●2017全国高校野球選手権山梨大会 決勝戦
~山学高2年連続7度目、苦しみながら優勝~
~吉松171球熱投、打線は東海大甲府を粉砕~
「第99回全国高校野球選手権山梨大会」決勝戦が7月23日、甲府市・山日YBS球場で行われた。山梨学院高校は、昨日の準決勝で日本航空高に手堅く勝利し決勝戦に進んだ。決勝戦は昨年夏の大会3連覇を阻止した東海大甲府高と再び対戦。東海大甲府高は打撃が好調で、投手陣も安定。2連覇を目指す山梨学院にとって大きな関門としてそびえ立つ。試合は、東海大甲府の先攻で始まった。山梨学院は、この大会2度目の先発左の吉松塁(3年)。1回表、吉松が先頭打者に四球。続く打者を投手ゴロに打ち取ったが二塁に悪送球。2走者が生きるピンチに。一死後、相手適時打であっさり先制点を許した。山梨学院は、東海大甲府のエース高清水投手に5者連続三振などの好投で5回まで僅か安打一本で得点の糸口が見つからない。山梨学院の吉松は立ち上がりが不安定だったものの、二回以降六回まで初回に打たれた1本に抑える快投を披露。打線は五回裏、先頭の6番清水玄司(3年)、松尾孝太(3年)が安打で出ると8番吉松がきっちり犠打で走者三塁二塁に、9番広瀬巧真(3年)が初球を振りぬき左中間を破る2点適時三塁打で逆転。この回1点を追加した。六回にも四球と3本の長短打で3点を追加。七回表に1点を返されたがその裏猛打が爆発、6本の長短打で一挙7点を上げ、13-2とした。試合は、9回表、相手も意地を見せ1点を返したが、吉松は大量点に守られ最後の打者を遊撃ゴロに打ち取り、悠々完投勝利を挙げた。この瞬間山梨学院メンバーはマウンドに駆け寄り歓喜の声を挙げた。山梨学院は2年連続の甲子園への切符を手にした。
山梨学院高野球部は4季連続ベスト16という低迷期から今大会優勝で4季連続優勝を勝ち取るまで大きく変貌した。そのために涙が出るほどの猛練習を課し心技を強化しもう一度チームづくりを構築してきた。その成果が表れ、昨年の前回大会では5戦で73安打・77得点という数字を残し、甲子園に乗り込んだが2回戦で敗退。新チームになった秋季大会で優勝。選抜大会出場は逃したものの、春季大会にも優勝。しかし県外試合では自分たちの力が出せない試合が続き、栗尾勇摩主将(3年)は「これは技術ではなくメンタルが課題と指摘された」とメンタル強化に努めてきた。今大会も総合力で一歩抜きんでたチームとして優勝候補の筆頭に挙げられた。しかし、大会が始まってみると初戦こそ大勝したものの、2回戦、準々決勝、準決勝と打線が後一歩繋がらず、投手の好投にも助けられ苦しんで勝ち上がった。この日の決勝戦は昨年と同様東海大甲府高。一戦一戦全力で戦うメンタルの強さをこの試合こそ発揮し、優勝を目指して強豪校との対戦に臨んだ。
試合は、東海大甲府の先攻で始まった。山梨学院は、この大会2度目の先発左の吉松塁(3年)。今大会怪我から復帰したが、いまひとつ安定感に欠ける。1回表、吉松が先頭打者に四球。続く打者を投手ゴロに打ち取ったが二塁悪送球。自らピンチを招いた。一死後、相手適時打であっさり先制点を許した。山梨学院打線は、東海大甲府のエース高清水投手に5者連続三振などの好投を見せ、5回まで僅か安打一本で得点の糸口が見つからずこれまでの不安が過ぎる。山梨学院の吉松は立ち上がりが不安定だったものの、二回以降は本来の直球と変化球で緩急をつける投球で六回まで初回に打たれた1本に抑える快投を披露。打線は五回裏、先頭の6番清水玄司(3年)、松尾孝太(3年)が安打で出ると8番吉松がきっちり犠打で走者三塁二塁に進めると、9番広瀬巧真(3年)が初球の直球を振りぬき左中間を破る2点適時三塁打で逆転。この後関口俊哉(3年)の犠飛で1点を追加した。六回裏にも一死後、四球と3本の長短打で3点を追加、突き放した。七回表に1点を返されたがその裏、眠っていた猛打が爆発、3番五十嵐寛人(3年)が四球で歩くと4番栗尾の安打と続く小林侃汰(3年)の2点右中間適時三塁打など6本の長短打で一挙7点を上げ13-2とし試合を決定づけたた。試合は、9回表、相手も意地を見せ1点を返したが、吉松は大量点に守られ最後の打者を遊撃ゴロに打ち取り、悠々完投勝利を挙げた。この瞬間山梨学院メンバーはマウンドに駆け寄り歓喜の声を挙げた。山梨学院は2年連続の甲子園への切符を手にした。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 合計 | |
