●関東大学ラグビーリーグ戦 開幕
~開幕戦苦しみながらも後半突き放し白鴎大に勝利~
~2年ぶりの1部復帰を胸に全力でスクラムを押す~
今はもう秋、ラグビーシーズンが到来した。関東大学ラグビーリーグ戦グループ2部の山梨学院大ラグビー部は9月17日、山梨学院和戸ラグビー場で今シーズン最初の対戦相手白鴎大と戦った。台風の影響が心配されたが、結果的には試合は雨も風もほとんどない曇り空の下で始まった。初戦の緊張感からか、山学大は硬かった、先行したものの、ディフェンスが甘く一時は5点差にまで迫られた。苦しみながらも後半の終盤に突き放し48対29で白鴎大に勝利した。リーグ戦は9月から11月の3か月間、各チームが毎日曜か隔週に1試合の割合で7試合戦い順位を決め、12月9日に1部・2部入れ替え戦を行う日程。昨年は2部優勝したものの1部昇格を逃した山学大フィフティーンは、2年ぶりの1 部復帰を胸にスクラムを押し、秋のフィールドを激走する。
山学大ラグビー部は、4年前に俊足ウイング後藤輝也主将(現NEC・リオ五輪代表・サンウルブス選手)や屈指の司令塔ティモシー・ラファエレ(現コカコーラ・日本代表・サンウルブス選手)らを擁し10年ぶりに入れ替え戦に勝利し11年ぶり3度目の1部に復帰。3年前も190cmの長身フランカー大石力也主将(現NEC)をリーダーに2勝を挙げ2年連続1部で戦ったが、一昨年は残留を果たせず、昨年は2部優勝したものの入れ替え戦で日大に敗れ昇格はならなかった。山学大ラグビー部に入部してくる選手は、高校時代に花園で活躍した者はいない、いわば無名選手集団。その練習はきつい、毎朝6時に練習を始め10キロのハード走行をして大学の講義に出席、夕方からはダッシュを繰り返 し、スクラムを繰り返し、全体練習を繰り返す。週に一度は朝6時からのフィットネス、個々の体を個々の努力で強化する4年間を過ごす。多くの学生にとっては第2の故郷となる山梨のキャンパスで鍛え、心と体を逞しく成長させて社会に巣立って行く。1975年に創部され、今ではトップリーグに進み、五輪代表、日本代表となる選手も輩出するチームに成長した。卒業生の多くは「自分のバックボーンは大学時代のあの練習、苦しい時を乗り越える心の支えになっている」と語る。今年のチームは、真夏の8月には北海道・網走市で合宿を組み、シーズン直前の11日から3日間は河口湖・くぬぎ平スポーツ公園で短期合宿を行い、逞しい体と逞しいチームを作り上げ、戦う軍団となって秋の戦いに入った。
平成29年度関東大学リーグ戦グループ2部 開幕戦 山梨学院大vs白鴎大 (9/17) 於 山梨学院和戸ラグビー場 |
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○ 山梨学院大 48 | 前半 29-7 後半 19-22 |
29 白鴎大 ● |
得点 山学大トライ、パウロ3、佐藤、藤田、武井、梶原、認定T、 |
山学大出場選手の内、昨シーズン経験者は3人だけ、メンバーは大幅に入れ替わった。そして、チームの動きは硬かった。開始早々に最上級生になった巨漢のパウロ・パウロバべり(4年 ニュージーランド)が白鴎大ディフェンス陣をなぎ倒し先制トライを奪うなど上々の立ち上がりだったが、初戦の山学大はディフェンスが甘かった。しばしば突破を許し、後半開始早々には3連続トライを奪われ、一時は5点差に迫られた。神宮寺徹コーチが「こんなレベルじゃない、最初からおかしかった、実力の半分も出ていない」と嘆く初戦となったが、後半の終盤に3連続トライを奪い返して突き放し、最後は差をつけて勝利した。
試合後、温厚な吉田浩二監督が珍しく「今日の試合はすべて負けです。中身は0点以下、相手の動きに翻弄され、冷静な対応ができていなかった。自分たちがやってきたことを出せていなかった」と怒りの表情を見せ、課題が多く残ったゲームという言葉を発した。武井優弥主将(4年 日川)は「今年は、人とボールが連動してテンポよく動くラグビーを目指していますが、そこのところでミスがでて、そこを突かれた場面が何度かありました。自分たちの力の30%も出ていなかった。毎回毎回100%の力を出せるようにしたい」と、勝った試合なのに、負けた試合のような反省の言葉が出た。
山学大ラグビー部今後の日程は、9月24日に朝鮮大、10月8日に国士館大、10月15日に国学院大(和戸ラグビー場)、10月29日に東洋大、11月5日に専修大、11月19日に立正大と対戦する。One For All,All For Oneのスピリッツで、一人はみんなのために、みんなは一人のために、一つの目的のために全力で戦う。その目的とは勝利をつかみ取ること。山学大フィフティーンは、2年ぶりの1部復帰をつかむために、トライを積み重ね、7つの勝利と入れ替え戦勝利をつかみ取る。
文(M.I)カメラ(平川大雪)2017.9.17