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●全日本学生柔道体重別選手権大会 1日目
~女子70㎏級新添、78㎏級泉が初優勝を飾る~
~女子63㎏級佐藤も準優勝で気を吐く~

平成29年度「全日本学生柔道体重別選手権大会(男子36回・女子33回)」が9月30日、東京・日本武道館で開幕した。個人戦の学生日本一を決める2日間の大会に推薦を含め、全国の地区予選を勝ち抜いた560人の精鋭たちが“武道の聖地”に集結、熱い戦いが繰り広げられる。山梨学院大学からは男子15人、女子17人が出場する。初日は男子が60・66・73・81㎏級、女子は63・70・78㎏級・78㎏超級と男女4階級の戦いが行われ山梨学院は男子6人女子8人が出場した。この内、女子70㎏級新添左季(3年)、78㎏級泉真生(3年)が激戦を制し初優勝を飾った。63kg級佐藤史織(3年)が準優勝となり、3年生の活躍が光った。また、63㎏級瀬戸口栞南(1年)はベスト8と健闘した。この大会でベスト8に入った選手には「講道館杯全日本柔道体重別選手権」の出場権が与えられる。他の女子4選手は初戦敗退した。一方男子は、60㎏級の梅北亘(3年)のベスト16が最高。残りの5選手は、1回戦または2回戦で敗退した。2日目最終日は男子90・100㎏級、100㎏超級の重量級、女子48・52・57㎏級の各3階級が行われる。

◆《女子70㎏級・優勝 新添左季(3年 奈良・天理高》
8月のユニバーシアードで準優勝を果たし、続く9月3日に行われた世界柔道選手権初の混合団体競技に日本代表メンバーに選出され優勝に貢献した新添左季が今大会でも持ち前の実力を発揮した。前回大会、2回戦敗退の苦い経験を払拭した。1回戦、2回戦準々決勝で得意の内股で勝ち上がると、準決勝では1分10秒、宿敵環太平洋大学・青柳麗美を大外刈りで下し、決勝に進出した。決勝では、再び環太平洋大の田中志歩との対戦。前半互いに様子を見る静かな立ち上がり、奥襟を掴み足技を繰り出し、徐々に勝機を狙う。後半残り30秒を切ったところで伝家の宝刀、内股が見事に決まり1本勝ち。この大会、初の日本一に輝いた。試合後、新添左季選手は「昨年は早い段階で負けてしまったので日本一という結果が出せて本当にうれしいです。本当に勝ちたいと思って練習してきたので、その気持ちが前に出たかなと思います」と優勝の心境を語った。「立ち上がりは自分の思うような勝ち方が出来なかったのでそこは少し反省しなければいけない」と課題も挙げた。この階級に出場したもう一人の折木千春(3年 愛知・中京大附中京高)は1回戦敗退した。

◆《女子78㎏級・優勝 泉真生(3年 千葉・木更津総合学園高)》
実力がありながらなかなか国内の頂点に立てなかった泉真生がついに栄冠を掴んだ。「素直にうれしいです」と声を弾ませた。1回戦、2回戦とも技ありから寝技に持ち込み1本勝ち。準々決勝では、実力が拮抗した東海大の選手に主導権を握ろうと攻めるも、一進一退の攻防が続き4分間の時間内でも決着が付かずGS(ゴールデンスコア)の延長戦、決め手がないまま1分40秒。相手の隙を見切り、一瞬の小外刈りが決まり勝利、準決勝に進んだ。準決勝は、前大会2回戦で敗れている鈴木伊織(環太平洋大)との因縁対決。絶対負けられない泉は粘りに粘り指導2を奪い勝利。決勝戦は、前大会優勝者・山中満紀(4年 岐阜・大垣日大高)を2回戦で破った友清あかり(環太平洋大)。泉は終始攻め込み主導権を握る展開に、中盤相手が指導3を受け、泉が1本勝ちを収め初優勝を飾った。泉真生選手は「準決勝、決勝は投げることが出来ませんでしたけど、どんな勝ち方でも勝ちに行けたのが良かったです。大学に入って国内大会で初めての優勝です」と喜びを語った。

◆《63kg級・準優勝 佐藤史織(3年 大阪・愛媛新田高)》
前へ、前へ、小気味良い柔道が身上の佐藤史織。団体戦で山梨学院の躍進の原動力としての活躍や今年2月に行われたヨーロッパオープンソフィア大会で優勝。めきめき頭角を現してきた。前大会では2回戦敗退の不覚を取り、この大会に懸ける意欲は並々ならぬものがあった。1回戦、横四方固めで1本勝ちを収めると2回戦GSを耐え抜き勝利。準々決勝は、残り1分、持ち味の素早い動きと切れで背負い投げを繰り出し技ありで準決勝に勝ち上がった。準決勝も互いに激しい攻防を繰り返すも譲らず、GSに突入。再び佐藤が我慢強く攻めることによって、相手に指導を与え勝利を奪った。決勝戦は、8月のユニバーシアード同級で金メダルを獲得した能智愛衣美(筑波大)。序盤から組手争いで主導権を握ろうと応酬。一進一退が続きこの試合もGSに突入した。これを機に相手がプレッシャーを掛け始め、指導3を奪われ、佐藤は無念にも優勝をさらわれた。実力差は感じなかったゆえに惜しい敗戦だった。佐藤史織選手は「悔しいです。相手は強い人ばっかりだったので一戦一戦自分の柔道ができたらいいなと思いやっていました。決勝のGSで相手の上手さについていけませんでした」と涙をこらえて語った。「団体は優勝に貢献できるように。講道館杯は優勝を狙っていきます」ときっぱりと宣言した。同階級の瀬戸口栞南(1年 長崎明誠高)は準々決勝で敗れたがベスト8と健闘した。
その他の女子勢は、78㎏超級に出場した蓮尾沙樹(3年 福岡・山口西京高)、岡田実咲(2年 広島・広陵高)は、初戦で敗退した。

試合後、山部伸敏女子監督は「入賞者がもう少し出て欲しかったというのが本音ですが、この大会で狙ったから優勝できるか、結果がでるかというとなかなか甘くはないです。その中でよく優勝の二人は自分の力を出してくれました。佐藤も最後は負けましたが、全体的には攻めるいい試合をしてくれました」と評価した。明日の試合について、「ほとんど差がないから僅かな差をどう勝ちに持ってこれるか。今までやってきた攻める柔道を出来るかがポイントになるでしょう」と語った。

山梨学院勢の男子は、60㎏級の梅北亘(3年 大阪・京都共栄学園高)はベスト16。鈴木武蔵(3年 山形・東海大山形高)1回戦、66㎏級は出場者なし。73㎏級宍戸諒真(3年 京都・和歌山箕島高)は2回戦、81㎏級中村光樹(2年 山梨・岡山作陽高)、焼谷風太(1年)は2回戦、三輪龍志(3年 愛知・大成高)は1回戦敗退した。

この大会で5位以上(ベスト8)になった選手には、柔道日本一を決める11月の「講道館杯全日本柔道体重別選手権」の出場権が与えられる。初日は女子4人が出場権を獲得した。
明日、2日目最終日は男子90・100・100㎏超級の重量級と女子48・52・57㎏級の軽量級、男女各3階級の戦いが行われる。

文(K.F) カメラ(平川大雪) 2017.9.30