●全国高校サッカー選手権山梨県大会 準々決勝
~山梨学院は東海甲府に5対0で勝利しベスト4進出~
~初スタメンの1年生・平松が均衡を破り勝利に貢献~
第96回全国高校サッカー選手権大会山梨県大会は10月21日、準々決勝が行われ、昨年の覇者・山梨学院高は日本航空高校サッカーグラウンドで東海大甲府高と対戦した。試合は前半序盤から両校の力は拮抗し、一進一退の攻防が続く。均衡を破ったのはこの日初スタメンの1年生MF平松柚佑。前半14分、右CKがゴール前で混戦となり、浮き球をMF平松が頭で押し込み先制。その後は追加点が入らず我慢の時間や、攻め込まれ危ない場面が続いたが、山学守備陣が献身的なプレーでゴールを守り切り、1対0で前半を折り返す。後半に入っても、激しく攻守が入れ替わる展開。後半18分、DF天野祐介のクロスをMF天野昌梧が頭で合わせ2点目。追加点が入ったことで、山学イレブンは硬さが取れ、22分にはFW宮崎純真のドリブルシュートで3点目。33分には同じくFW宮崎が4点目。36分にはFW加藤拓己が打点の高いヘッドで5点目を入れ、試合を 決めた。山学は、最後まで集中力を切らさずゴールを守り抜き、5対0と無失点で勝利し、2週間後の準決勝に駒を進めた。
山梨学院は、初戦・3回戦を都留高と対戦し、U-18日本代表の加藤拓己主将を中心に、終始山学ペースで試合を進め、7対1と大勝。対する東海大甲府は初戦・2回戦を吉田高と対戦し8対0、3回戦を甲府西高と対戦し12対0と2試合とも大量得点・無失点で勝利を収めている。一方、県総体・IH予選ともに東海はベスト8まで進出しており、山学にとって厳しい試合運びが予想された。
第96回全国高校サッカー選手権山梨県大会 準々決勝 ≪山梨学院高VS東海大甲府高≫(10/21)日本航空高校サッカーグラウンド |
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○ 山梨学院高 5 | 前半 1-0 後半 4-0 |
0 東海大甲府高 ● |
山学得点者:平松柚佑、天野菖梧、宮崎純真2、加藤拓己 |
前半の立ち上がりは両校の力が拮抗し、一進一退の攻防が続き、山学は、東海の個人技を活かしたパス回しやカウンターで度々攻め込まれる苦しい展開。攻撃面では、FW加藤拓己主将(3年)が声を出し、仲間を鼓舞し度々東海ゴールに攻め込むも決定機に欠き、得点に結びつかない。この試合、先制したのは山学。前半14分に右からのCKにゴール前で混戦となり、浮き球をこの日初スタメンの1年・平松柚佑(MF)が頭で押し込み先制。MF平松は鹿島アントラーズつくばジュニアユースの出身でFW加藤の後輩。平松は練習環境や加藤らアントラーズつくばの先輩を慕って山学に進学した。先制点の直後もFW加藤が積極的に声を出し、高い集中力を保っていたが、25分過ぎから再び我慢の時間が 続く。右サイドを度々突破され、ゴール前にクロスが入り、危ない場面が続いたが、GK大嶌宏汰(3年)やDF陣の献身的な守備でゴールを守り切り、1対0で前半を折り返す。後半に入っても一進一退の攻防が続き、激しく攻守が入れ替わる展開。後半18分、DF天野祐介(3年)のクロスをファーサイドに走りこんだMF天野昌梧(3年)が頭で合わせ2点目。追加点が入ったことで、山学イレブンは硬さが取れ、攻撃のテンポが整い始める。22分には、FW宮崎純真(2年)がゴール前までドリブルで持ち込みシュートし3点目。33分にはゴール前につけていたFW宮崎がこぼれ球を押し込み4点目。36分には途中出場のDF保坂紘生(2年)のクロスをFW加藤が打点の高いヘッドで5点目を決め た。山学は、後半終盤に声が出ず、連携が乱れる場面があったが、最後まで集中力を切らさずゴールを守り抜き、5対0と無失点で勝利し、ベスト4・準決勝進出を決めた。
試合後、安部一雄監督は「決して良い内容ではなかった。点が入るまでは全体的に硬かった。加藤を中心に高さではうちの方が上だったが、パススピードなど足元の技術は東海さんの方が上で、非常に良かった。ブロックを作って守ることが課題になったが、終盤は最終ラインが頑張り、守れていたが、中盤では離される場面が多かった。(先制点を決めた平松は)非常に粘り強く、球際が良い。今週1週間良かったので、メンバーに加えました。得点も加藤や宮崎だけでなく、色々なポジションから点が取れたので良かった」と試合を振り返り、次戦に向け「これから厳しい戦いが待っている。もう一度基礎から見直し、1対1の対応の所を強化したい。また、高さの部分でも鍛え直したい」と語った。先制点を決めた平松柚佑選手は「最初は緊張していたが、先輩たちに助けてもらって自分のプレーができたので良かったです。先制点を入れることができて凄く興奮しました。次も出場できれば、守備をしっかりとやって点も狙っていきたいです」と喜びや抱負を語った。加藤拓己主将は「無失点で勝利できたことは収穫です。基礎技術や絶対的な仕事の部分で課題はあるので全員ができるようにしなければいけないと思います。初スタメンの平松は緊張していたが、声はしっかり出ていました。1年生が結果を残したことで、上級生も頑張らなければいけないという気持ちになり、きょうは平松の存在は大きかったです。苦しい状況で点が入り、流れも変わり、平松のあのゴールがきょうの勝利に結びついていると思います」と試合を振り返った。準決勝に向け「この2週間で一つ一つのことにこだわりを持って、山梨学院らしいサッカーができるように準備したいです。最終目標は全国で前回のベスト16を超え、埼玉スタジアムで総監督や監督を胴上げすることなので 、技術はもちろん気持ちの部分で突き詰めていきたいです」と力強く語った。
山学は次戦・準決勝を2週間後の11月11日に山梨中銀スタジアムで日本航空高と13時45分キックオフで対戦する。全国の舞台まであと2つ、ピッチの選手だけでなく、スタンドにいる仲間とともに心は一つに勝利を掴み取る。
文(Y.Y)、カメラ(藤原 稔)2017.10.21