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●関東大学テニスリーグ戦女子1部 最終戦
~山学、僅かに残された1部残留戦に敗れ入替戦に~
~8年間続く1部残留に総力を挙げて死守せよ~

平成29年度「関東大学テニスリーグ戦女子1部」が9月4日に開幕し、熱戦が繰り広げられてきた大会は、9月20日最終戦が各大学テニスコートで行われた。山梨学院大テニス部〔女子〕が所属する1部リーグは6チームからなり、現在、早稲田大、筑波大、慶應大の1部伝統校3校と山梨学院大、亜細亜大、明治大の3校との実力差が顕著になり、下位3校での1部残留争いが熾烈となっている。今大会、山梨学院大は、これまで0勝4敗と苦しみ1部残留への正念場を迎えている。一方の亜細亜大は1勝3敗、明治大も1勝3敗で最終戦の三つ巴の戦いで結果4位になれば自動的に1部残留。5位、6位になると2部リーグとの入れ替え戦に回ることになる。山梨学院は僅かに1部残留に望みが残る亜細亜大との最終戦は、慶應義塾大学日吉キャンパスで午前中にダブルス2試合、午後からシングルス5試合が行われた。互いに1部残留に向け必死の攻防戦。初めにダブルス2試合が同時に進行し、1勝1敗。まだ望みが残る。午後からシングルス5試合が行われ、3試合がほぼ同時に開始され、順次残りの2試合が執り行われた。ここで1試合でも負けた時点で入れ替え戦に回ることになり、結果は2勝3敗、亜細亜大学との通算成績3勝4敗。無念にも最終戦も敗れ0勝5敗で6位となった。10月8日(日)、1部入れ替え戦が行われ、先輩たちが築き、8年間守ってきた1部リーグ残留を全力で死守する。

関東大学女子テニスリーグ戦は、1部リーグから5部リーグで構成されており、現在、山梨学院大テニス部〔女子〕が所属する1部リーグ(早稲田大、筑波大、慶応義塾大、山梨学院大、亜細亜大、明治大)の今大会は、9月4日から9月17日まで、ほぼ2日おきにダブルス2試合、シングルス5試合を5大学総当りで戦う過酷な短期決戦。1部リーグの開幕戦の舞台はテニスの聖地、東京・有明テニスの森公園。今年は天候に悩まされた。開幕戦の朝は雨。試合が始まったのは昼過ぎ。当日に試合が消化できず波乱のスタートとなった。その後は日程を順調にこなしたが、最終戦の17日は、台風の影響を受け20日に延期。一部会場変更をするなど関係者を悩ませた。

最終日を迎えた山梨学院大は、これまでの戦績は0勝4敗と苦戦が続く。この日の時点で山梨学院の僅かに残る1部残留の条件は、最終日の対戦相手、残留戦対象校で1勝3敗の亜細亜大を6勝1敗で破り、もう一校の対象校、同じく1勝3敗の明治大が慶應大に0勝7敗で敗れた場合にのみ限られる非常に壁の高い戦いだ。しかし、山梨学院テニス部は少ない望みにも決して諦めない強い心で厳しい練習に取り組んできた。アスリートであるならば「勝利は掴むもの。一縷の希望も捨てない」と試合に臨んだ。

◆最終戦ダブルス戦2試合(午前 曇り) 慶應義塾大学日吉キャンパス

試合前、三好勲コーチは「僅かに残る枠に全力でぶつかる」と選手を送り出し、選手はゲーム前に円陣を組みチーム全員で「絶対に勝つぞ!オー!ファイト、ファイト、ファイト!」と気持ちを高めた。ダブルス2試合が午前10時に同時に始まった。山梨学院は、福井景子主将(4年 群馬・共愛学園高)・大嶺真緒(3年 沖縄尚学高)ペアと西里夏子(2年 沖縄尚学高)・松本安莉(2年 静岡高)ペア。福井・大嶺ペアの対戦相手は亜細亜大の両エースペア。第1セット前半、互いにゲームを奪い合う展開も、後半相手にペースを握られ4-6と落とした。第2セットも2ゲーム先取するも5ゲーム連取され3-6で敗れ1敗、後がなくなる。一方の西里・松本の2年生ペアは、第1セットゲームを取り合い4-5とリードされゲームカウントを不利にした第10ゲーム。相手のショットに西里のリターンが見事に決まり、同点に追いつくと、その後二人の息の合ったプレーで2ゲーム連取しセットを奪った。第2セット、山梨学院が主導権を握り、4-1とリードする展開に、亜細亜大も徐々に追い上げ、互いのストロークラリーで見せ場をつくる。4-3と詰め寄られた場面で相手のサーブミスに助けられこのセットも奪い、ダブルスを1勝1敗とし、望みを繋いだ。

◆最終戦シングルス5試合(午後 曇り)

ダブルスの終了後、15分の休憩を挟み、シングルスの3試合が午後1時から始まった。第1コートに8月の全日本大学テニス選手権(インカレ)でベスト16になった山梨学院のシングルスのエース横川仁美(3年 神奈川・弥栄高)、第3コートに清水梨世(4年 広島・美鈴が丘高)が登場。15分遅れで第2コートに石野碧(2年 東京学館高)が登場した。横川は第1セット相手長身の選手から繰り出されるサーブやストロークにタイミングが合わず2-6とセットを落とす。第2セットは序盤相手のミスにも助けられペースを上げ、リード。徐々に追いつかれ5-5のタイブレークに、その後、気迫のこもった両者のプレーに軍配が上がったのは横川。これでセットカウント1-1。第3セットは互いに負けられない意地と意地がぶつかり合う好ゲームに終止符を打ったのも横川。2勝目を挙げた。

