●全国高校サッカー選手権山梨県大会 3回戦
~山梨学院は初戦を都留と対戦し7対1で勝利~
~主将・加藤の豪快ヘッドなどで得点を重ねる~
第96回全国高校サッカー選手権大会山梨県大会は10月15日、各高校のグラウンドを会場に3回戦が行われた。第2シードの山梨学院高は3回戦からの登場でホーム・山梨学院和戸サッカー場で都留高と対戦した。試合は前半序盤から山学がボールを支配するも、都留の守備重視の布陣に阻まれ、得点できない時間が続く。前半21分、DF天野祐介の右サイドからのクロスをFW加藤拓己が頭で合わせ、山学が先制。山学は、前半ATにMF天野菖梧が2点目を追加し、前半を折り返す。後半に入っても山学ペースで試合は進み、後半7分にFW和田悠世、10分にはMF天野、17分にはFW宮崎純真が得点し、試合は5対0に。しかし、山学は23分にカウンターで攻められ、失点。山学イレブンは、主将・加藤を中心に声を出し合い、攻撃を組み立て直し、29分にFW加藤自身がヘッドで6点目。さらに後半終了間際にはFW廣瀬錬哉のヘッドで7点目を決め、試合終了。山学は、序盤に我慢の時間が続いたものの、都留に7対1で勝利し、準々決勝進出を決めた。
山梨学院高校サッカー部は、昨年から川崎フロンターレU-18元監督の安部一雄監督がチームを指揮。昨シーズンは県総体・インターハイ県予選ともに2位と決勝で涙をのんだものの、選手権予選ではこの悔しさを糧に2年ぶり5度目の全国出場を決め、全国でもベスト16に駒を進めた。今シーズンは昨年度の選手権予選で全試合得点を決め、ストライカーとして躍動したFW加藤拓己が主将に就任。自身はシーズン前半は怪我で満足いくプレーができなかったものの、U-18日本代表にも選出され、8月に静岡で行われたSBSカップ国際ユースサッカーで山学勢として初めて日本代表ゴールを決めるなど順調な仕上がりをみせている。昨年度の選手権本戦を怪我で欠場し、2年分の思いを込め たエース加藤を軸に2連覇をかけた熱い戦いが始まった。
第96回全国高校サッカー選手権山梨県大会 ≪山梨学院高VS都留高≫(10/15)山梨学院和戸サッカー場 |
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○ 山梨学院高 7 | 前半 2-0 後半 5-1 |
1 都留高 ● |
山学得点者:加藤拓己2、天野菖梧2、宮崎純真、和田悠世、廣瀬錬哉 |
試合は雨の中、都留ボールで始まった。前半序盤から山学がボールを支配するも、都留は守備重視の布陣で付け入る隙を与えず、山学はゴールが遠く、得点できない時間が続く。山学はFW加藤拓己(3年)の飛び出しやサイドチェンジからのアーリークロスなどで徐々に攻撃のリズムを作っていく。試合が動いたのは前半21分。DF天野祐介(3年)の右サイドからの高いクロスをFW加藤が空中戦を制し、豪快なヘッドで先制。その後は攻撃の手を緩めず、前半アディショナルタイムにはDF天野のグラウンダークロスをゴール前につけたMF天野菖梧(3年)が合わせ、2点目を追加。後半に入っても山学ペースで試合は進み、後半7分にFW宮崎純真(2年)のシュートを途中出場のFW和田悠世( 2年)が押し込み3点目。その3分後には、DF天野の速く低いクロスをMF天野がダイレクトで合わせ4点目。17分には、FW宮崎が強烈なミドルシュートでネットを揺らし5点目をあげる。しかし、山学は23分にカウンターで攻め込まれ、GK大嶌宏汰(3年)が飛び出し、一度は防いだものの空いたスペースを突かれ、失点。山学イレブンは、主将・加藤を中心に声を出し合い、攻撃を組み立て直し、29分にMF増村有哉(3年)の左からのFKをFW加藤が頭で合わせ、6点目。さらに後半アディショナルタイムにはDF森田和樹(3年)の左からのクロスを途中出場のFW廣瀬錬哉(3年)が頭で合わせダメ押しの7点目を入れ、試合終了。山学は、序盤に我慢の時間が続いたものの、都留に7対1で勝利し、準々決勝進出を決めた。
試合後、選手を前に安部一雄監督は「素早いリスタートができなかったり、ボールが外に出た時などに休んでしまったり、集中力を切らしたりそういう時間帯がまだある。上に行けば行くほど、強い相手になればなるほどそういう所に付け込まれる。声は出るようになってきたけどもっと出せる。これからきょう以上に気を抜けないゲームになってくる。みんながちゃんとやって1週間準備しよう」と語りかけた。また、取材に対し「(選手には)迫力を持って元気よくやってもらいたい。そこができれば持っている力は出せると思う。元気が出ず、淡々とやっているようでは、結果は出てこないと思う。きょうは声も出せていたが、これがどんな相手でも、リズムが悪い時でも声を出して迫力を持って跳ね返せればチームは変わっていくと思 う。今年は加藤中心のチーム。去年よりは選手層は厚くなっていて、去年に比べて(攻撃の)オプションがあり、これからはさらに力のある相手が出てくるので、相手を見て、ウチの強みを出していきたい」と述べた。加藤拓己主将は「得点は入ってもまだまだ物足りない部分はあります。失点の場面でも、もっと声を出して隙の無いサッカーをしなければこれから上に行くにつれて、ああいう一つのプレーがチームにとって大きな痛手になると思います。きょうの試合は、収穫より課題の方が多かったので1週間かけて見つめ直す必要があります。この課題に向けて全力で取り組んでいけば、結果はついてくると思います」と語り、さらに「チームとしてMリーグから失点ゼロを目指してやってきて、Mリーグは無失点で優勝でき、きょう失点してしまい、もっとゼロにこだわって、誇りを持って意識してやらなければいけない」と決意を新たにした。
山学は次戦・準々決勝を10月21日に日本航空高校グラウンドで東海大甲府高と10時30分キックオフで対戦する。山学が2年連続の選手権出場に向け頼れるエース・加藤を中心に走り出した。
文(Y.Y)、カメラ(藤原 稔)2017.10.15