●全国高校駅伝山梨県予選2017
~山梨学院男女が全区区間賞の完全優勝達成~
~男女ともに17回目の“都大路”出場権獲得~
男子第68回・女子第29回全国高校駅伝競走山梨県予選(兼関東高校駅伝競走県予選)が10月28日、富士河口湖町・西湖畔周回コースで男子は7区間42.195km、女子は5区間21.0975kmで行われた。この大会は、12月の全国大会と11月の関東大会の県予選を兼ねて行われ、男子18校、女子13校が出場。男子は、山梨学院高が1区をトップで通過すると、その後も全員が区間賞の走りで昨年の優勝タイムを1分以上縮め、2時間10分28秒の完全優勝で7連覇を果たし、17回目の全国大会出場を獲得。一方の女子も、1区をトップ通過すると後続も1位を堅持し、男子同様に昨年の優勝タイムを1分以縮め1時間12分19秒の完全優勝でゴールし、9年連続17回目の全国切符を獲得した。県予選の結果を受け、男女とも上位6校が11月18日に本県で行われる関東大会に出場し、優勝した山梨学院男女が県代表として12月24日に京都府京都市で行われ る全国大会“都大路”に出場する。
高校駅伝の祭典「全国高校駅伝競走大会」“都大路”の出場権をかけた山梨県予選が紅葉色付きはじめた西湖畔周回コースで行なわれた。今年は男子18校、女子13校が出場。県予選は全国大会の出場権の他に上位6校には関東大会の出場権が与えられ、今年の関東大会は山梨県開催となることから例年以上に熱い戦いが繰り広げられた。大会は台風22号やそれに伴う秋雨前線の影響もあり、雨の中でのレースとなった。
■男子
男子は午前10時20分に西湖レストハウス前駐車場をスタート。今年は一部区間でコースの変更が行われ、ゴールは根場民宿組合前。1区を任されたのは、昨年の都大路5区で区間5位と好走し、今夏のインターハイにも出場した矢島洸一(3年)。矢島はスタート直後に抜け出すと徐々に後続を引き離し、2位の韮崎に1分16秒差をつけトップで襷を2区・安東竜平(2年)にリレー。安東は区間賞タイの走りでさらに差を広げ、3区で主将の八重畑龍和(3年)に襷を繋ぐ。八重畑は主将として気持ちの入った走りで2位との差を3分以上広げ、4区・加藤聡太(1)に襷を託す。4区・加藤、5区・清水陽斗(2年)、6区・飯澤千翔(2年)も後続との差を広げ、首位を堅持し最後の襷は7 区・新井悠我(3年)へ。新井も最後まで独走態勢を崩さず、後続の2位韮崎に5分27秒差をつけフィニッシュ。山梨学院は一部昨年のコースと違うものの、昨年の優勝タイムを1分以上縮める2時間10分28秒で全員が区間賞の完全優勝で7年連続17回目の全国切符を獲得した。以下、3位農林、4位笛吹、5位富士河口湖、6位甲府第一と続いた。
【男子記録】7区間42.195km 優勝:山梨学院(7年連続17回目) | |||
区間 | 選手名(学年) | 区間タイム(順位) | 総合タイム(順位) |
1区(10km) | 矢島洸一(3) | 30′39(1) | 30′39(1) |
2区(3km) | 安藤竜平(2) | 9′19(1) | 39′58(1) |
3区(8.1075km) | 八重畑龍和(3) | 24′41(1) | 1:04′39(1) |
4区(8.0875km) | 加藤聡太(1) | 25′41(1) | 1:30′20(1) |
5区(3㎞) | 清水陽斗(2) | 9′25(1) | 1:39′45(1) |
6区(5㎞) | 飯澤千翔(2) | 14′42(1) | 1:54′27(1) |
7区(5㎞) | 新井悠我(3) | 16′01(1) | 2:10′28(1) |
男子の1区を任され、チームの流れを作った矢島洸一選手は「濡れたマンホールなどの路面状況や後続選手の息遣いなどを感じ取れ、落ち着いて走ることができ、設定より速めの入りでしたが、後続を引き離すことができました。ゴール後もまだ走れるだけの力は残っていて、設定上のペースで走れ、自分の仕事は果たせたので良かったです。関東では、地元開催なので、他県より地の利の面で有利なので優勝を目指したいです。ここからさらに気持ちを引き締めて頑張れば、入賞圏内に返り咲けると萩倉先生には言われているので、上を目指して頑張りたいです」と話した。3区で後続に3分以上の差をつけた八重畑龍和主将は「今年は1年生に力があり、チーム力の底上げがされ、2年生を含め上級生に波及し、選手層も厚くなりタイムも伸びてきています。自分は長距離区間を任されることが多く、きょうは単独走になることが予想されていて、自分の悪い点は余裕が出ると無駄に体力を消耗する走りをしてしまうので、走り方に注意してレースに臨みました。西湖のコースは初めてでしたが、関東は地元開催なので、しっかりと練習を積み、区間賞を取りチームに貢献できる走りをしたいです。都大路では、他校との留学生やエースが相手になることが想定されるので、1秒でも離されずくらいついてチームが8位入賞に戻れるように貢献したいです」と関東・全国に向け意気込みを語った。
■女子
