山梨学院パブリシティセンター

HOME

山梨学院パブリシティセンターニュースファイルイメージ画像

●全日本学生柔道体重別選手権大会 最終日
~女子57㎏級出口クリスタ満足の2連覇達成~
~52kg級柴田紗希はライバルに敗れ3位~

「平成29年度全日本学生柔道体重別選手権大会(男子36回・女子33回)」の2日目最終日が10月1日、東京・日本武道館で行われた。個人戦の学生日本一を決める大会2日目に山梨学院大学からは男子9人、女子9人が出場した。最終日は男子が90・100・100㎏超級の重量級、女子は48・52・57㎏級の軽量級の男女各3階級の戦いが行われた。この内、57㎏級の出口クリスタ(4年)が昨年に続き優勝の栄冠に輝き2連覇を達成した。52㎏級では柴田紗希(4年)が3位に入賞。山梨学院からは2日間を通して優勝者3人、準優勝者1人、3位1人が表彰台に上った。女子は、ユニバーシアード金メダリスト48㎏級梅北眞衣(1年)の初優勝、52㎏級米田愛理子(4年)の2連覇が期待されていたが、叶わなかった。梅北は1回戦敗退、米田はベスト8に留まった。その他、57㎏級では枠谷菜々(2年)がベスト8。前大会でともに3位になった月野珠里(4年)、谷川美歩(2年)は2戦目で敗れベスト16となった。52㎏級益子楓彩奈(4年)もベスト16、48㎏級の藤山未来(2年)は1回戦で敗れた。一方9人出場した男子は、春日良太(4年)、渡邊大樹(4年)、加藤慎之介(2年)の3人が2回戦敗退。6人が1回戦敗退した。

◆《女子57㎏級・優勝 出口クリスタ(4年 長野・松商学園高)》

1年、2年は3位。前大会で同門対決に勝利し初優勝した出口クリスタは、今大会も貫禄すら感じさせる試合運びで初戦を大外返しで1本勝ち。2回戦は、残り30秒に相手が仕掛けた技を返し寝技に持ち込むと横四方固めで相手を20秒間押さえ込み1本勝ち。準々決勝も終盤時間がなくなったところで得意の巴投げの技ありで順調に準決勝に進出。ここでも中盤に巴投げが炸裂。決勝に駒を進めた。決勝の4分間のドラマが始まった。2階席からチームメイトの「クリスタ頑張れ!」の声援が飛ぶ。互いに組手争いでチャンスを窺い、技を仕掛ける。真っ向勝負の一進一退の攻防が続く。残り1分を切り勝負を懸けた。「そこを逃したらこの後絶対にきついと思ったので苦し紛れだったですけど最後まで相手が背中つくまで追えたのが良かった」と残り15秒に起死回生の大外刈りの技ありを奪い、試合終了。優勝を飾り、2連覇を成し遂げた。出口クリスタ選手は「多少のプレッシャーは感じたのですけど、もっとすごい時もあったので今回は、割と気楽に肩の力を抜いて出来ました。試合もガチガチにならずに今日は結構いい試合ができたと思います。4年生最後の試合で昨年優勝して連覇を狙うというよりも、自分は山梨学院の胴着着て出る最後の試合なので、追われるものというより4年生最後を楽しんでいこうという感じで臨みました」と語り、今大会を最後に父親の母国のカナダ代表として日本で活動。国際大会に出場するという。「これが最後かと思うとちょっとさびしい」と笑みを浮かべた。

◆《52㎏級・3位 柴田紗希(愛知・東大阪大敬愛高)》

1回戦をGS(グランドスラム)の延長戦を制すると、「いつものように初戦は身体がガチガチで、その中で冷静に考えて柔道できたから最後、大外に来たのを返せたかなと思います」と流れに乗ると。その後の2回戦は大腰で技あり、3回戦は前半に豪快な内股の1本勝ちで順調に準決勝に進んだ。準決勝は関東大会準優勝したとき、準決勝で勝利した相手。試合は、支えつり込み足で投げられ完敗、決勝進出はならず3位に終わった。柴田紗希選手は「相手は寝技を警戒していて自分はさらに上を目指して組み勝って投げるという作戦を考えたのですけど、組み勝つには奥襟を持たなければいけないから奥襟を持つタイミングを見計っていたら、その隙を突かれた」と準決勝の試合を振り返った。悔しさを表し、「昨年同級生の米田が優勝しているのでそれに繋げたかった。昨日も二人優勝者が出ているので自分も続きたかったです」と話し、「1ヵ月後の体重別団体のメンバーにも選ばれているのでチームの代表としてこの負けを活かして日本一に導いていきたいと思う」と決意を新たにしていた。

この日の山梨学院は男女合わせて表彰台に上ったのは、出口、柴田の二人。その他の選手は、女子は、8月に台湾で行われたユニバーシアード金メダリストで10月18日、クロアチアで開幕する世界ジュニア柔道選手権日本代表に選出された48㎏級梅北眞衣(1年)の初優勝と52㎏級米田愛理子(4年)の2連覇が期待されていたが、叶わなかった。梅北は今大会優勝した選手に1回戦、米田は3回戦で敗れベスト8。他に、57㎏級では枠谷菜々(2年)がベスト8。前大会でともに3位になった月野珠里(4年)、谷川美歩(2年)はベスト16で終わった。52㎏級益子楓彩奈(4年)もベスト16、48㎏級の藤山未来(2年)は1回戦で敗れた。一方9人出場した男子は、100kg級の春日良太(4年)と渡邊大樹(4年)、90㎏級加藤慎之介(2年)の3人が2回戦敗退。100㎏級町屋匡樹(3年)、中尾旭(2年)、100kg超級の柳原尚弥(3年)、中元岳(3年)、徳田大地(2年)、西田将樹(1年)の6人が1回戦敗退した。
この大会で5位以上(ベスト8)になった選手には、柔道日本一を決める11月の「講道館杯全日本柔道体重別選手権」の出場権が与えられる。山梨学院大から2日間を通して女子9人が出場権を獲得した。

試合後、山部伸敏女子監督は「疲れました。もっと疲れたかったんですけど今日は。その前に終わってしまった試合が多くて残念というか勝たせられなかったというのが非常にあります。今日は結果的には完敗です。負けた選手はこれを重く受け止めなくてはいけない。今大会は欲を言えば優勝をもう一つ、二つ。今までで4つが最高だったのでそれを越えたかったです。今のチーム力からすればそれは出来たはずだったですが、結果的に僅かな差を勝ちきれなかった部分がそういう形になりました。ベスト4以上の入賞者もはっきり言って少なかったです」と燃焼不足の大会を振り返る。最後に「彼女たちの目標は体重別団体に勝って二冠を取ることです」。大会を目前に控え、いかにチーム力を引き上げるか、すでに闘将の頭の中は巡り始めている。

文(K.F) カメラ(平川大雪) 2017.10.1