東海大甲府 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 1 | 3 |
山梨学院高 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 3 | 7 | 1 | X | 14 |
山梨学院
[投手]吉松[捕手]五十嵐
吉松 投球数171 安打5 四死球4 三振10 失点2
[打撃] 安打17《 三塁打3:広瀬1、小林1、関口1 二塁打1:中尾1 安打:関口1、中尾1、栗尾1、小林1、清水2、松尾2、吉松2、広瀬3》
四球6 三振7
[交代] 丹沢(右)→(H・右)関口→(H)山本瑞基→村田海斗(右)
閉会式のインタビューで吉田洸二監督は「いい生徒に恵まれました。今年も生徒の頑張りで甲子園に行かせてもらえるというのは本当に感謝したいと思います。随分練習したチームだったんですが、なかなかこの大会思うように力を発揮させることができずに申し訳ない気持ちでいっぱいでしたけど、最後今まで培ってきたものが全部出し切れたので非常に立派な生徒です」と選手たちを労った。「甲府工業さん含め、今日戦いました東海甲府さん、また山梨県全部の代表としていきますので一試合でも多く勝てるところまで全力で戦ってきます」と活躍を誓った。続いてチームをまとめ、牽引してきた栗尾勇摩主将は「苦しい試合が続いてきつい大会でしたが、スタンドに2年半同じ厳しい練習を一緒にしてきて、サポートに回ってくれている3年生がいるので、彼らの思いを背負って戦うことができました。その3年生たちを甲子園に連れて行くことができ、本当に幸せです」と仲間を気遣った。「このチームは山梨学院の歴史を変えることを目標にスタートしたので、昨年の3年生を超えられるように頑張っていきたいです」と述べた。不振から這い上がった吉松塁投手は「春から怪我でチームに貢献できていなくて、今日チャンスをもらえ勝てたことで少しはチームの力になれたと思います。東海さんは強いスイングで振ってくるので、自分は力勝負ではなくかわしていかないと打たれると思ったので変化球を多めに投げました」と振り返った。甲子園では「昨年は1回戦しか勝てなかったので、今年はチーム一丸となり2回戦、3回戦、4回戦と上位進出を狙って頑張ります」と力強く述べた。ノックバットを振ってともにグラウンドに立つ吉田健人コーチは「今大会は厳しかったです。準決勝まで我慢したことが最後決勝で花開いた感じです。昨年以上に練習を頑張った子たちが、昨年甲子園に出て満足するのではなく、もう一度よく頑張ったなという感じはします。春にあと一歩で選抜にいけなかった悔しさを維持して春に優勝したことに気を抜かずに頑張りました」と選手たちを称えた。各方面から選手を支える渡邊恵礼マネージャー(2年)は「一番厳しい練習などを見てきたので、辛い練習が報われ良かったです。厳しい試合が続いてどきどきして怖かったですけど、最後までみんな一生懸命頑張ってくれたので良かったです」。甲子園では「一つでも多く勝ってもらって昨年の先輩たちを超して欲しいです。自分も新しく入ったマネージャーとともに支えていきます」と笑顔で話した。
2連続7度目の優勝を手に入れた山梨学院高は、山梨県36校の思いを背負い、野球部員とともに全校一丸となり甲子園での戦いに臨む。全国大会は8月7日開幕する。
文(K.F) カメラ(平川大雪) 2017.7.23