりインターハイ初出場を決めた。矢島洸一選手は「留学生も多い組で予選からかなり熾烈でハイペースなレースが予想されるが、弱気にならずに強気なレースで決勝へ進出して14分28秒のベスト記録を更新したい」とインターハイでの目標を挙げた。さらに「自分たち駅伝部の集大成は都大路ですが、今まで支えてくれた人への感謝の気持ちを込めて走りたい」と語った。
男子5000m予選は7月31日、決勝は8月1日、山形県天童市NDソフトスタジア山形で行われる。
◆男子1500m出場
飯澤千翔(いざわ・かずと 2年 神奈川・伊勢原中学校) 男子陸上駅伝部。
飯澤千翔選手は、昨年の山梨県総体1500mで1年生ながら優勝を飾ったが、関東大会では「壁の高さを感じ」予選敗退インターハイ出場はならなかった。その雪辱を胸に今年の県総体では2連覇を果たし、関東大会では3位となり初のインターハイの切符を手にした。もともと走ることが好きだった飯澤選手は中学校の陸上部に入り本格に走り始めた。山梨学院では1年生の時の全国高校駅伝山梨県予選の2区で1位、暮れの都大路では2区を走り12位と健闘している。関東大会では「昨年の結果が納得いくものではなかったので、今年は優勝を狙っていました」と。しかし、1位と僅かの差で敗れインターハイの出場をきめたものの、課題が残った。本番までにやることは「レース展開の見直し、筋力強化や柔軟性など体力強化」を挙げた。飯澤千翔選手は「2年生なので積極的なレースを心掛け、来年に繋がるレースをする。3分40秒台を出し、最低でも決勝進出して入賞を目指します」と意気込む。さらに「悔いが残らないように自分の持っている力をすべて出し切る」と活躍を誓う。
男子1500m予選は7月29日、決勝は7月30日、山形県天童市NDソフトスタジア山形で行われる。
文(K.F) カメラ(平川大雪) 2017.7.21