●第99回全国高校野球選手権大会 開会式
~一日順延。代表49校が全国制覇を目指す~
~山学高球児、一糸乱れぬ堂々とした姿を見せる~
「第99回全国高等学校野球選手権大会」が8月8日、兵庫県西宮市・阪神甲子園球場で開幕した。試合に先立って開会式が行われ、多くの高校野球ファンが集まり地方大会を勝ち抜いた代表49校の入場行進を見守った。開会式は、前日の7日に行われる予定だったが、台風5号の影響で安全に考慮して6日午前11時に順延を決めた。台風の雨は明け方に止み、大会関係者の必死のグラウンド整備により開会式に間に合わせた。昨年の優勝校栃木県代表の作新学院高校を先頭に、北北海道代表の滝川西高から沖縄県代表の興南高までの49代表が次々と入場行進し、山梨県代表の山梨学院高校は19番目を行進。栗尾勇摩主将が先導し、18人の登録選手がベンチ外の選手や野球部保護者会の前を堂々とした姿で行進した。開会式では北北海道代表・滝川西高の堀田将人主将が選手宣誓。「私たちは今、この甲子園球場に立てていることを誇りに思います。ここに辿りつくまでには、たくさんの厳しい試練や困難がありました。それを乗り越えられたのは、仲間、家族、監督、そして応援して下さる多くの支えがあったからです」と宣誓した。開会式後の開幕戦は、滋賀県代表・彦根東高と長崎県代表の波佐見高の対戦。22日(予定)までの15日間の熱戦の火ぶたが切って落とされた。山梨学院の初戦は、2日目9日の第3試合午後1時から群馬県代表の前橋育英高と対戦する。
地方予選大会3,839校の代表49校が郷土の思いを懸けて熱い戦いが繰り広げられる夏の甲子園大会に山梨学院高は、山梨県36校の代表として2年連続7度目の甲子園出場に臨み、山梨県勢初の優勝を目指す。開会式は、前日の7日に行われる予定だったが、台風5号の影響で安全に考慮して前日の6日午前11時に順延を決めた。開会式の順延は2014年(弟6回)以来3年ぶり、4度目となる。台風5号が近畿地方に上陸し、関西地域にも多くの雨をもたらし開会式当日の明け方まで振り続けたが大会関係者の必死のグラウンド整備により間に合った。
開会式は、午前9時に開幕を告げるファンファーレが鳴り響き始まった。超満員に膨れ上がった観客の見守る中、ライト側通用門から前回優勝校の作新学院高を先頭に地方大会代表の49校が次々と入場。一糸乱れぬ堂々とした行進を見せ、“この時を夢見た”高校球児の表情が見守る観客に清々しさを感じさせた。球児たちの夢の舞台「聖地・甲子園」のグラウンドに今年の主役が揃い、前回優勝校・作新学院高添田真聖主将から優勝旗が返還された。大会会長の渡辺雅隆朝日新聞社代表取締役社長、水落敏栄文部科学副大臣、大会審判委員長・八田英二日本高等学校野球連盟会長の挨拶、激励が続き、その中で渡辺大会会長は「今大会のキャッチフレーズは『自分史上最高の夏』です。選手の皆さんどうか厳しい練習の日々を思い返し、精一杯悔いのない野球をして下さい。皆さんが力の限り躍動する姿は、高校野球を愛する全国の人々に勇気と感動をもたらす明るい光となることでしょう」と激励した。選手を代表して北北海道代表・滝川西高の堀田将人主将が「私たちは今、この甲子園球場に立てていることを誇りに思います。ここに辿りつくまでには、たくさんの厳しい試練や困難がありました。それを乗り越えられたのは、仲間、家族、監督、そして応援して下さる多くの支えがあったからです。幼い頃から真っ白なユニフォームが真っ黒になるまで練習し、真っ白なボールを真っ暗になるまで追いかけてきた全国の高校球児の思いを胸に最後まで諦めずに正々堂々とプレーすることを誓います」と選手宣誓を行った。
開会式後、三塁側スタンドから行進を見守った松崎将責任教師・野球部部長は「今まで教えてきた子たちが目の前を悠然と通った時に、こういう仕事をしてきて良かったと感慨深い感じになりました。表情も晴れやかに選手たちは堂々といい行進ができていました」と目を細めた。初戦について、「相手が決まったからには一戦一戦必死にやるだけです。子どもたちは本当に自分たちができる力を100%出せるように練習を一生懸命してきました。少しでもいい試合ができるように研究してきていますのでやってくれると思います」と抱負を述べた。ベンチ入りを果たせなかった選手をまとめる吉福渉矢選手(3年)は「レフトの外野席で10人ほどで見ていました。きれいな行進だったので良かったです。一緒に練習してきた仲間なので、自分たちの思いをしっかりプレーで表してくれたらいいと思います。この球場に足を運んでくれた人たちが一緒に応援してくれるような楽しい応援をして、それが結果的に選手に思いが届いたらいいなと思います」と話した。引き締まった表情で18人の選手を先導した栗尾勇摩主将は「昨年よりも緊張することもなく落ち着いて行進することができましたが、ライトからグラウンドに入った瞬間は鳥肌が立ち、“これが聖地か”と気持ちが高ぶりました」と振り返る。サポートする仲間に対して、「感謝しなくてはいけませんし、代表として出る訳ですから、しっかり準備して、試合でいいものが出せるようにやってきたいと思っています」と思いを語る。前橋育英高については、「関東を代表する強豪校ですし、しかし、自分たちはそういうチームに勝つためにやってきたし、勝つ自信も付いているので、相手の対策というよりは自分たちの野球をするというところを見せられるよう試合に臨みたいと思います」と明日の初戦の必勝を誓った。
開会式後の開幕戦は、滋賀県代表・彦根東高と長崎県代表の波佐見高の対戦。この日は3試合行われ、大会は22日(予定)までの15日間、熱い戦いが繰り広げられる。
山梨学院の初戦は、2日目9日の第3試合午後1時から群馬県代表の前橋育英高と対戦する。
両校は、投手陣の層が厚く粘り強く守り勝つチームと、特長は似ている。山梨学院は昨夏の大会でベンチ入りした3年生が7人。前橋育英は4人の先発陣が昨夏の選手権に出場。経験の豊富さでも互いに譲らない。投手陣の出来が鍵となり、我慢比べの試合展開が予想され、好ゲームに期待が集まる。
文(K.F) カメラ(平川大雪) 2017.8.8