山梨学院パブリシティセンター

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●2017全日本学生レスリング選手権 最終日
~70㎏フリーで木下が2度目の優勝、優秀選手賞~
~65kg乙黒、61㎏級榊、惜しい準優勝~

8月28日から4日間の日程で東京・駒沢体育館で行われてきた文部科学大臣杯「2017年度全日本学生選手権大会」(インカレ)は、8月31日最終日を迎え、30日から行われたフリースタイル8階級の1回戦から決勝までのすべての試合の日程を終えた。一昨日の、グレコローマンスタイルでは130㎏級で貝塚賢史(4年)が昨年準優勝で終わった果たせなかった悲願の優勝を飾った。フリースタイルは昨日から行われ、山梨学院勢は30人がエントリーし、3人が棄権、27人が出場した。1日目はベスト16までに残ったのが11人、16人が1回戦、2回戦で姿を消した。2日目大会最終日はベスト8以上から決勝までが行われ、このうち3人が決勝、2人が準決勝に進んだ。結果は70㎏級で木下貴輪(4年)が昨年準優勝の雪辱を果たし、2度目の優勝を飾った。65㎏級の乙黒圭祐(3年)と61㎏級榊大夢(1年)が大接戦の末敗れ準優勝。57㎏級の優勝候補の小栁和也(4年)は不覚にも準決勝で敗れ3位となった。また、125㎏級の貝塚賢史(4年)は、一昨日のグレコローマンスタイルで初優勝、フリースタイルでも3位となる健闘を見せた。2日目に出場した他の選手は、ベスト16に留まった。大会4日間を通じて山梨学院の入賞者は、優勝2人、準優勝2人、3位は3人となった。優勝した木下貴輪は、2度目のフリースタイル優秀選手賞を受賞した。

28日・29日に行われたグレコローマンスタイルに続いて30日・31日にフリースタイルが行われた。30日の初日には、8階級のベスト16(一部2日目に持ち越し)までが決定し、フリースタイル山梨学院勢の30人(内3人が棄権)のうち、11人が2日目に進んだ。
70㎏級で優勝した木下貴輪(4年 鹿児島・鹿屋中央高)は前大会で後輩の藤波勇飛(3年 三重・いなべ総合学園高)に2連覇を阻まれ苦い経験をした。今大会は藤波が出場していない中だが、持ち前の力強さと俊敏さで他を圧倒。フォール勝ち2度、テクニカルフォール2度と決勝まで進んできた。決勝戦では早稲田の選手と拮抗した展開にも落ち着いて対処。結果的には大きなポイント差のテクニカルフォールで下し、2度目の優勝を飾った。併せてフリースタイル優秀選手賞を受賞した。木下貴輪選手は「インカレで優勝できたのはこれからも自信になると思うので良かったです」と喜びを語った。しかし、「自分が強くなっていると実感できた大会なのですが、一つひとつの詰めが甘かったり、決勝でも危ない場面を作ってしまったので、そういうところを直していかないと全日本では負けてしまうので修正していきたいです」と反省も忘れない。

65㎏級の乙黒圭佑(3年 東京・帝京高)は、今大会絶好調に仕上げてきた。5試合をすべてテクニカルフォールで決勝まで勝ち上がってきた。決勝の第1ピリオドは0-1で折り返すが、第2ピリオドになると早い時間に逆転。中盤激しい攻防で再び逆転され、乙黒が攻勢を掛けるがカウンターとなりポイントを奪われる。終盤、優勝に執念を見せたが追いつけず5-6の僅差で敗れ、準優勝になった。乙黒圭佑選手は「途中までは作戦通りだったんですけど、最後に自分の弱さが出た試合でした。技術的には自分が上回っていると思うのですが、一気に出る力が足りなかったのと、外へ出されたひとつのミスが悔やまれます」と振り返った。世界選手権で活躍した二人については、「ものすごい刺激になりました。世界選手権を目標にやっていたので自信もあったですけど、今回は直前に怪我してしまって予選メニューに出られなく少し悔しい思いもあるんですが、次に向けてやればと思っています」と次を見据えている。

61㎏級に出場した榊大夢(1年 鹿児島・鹿屋中央高)は1年生ながら6月の全日本選抜選手権大会でベスト8に入る実力を見せ付けた。初めてのインカレにも少しも臆せず勝ち進んできた。決勝の対戦相手は、青山学院大の成國大志選手。今年の全日本選抜選手権で3位、昨年のインカレ同級で優勝を果たしている強豪。試合は相手のプレッシャーに押されるも0-3で凌ぎ後半に繋いだ。榊は素早い動きで一時は逆転をして見せたが、試合巧者の相手に再び逆転を許した。それでも終了間際、1ポイント差に追い付く意地を見せたが、6-7の僅差で敗れ準優勝になった。榊大夢選手は「自分がタックルに入ってからの失点が敗因です。それから最初に点を取られてしまったことで相手の流れになってしまった」。「インカレは初めですが、実力の面では自分のほうが上だと思っていたので気後れは全然なかった」と力強い言葉が返ってきた。さらに「目の前の一つひとつの大会に勝って行くことはもちろんですが、最終的な目標としては全日本、世界選手権、オリンピックの優勝を目指して頑張っていきたい」と語った。山梨学院から大きな可能性を秘めた逸材が現れた。

57㎏級の優勝候補に挙げられた小栁和也(4年 山梨・韮崎工高)は今年の全日本選抜でOBの高橋侑希と優勝を争い敗れたものの,この階級の学生第一人者と認められている。昨年3位と初の表彰台に立ち、今回は優勝を狙い意気込んで臨んだ。3試合すべてテクニカルフォール勝ちと隙を見せずに順当に勝ち上がってきた準決勝前半、先制するも追いつかれ2-2の同点で折り返す。後半は序盤に逆転されるも、激しく攻め込み追い付く。互いに激しい攻防を繰り広げるが終了間際に僅かな隙に再び逆転された。残り時間に必死に攻めるもむなしく、4-6と敗退した。小栁和也選手は「ビビッて守り過ぎてやられた感じです。最後のインカレなので優勝は狙っていたんですが、悔しいです」と肩を落とした。

グレコローマンスタイル130kg級で悲願の初優勝を飾った貝塚賢史選手(4年 茨城・霞ヶ浦高)はフリースタイル125㎏級にも出場した。準決勝に進出した貝塚選手は優勝した園田平(拓殖大)に敗れたが3位となり表彰台に上った。試合後、「今大会は最高でした」と笑顔を見せた。

大会後、高田裕司監督は選手を集めて、「インカレは個人のタイトルで年に1回しかない大事な大会だけれども、今回負けた3年生以下はここに名前を残せるように頑張ってもらいたい。先を見たときに内容の良い負け方と悪い負け方がある。決して悪い試合ではなかったけどもったいない試合が多かった。それを自分の勝ちに繋げていけるようにしないと」と奮起を促した。

今大会、山梨学院はグレコローマンスタイル130kg級で優勝。59㎏級で3位。フリースタイル70㎏級で優勝。61㎏級、65㎏級で準優勝。57kg級、125㎏級で3位と7人(重複者含む)が表彰台に上った。

文(K.F) カメラ(平川大雪) 2017.8.31