横川の試合から遅れること15分、2番コートの石野が亜細亜大のエース中沢夏帆と対戦。中沢はダブルスに出場してから間もない間隔で出場。試合前、三好コーチが「単複にエースが出て手強いが、動かし疲れさせろ」とアドバイスを送った。第1セット、相手の正確なストロークと鋭いショットに打ち負け1-6とセットを落とした。第2セット序盤、石野のショットが深く入るようになり、相手を左右に揺さぶり2ゲームを先取。石野の揺さぶりに疲れを隠せない中沢は、さすがエースとあり、試合巧者ぶりを見せ、追いつき逆転する。石野は勝利への執念から9ゲームで逆転。その後、熱戦が繰り広げられたが最後は相手の執念が勝り、6-7で敗れ2敗目となり、ここで勝ちセット数の多少で山梨学院は入れ替え戦に回ることが決定した。

第3コートで戦っていた清水梨世は激しいラリーから勝機を見出すスタイルで相手選手と対戦。第1セットは4-6と落とすも、第2セットは中盤までゲームを取り合う一進一退の好ゲームを繰り広げる。互いに譲らない展開に後半、清水が気持ちで押し切り6-4でセットを奪った。第3セット、流れに乗る清水は、5ゲームまで4-1とリード。勝利を確信するも右太ももを痛め、その後は苦痛に顔をゆがめながらもチームの勝利に、プレーを続行したがそのまま1ゲームも取れず悔しい敗退を喫した。

その後に登場した西里夏子と松木安莉のダブルス組の西里は、第1セットをあっさり0-6で落とすと、第2セットも3ゲーム連取され相手に主導権を握られる。嫌な流れに4ゲームに1ゲームを返すとようやくエンジンが掛かり、第10ゲームで5-5の同点に追いつき、その勢いでそのまま押し切り7-5で逆転した。一方、シングルス最後に登場、隣のコートで戦う松本安莉の対戦相手は、亜細亜大のもう一人のエース、高橋玲奈。ダブルスに出場して福井・大嶺ペアに勝利している。第1セット、松本はベースライン深く打ち込み崩し、前に詰めて点を取りに行くが、相手も試合巧者で随所で鋭いプレーを見せ、粘る松本は、はねつけられ2-6でセットを奪われた。第2セットに入り激しいラリーの応酬を繰り広げ、松本は食い下がるも、中盤まで2-4とリードされる。キャンパスの谷につくられたテニスコートに証明が灯され、松本は、最後まで対等に渡り合い、部員全員の思いを胸にコートを駆け巡ったが及ばず、4-6で敗れた。ここまで2勝4敗、すでにこの日の時点での1部残留はなくなったが隣のコートでは西里がまだ戦っていた。第3セット、慶應大学日吉キャンパスに闇が蔽い蝮谷テニスコートの照明がさらに明るくコートを照らしている。5ゲームを連取、相手も譲らず母校の名誉と誇りを胸に必死に戦う。体力を消耗して気力で戦う姿にカレッジスポーツの真髄を見せ付けられた。西里は2ゲームを奪われたが最後押し切り勝利した。午後6時15分。1部残留への飽くなき執念を胸に約8時間半を戦い終えた両校に観客席から拍手が送られた。この結果、亜細亜大学が4位となり1部残留が決まり、この日慶應大学に1-6で敗れた明治大と山梨学院大が10月8日行われる1部入れ替え戦に回った。山梨学院は2部1位の日本大学と山梨学院大横根テニス場(予定)で対戦する。

◆平成29年度関東大学テニスリーグ戦女子1部 最終戦
《山梨学院大学VS亜細亜大学》9/20 慶應義塾大学日吉キャンパス

  勝敗 山梨学院大 スコア 亜細亜大
D1 福井景子
大嶺真緒
4-6
3-6
高橋玲奈
中沢夏帆
D2 西里夏子
松本安莉
7-5
6-4
楚南美波
南 文乃
S1 松本安莉 2-6
4-6
高橋玲奈
S2 横川仁美 2-6
7-5
7-6
山口真琴
S3 西里夏子 0-6
7-5
6-2
田中文彩
S4 石野 碧 1-7
6-7
中沢夏帆
S5 清水梨世 4-6
6-4
4-6
大西紗依
総計 D1-1
S2-3


※D(ダブルス) S(シングルス)

試合後、三好勲コーチは「周りの1部の伝統校は強くなっていますが、勝負できるところはあって、そこをことごとく接戦をものにできなく、勝ちという形に表れなかったことで最後に選手たちが競ってもう一押しという自信が生まれなかった」と大会を振り返った。「戦力の差がありますが1部にいないとこのような気持ちが味わえないし、実際に1部のすごいボールを打ってないと練習の質が下がってしまうので入れ替え戦は絶対にものしないといけない。今まで1部で戦ってきたのは自分たちなので、ホームの地の利(会場は山梨学院横根テニス場)を活かして、これから約3週間あるのでしっかり指導していきたい」と1部残留に意欲を示した。福井景子主将は「去年入れ替え戦を経験して、悔しい気持ちを忘れずに1年間やってこようと皆で誓ってきたのですけど、リーグ戦に入ってみると厳しい試合が続いてしまいました。でもチームが成長してきているとは自分もチームも感じているので、ここで落ちるわけには行かないので、入れ替え戦は弱気にならず1部校の強い気持ちを持って勝ちに行きます」と気を引き締めた。入れ替え戦は、10月8日(日)山梨学院横根テニス場(予定)で行われる。

山梨学院大テニス部〔女子〕は、2006年創部強化育成クラブに指定され、2009年に2部準優勝1部昇格、以来8年1部を守り続けている。先輩たちが築いた歴史を強い気持ちで死守する。

文(K.F) カメラ(平川大雪) 2017.9.21