女子は10時30分に男子と同じく西湖レストハウス前駐車場をスタート。ゴールは男子同様一部区間でコース変更が行われ根場民宿組合前となった。山学女子の1区は、8月の高校選抜大会女子5000mを大会新記録で優勝し、今月の愛媛国体の陸上少年女子A3000mで3位に入り、日本人高校生歴代3位をマークした小笠原朱里(2年)。小笠原はスタート直後に韮崎と抜け出し、1km手前で韮崎を引き離すと先頭を独走し2位に1分27秒の差をつけ、2区・森野純夏(3年)に襷をつなぐ。森野は公認記録会を含め、今シーズン初レースで、小笠原の勢いそのままに、区間賞の走りでさらに後続との差を広げ、襷は3区・古賀華実(2年)に。3区・古賀、4区・伊藤夢(1年)も首位 を独走し、区間賞で最後の襷は主将の5区・眞田ひまり(2年)。眞田は1区の小笠原同様昨年の都大路を経験しており、区間賞の安定した走りで後続との差を4分21秒にまで広げ、最後は両手で9連覇の「9」を表現し、笑顔でフィニッシュテープを切った。山梨学院は男子同様に昨年と一部コースが違うものの、昨年の優勝タイムを1分以上縮める1時間12分19秒の完全優勝で9年連続17回目の全国大会出場を決めた。以下2位韮崎、3位笛吹、4位甲府昭和、5位甲府第一、6位北杜と続いた。
【女子記録】5区間21.0975km 優勝:山梨学院(9年連続17回目) | |||
区間 | 選手名(学年) | 区間タイム(順位) | 総合タイム(順位) |
1区(6km) | 小笠原朱里(2) | 19′42(1) | 19′42(1) |
2区(4.0975km) | 森野純夏(3) | 14′01(1) | 33′43(1) |
3区(3km) | 古賀華実(2) | 10′26(1) | 44′09(1) |
4区(3km) | 伊藤 夢(1) | 10′51(1) | 55′00(1) |
5区(5㎞) | 眞田ひまり(2) | 17′19(1) | 1:12′19(1) |
レース後、1区を走った小笠原朱里選手は「1区として2位と差を広げることができ、去年より大幅に早いタイムで来られたので、自分の力は出せたと思います。ただ、コースの位置取りや体のコンディショニングの面で課題はあります。次は関東大会を西湖でやるので、地元で負けられないので、きょうのことを活かしてきょうより速いタイムで区間賞を取り、流れが作れる走りができるように頑張りたいです。また、都大路では、区間賞に挑戦したいです」と述べた。眞田ひまり主将は「無事に走り終わり、優勝できて良かったです。タイムを狙って後のことは考えずに思いっきりいこうと思っていて、最初は設定通りでしたが途中で少し落ちてしまったのがもったいないなと思います。レースで5区を走ったのは初めてで、ゴールに近づくにつれて応援も増えてきて凄い気持ちが良かったです。いつもは設定タイムに届かなくなると気持ちで負けてしまうのですが、きょうは最後まで粘って最後はペースを上げてゴールすることができました」と自身のレースを振り返り、「(チームとしては)今まで朱里(小笠原)に頼りすぎていた面があるので、最近は各選手に自覚も出てきたので、全国までは、より自覚が持てるようにしていきたいです。また、自分は去年の全国の経験があるので、その経験を活かしてチームの戦力になるように貢献したいです」と語った。
萩倉史郎総監督は「男子は各区間きちっと走れていました。今年は矢島や八重畑などの3年生がチームを引っ張り、真面目にコツコツやっています。3年生がお手本になり、2年生も育ってきていて、1年生も真面目に努力し下から煽ってチームとして良い状況にはなっています。男子は1・2区で流れを作ることが大切で、矢島は最初硬いようでしたが、その後はリズムに乗って走れていて、2区の安東は緊張していましたが、良く走ったと思います。上田健太や市谷龍太郎が切磋琢磨していたように矢島と八重畑がお互いを意識しながら競い合い、それが4人、5人と増えてきているので、ここで伸びてくれれば来年も楽しみなチームになると思います。女子は小笠原がきっちりと後続を離し、その後もしっかりと 最後までつなげたと思います。森野がずっとケガをしていて、ここ最近調子があがってきて、きょうもまずまずの走りで、アンカーの眞田も無難に走れたので良かったです。伊藤も疲労骨折明けで出遅れていましたが、完全ではないが復調していて、良い動きをしていたので、これからあがってくると思います。一方で控えに回った選手の中には力のある選手もいるので、小笠原に迫るように頑張らないとチーム力としてはあがらないと思います。さらに、2年生は小笠原に頼ったり甘えたりする部分があり、1年生にも力がついてきている選手もいるので、自覚を持たなければいけないと思います」とレースやチーム状況を総括し、「関東は地元開催であり、地の利を活かして勝負して、男女ともに優勝して全国に 向けて勢いをつけていきたいです。男女ともに伸びしろは相当あり、12月に記録会も控えていますので、そこでの記録を見て、全国の目標を設定したいと思います」と述べた。
この日の結果を受け、男女とも山梨学院を含めた上位6校が11月18日に山梨県西湖(一部区間で県予選のコース変更あり)で行われる関東高校駅伝の出場権を獲得。さらに、山学男女は、12月24日に京都府京都市で行われる全国高校駅伝の出場権を獲得し、師走の都大路を駆け抜ける。
文(Y.Y)、カメラ(今村佳正、藤原 稔、小池裕太)2017.10.28