●平成29年度NHK杯全国高校放送コンテスト
~山学廣瀬さん、アナウンス部門県内初の全国優勝~
~全国参加数4,231人の頂点に立つ~
平成29年度「NHK杯全国高等学校放送コンテスト」決勝戦が7月27日、東京・渋谷のNHKホールで行われ、アナウンス部門で山梨学院高廣瀬久実さん(特進コース3年)が全国大会参加者数294人の中から山梨県初の全国優勝に輝く快挙を果たした。大会は、7月25日に準々決勝戦、26日に準決勝戦が国立オリンピック記念青少年総合センターで行われ、27日、全国上位10人による決勝戦を廣瀬さんが制した。この放送コンテストは、アナウンス部門を初め、朗読、ラジオ・テレビドキュメント、創作ラジオ・テレビドラマ部門の6つの部門に分かれ、その技術の高さを競い合うもの。全国から1,677校、16,293人が参加し、都道府県予選会を通過した生徒・作品の中から各部門の優勝、準優勝、優秀、優良、入選賞が決まった。廣瀬さんが出場したアナウンス部門の都道府県大会参加数は4,231人。各都道府県から推薦された代表者が東京に集結した。大会では自作した自校の校内放送に使用する内容の原稿を1分10秒から1分30秒以内でアナウンス。準決勝、決勝ではさらに課題を与えられ3日間にわたりアナウンス技術、表現力を競い合った。
「NHK杯全国高等学校放送コンテスト」は現代に生きる高校生に豊かな人間性の育成と、未来への展望をもつ人間としての成長を目指し、校内放送活動をメディアリテラシーの実践として位置づけ、情報発信としての放送活動の発展を目的としてNHKと全国放送教育研究連盟が主体となり1954年に第一回大会が開催され、今年で第64回を数える。
廣瀬久実さん(特進コース3年)は6月10日に行われた山梨県大会のアナウンス部門で3位となり、都道府県から推薦された6人のうちの一人として全国大会に2度目の出場。昨年は準々決勝で涙を飲み今大会に臨んだ。優勝者の名を呼ばれた時の様子を廣瀬久実さんは「喜びというよりは、困惑してしまい、頭が真っ白でただただびっくりしました」と話す。
審査基準の一つに研究主題「私たち高校生と放送」のテーマに沿った自校の校内放送に使用する内容を自作し、1分10秒から1分30秒以内でアナウンスすることから、友人の話を原稿に書き起こした。昨年二人が『高校生による国際交流・国際理解のための企画コンクール』で最優秀賞を受賞(昨年4月の山梨学院ニュースファイル・アクティブで掲載)し、その事業計画を実施するため、ブラジルへ訪問した際、「書道を頑張っている親友の書道に対する思いや『言葉が通じなくても日本伝統工芸の和紙作りと、書道が国際交流するツールになった』と話してくれたことが心に深く残っていた」と、友人を取材した。「話を聞いてから1ヶ月位かけて原稿をまとめ、県大会が終わってからも全国大会へ提出するために手直しをするなど最後まで粘った」と苦労を語った。60人に絞られた準決勝ではこの原稿に、熱中症予防などの情報をアナウンスする短い課題を加えられた。決勝に残った10人は今回決勝に進出したラジオドキュメント部門(7分)の4作品から印象に残った作品を100字にまとめアナウンスした。審査の視点として、素材の選び方、文章表現は適当であるか。自然な発声で聞き手に伝わるようにアナウンスしているか。正しく意味を伝える表現ができているかなどを総合的に採点される。廣瀬さんは決勝でのアナウンスする留意点として「まずは基本的なところで相手に伝わりやすいアナウンスを心掛け、文章の流れで『ここが一番言いたい、ここの思いを相手に伝えたいんだ』と、声のトーンを変えたり、間を取ったりすることを意識しました」。「今大会に向けて今までで一番練習をしました。いろいろな人に聞いてもらったり、後輩などにも意見を聞いて一緒に練習をしました。前回、準々決勝で終わってしまったので準々決勝突破を目指していました」と今大会に臨む思い入れは強かった。都道府県からアナウンス部門に参加した総数は4,231人。全国大会の出場数は294人。決勝は上位10人で競われ、審査は廣瀬さんのアナウンスの技術力と原稿の構成力が評価され、山梨県勢では初の全国優勝の栄冠に輝いた。当然、廣瀬さんは将来、アナウンサー志望との問いに。「特にマスコミやアナウンサーに特別な思いはなく、姉の影響で放送部に入ったからコンテストなどにも出場していますが、仕事にしたいとはあまり思っていなく、ただ、いろいろなところでインタビューやプレゼンをさせてもらう中で、アナウンスで培ったことが活きています。だからやってきて良かったです」。将来は別の道を考える。ただ、「東京五輪でアナウンスのボランティアをすることが夢です」と大きな目を輝かせ笑顔を見せた。
尚、廣瀬さんは、8月3日・4日宮城県仙台市で行われる全国高等学校総合文化祭「みやぎ総文2017」の放送アナウンス部門に出場する。
文・カメラ(K.F) 見出し写真(高校提供) 2017.8.1