山梨学院パブリシティセンター

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●山学短大「第38回木犀の会」で芸術鑑賞
~創立者の“建学の精神”を学生・教職員が確認~
~一流音楽家の“本物”に触れ、芸術の秋を堪能~

山梨学院短期大学は10月4日、山梨学院創立者・故古屋眞一初代学院長、故古屋喜代子初代学長の建学精神を学ぶ「第38回木犀の会」(もくせいのかい)を山梨学院メモリアルホールで行った。会の名称は、古屋喜代子学長の忌日が、木犀の香りがただよう頃であったことと、謙虚で温かい人柄を偲ばせる花であることから名づけられた。亡くなられた翌年1980年10月4日から毎年開催されている。「学生が自らの道を切り開くためには、この世にある“真・善・美”に限りない憧れを持つことが大切」という初代学長の教えから、この日を芸術鑑賞の日としている。山梨学院メモリアルホールで行われた「木犀の会」の初めに山内淳子短期大学長が「皆さんの母校の山梨学院短期大学がどのような大学なのか一年に一度皆さんと一緒に確認させていただきたい」と話しかけ、プロジェクターを使用し、創立者の“建学の教え”や短大の歴史を説明した。続いて芸術鑑賞を行い、今年度は、ソプラノ歌手の三縄みどり氏とピアニストの東誠三氏を招き、深い透明感のある歌声と多彩な音色から紡ぎだされるピアノの独奏を鑑賞した。三縄みどり氏は数々のオペラに主演、オペラコンサートでも多数のオペラにも出演、高い評価を受けている。また、唱歌・童話・日本歌曲によるリサイタルを各地で開くなど幅広く活躍する。東誠三氏は、ヨーロッパや北米などでのリサイタルや国内の主要オーケストラとの共演やソリストとして幅広く活動している。メモリアルホールを埋めた短大生と教職員は二人の音楽家が醸しだす豊かな情感を堪能していた。

山梨学院短大45号館南側の川沿いには、6本の金木犀と7本の銀木犀が植えられている。10月4日の「木犀の会」当日には、銀木犀はほぼ花を落としていたものの、金木犀はたくさんの花をつけ芳香を漂わせていた。午前10時に始まった木犀の会第一部は、まず、山内淳子短期大学長は「皆さんが大事な青春時代を過ごす場所として、山梨学院短期大学を選んでいただいたことに本当にうれしく感謝しています。今日の“木犀の会”は、これから先ずっと皆さんの母校となる山梨学院短期大学がどのような大学なのか一年に一度皆さんと改めて一緒に確認させていただきたい」と学生たちに話しかけた。「山梨学院は終戦の翌年、焼け野原になった甲府の地に誕生しました。山梨学院の創立者はこの情景を目にした時、この苦難を乗り越えるためには、若い人の教育しかない、学校を作ろうと決意したのです」とプロジェクターを使い山梨学院の歩みを辿り、さらに古屋眞一学院長、古屋喜代子初代学長が、『教育によって祖国を、郷土を蘇らせよう』と取り組んだ山梨学院創立の強い決意や建学の精神を説いた。また、古屋喜代子学長が1979年木犀の花の香る10月4日に亡くなった翌年のこの日から“建学の精神”を訪ねる会として「木犀の会」が始まったことを説明。「学生が自らの道を切り開くには“真・善・美”に限りない憧れを持つことが大切。そして本物の素晴らしい芸術こそが学生に相応しい」という初代学長の教えから、この日を芸術鑑賞の日としている。山内学長は講和の最後として「学生の皆さんが山梨学院を母校とし、智と情と勇気をそなえ、実践を貴んで、社会に貢献していかれることを心から願っております」と結んだ。

第二部のクラッシックコンサートは、オペラ歌手の三縄みどり氏、ピアニストの東誠三氏を招いて行われた。三縄みどり氏は、ソプラノのオペラ歌手として「フィガロの結婚」、「椿姫」、「カルメン」、「ドン・ジョバンニ」などの数々のオペラに主演。オペラコンサートではソプラノソリストとしてNHK交響楽団や東京都交響楽団をはじめ全国の主要オーケストラと共演、高い評価を受けている。また、唱歌・童話・日本歌曲によるリサイタルを各地で開くなど幅広く活躍をしている。ピアニストの東誠三氏は、日本国際、モントリオール(カナダ)、ポッツォーリ(イタリア)など、あまたの国際コンクールに入賞し、演奏活動に入る。これまでに、ヨーロッパ、北米などでリサイタル、オーケストラと共演。国内ではN響、東京都交響楽団を初め、全国の主要オーケストラにソリストとして招かれ好評を博してきた。コンサートは、三縄みどり氏のソプラノ独奏で始まり、初めに創立者古屋喜代子初代学長が好きだったといわれるグリーグ作曲「ソルヴェイグの歌」を披露。シューベルトの「アベ・マリア」、ヴァヴィロフの「カッチーニのアベ・マリア」、「アメイジング・グレース」などおなじみの歌曲や詩人で画家の星野富弘の詩に曲をつけた日本歌曲などを歌い会場に透き通ったソプラノを響かせ、聞く者を豊かな暖かさで包んだ。東誠三氏のピアノ独奏は、バッハ、ベートーヴェン、ショパン、ラフマニノフ、リストなどバラエティーに富んだ作品を選び、繊細で優美な音の世界に誘った。演奏終了後、学生を代表して保育科2年の望月佑太朗さん、食物栄養科栄養士コース2年の猪狩茜さんから二人の演奏家に花束が贈られ、それに応えてアンコールを行い大きな拍手を受けた。学生たちは“芸術の秋”に胸に残る貴重なひとときを過ごした。

望月佑太朗さんは「自分たちも子どもたちの前でピアノを弾いたり歌ったりするので“本物”に触れておくというのは、いい勉強になるし、人の前で作業することに活かしていけるのでいい勉強の機会になっています」と話し、猪狩茜さんは「クラッシックを聴く機会は余りなかったので自分の道というか幅が広がっていいと思います。こういう素晴らしい機会を設けてもらい本学の建学の精神を改めて知ることができ、さらに勉学に励みたいと思います」と話した。

また、この日はサザンタワー3階のレインボープラザに注がれた太陽光を5階の天井に虹色に映し出す演出を鑑賞できる日でもある。コンサートが終了する時間の12時05分に天気が恵まれた場合に見られるが、残念ながら今回は、朝から雲が低く垂れ込め昼になっても日差しが戻らず“建学の象徴”の虹は浮かび上がらなかった。

文(K.F) カメラ(平川大雪) 2017.10.4