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第49回全日本大学駅伝対校選手権大会
~秋の伊勢路で27チームが日本一を競う~
~山梨学院9位でゴール。シード権失う~

「第49回秩父宮賜杯全日本大学駅伝対校選手権大会」が11月5日、愛知県・熱田神宮前をスタート、三重県・伊勢神宮前をゴールに8区間、全長106.8kmで競われた。シード校6校と全国8地区の選考会を勝ち抜いた19校、全日本大学選抜、東海学連選抜を加えた27チームが出場、葉が僅かに色づき始めた秋の伊勢路で大学駅伝日本一を競った。山梨学院大は前回大会で3位になりシード権を獲得、6年連続30回目の出場となる今大会で初優勝に挑んだ。1区は上田健太主将(4年)が前回大会同様流れを作る大役を担い起用された。ペースが速い展開に集団にいた上田は中間点前から遅れ出し、11位と出遅れた。花の2区の永戸聖(3年)も本来の力を出し切れず、順位を一つ上げるに留まった。続く区間も負の連鎖か、思い通りのレース展開ができずに13位で最終8区、エースのドミニク・ニャイロ(3年)に繋いだ。ニャイロは、区間賞の快走もシード権獲得には至らず、9位でゴールを切った。山梨学院は、来年は昨年以来の予選会からの出場になる。大会は神奈川大が20年ぶりの日本一を飾った。

今年で49回目となる「全日本大学駅伝対校選手権」は、先日行われた「出雲」、正月の「箱根駅伝」と並び大学三大駅伝と呼ばれている。全日本大学駅伝は全8区間106.8kmと距離も長く、スタミナと総合力が勝負の箱根駅伝を占う試金石とも言われる。山梨学院大は前回大会で総合3位となり今大会は、シード校として出場。10月に行われた箱根駅伝予選会は夏合宿の成果を見極めるために初出場の選手も起用し4位で通過、まずまずの手応えを掴んだ。今大会は、上田健太主将を初め5人の「伊勢路」経験者と3人の初出場者の布陣でシード権獲得と上位入賞を狙い、箱根での戦いに思いを馳せる。

午前8時0分。名古屋市熱田神宮前のスタート地点の気象は、晴れ、気温11.1度、湿度54%。北西の風2m。午前8時05分、号砲とともにシード校6校と全国8地区の選考会を勝ち抜いた19校、全日本大学選抜、東海学連選抜を加えた27チームが一斉にスタート。8区間で大学日本一を競う熱い戦いが始まった。スタート地点には各大学の応援団が陣取り母校の勝利を信じ、選手を送り出した。山梨学院も『応援部』を中心に多くの関係者が集まり熱い声援を送った。

1区、2区でレースの流れを作るため、1区ではどのチームもエース級を投入。山梨学院の1区は昨年区間6位とまずまずの役目を果たした上田健太主将(4年)。スタートともに留学生が速いペースでひっぱり日本人選手はそれにつく展開。上田は集団の中ほどに位置し、周囲を窺う。しかし留学生が仕掛ける揺さぶりに上田は6km付近から徐々に遅れ始め、中間点では12位と集団から置いていかれた。その後もペースは上がらず1位から1分32秒遅れの11位で次期日本人エースと目される永戸聖(3年)に襷を託した。永戸は小柄な身体ながら安定した走りが持ち味で差を縮めることが期待されるも、向かい風と2度の川越えのアップダウンに苦しめられた。順位は、一つ上げるに止まったが10位でシード争いに1分11秒差と十分狙える位置で3区久保和馬(3年)に繋いだ。3区はこのコースで最も短いスピード区間。久保は、箱根駅伝予選会では26位と好成績を挙げ、チームの箱根駅伝本戦出場権獲得に貢献。今大会も起用に応え順位を押し上げるべく果敢に挑んだが、区間10位、総合でも10位と変わらず。4区の市谷龍太郎(4年)は、怪我の影響で箱根駅伝予選会を回避し、久しぶりの駅伝に出場も、13位と順位を落とした。続く、5区清水鐘平(3年)、6区片山優人(3年)、7区河村知樹(4年)も順位を上げられずに最終8区ドミニク・ニャイロ(3年)にすべてを託した。この時点でシード権の6位までのタイム差は3分29秒。ニャイロはシード権獲得まで懸命に疾走し、差を2分33秒まで短縮し、9位まで順位を押し上げた。ニャイロは区間賞で一矢を報いた。残念ながら山梨学院はシード権を獲得できず、来年は予選会からの復帰を目指す。

■山梨学院大大会結果
◆第1区《愛知県・熱田神宮西門前~弥富市筏川橋西詰 14.6km》
◎上田健太(3年 山梨・山梨学院高) 44分56秒 [区間12位]
総合:44分56秒 [11位](OP参加を含まず)
◆第2区《弥富市筏川橋西詰~三重県・川越町高松 13.2km》
◎永戸 聖(3年 岩手・盛岡工業) 39分15秒 [区間10位]
総合:1時間24分11秒 [10位]
◆第3区《川越町高松~四日市市六呂見 9.5km》
◎久保和馬(3年 熊本・九州学院高) 28分07秒 [区間10位]
総合:1時間52分18秒 [10位]
◆第4区《四日市市六呂見~鈴鹿市寺家 14.0km》
◎市谷龍太郎(4年 山梨・山梨学院高)42分03秒 [区間16位]
総合:2時間34分21秒 [13位]
◆第5区《鈴鹿市寺家~津市上浜町 11.6km》
◎清水鐘平(3年 山梨・富士学苑高)   35分49秒 [区間16位]
総合:3時間10分10秒 [13位]
◆第6区《津市上浜町~松阪市曽原町 12.3km》
◎片山優人(3年 静岡・藤枝明誠高) 37分22秒 [区間13位] 
総合:3時間47分32秒 [13位]
◆第7区《松坂市曽原町~松阪市豊原町 11.9km》
◎河村知樹(4年 山梨・山梨学院高) 35分54秒 [区間14位]
総合:4時間23分26秒 [13位]
◆第8区《松阪市豊原町~伊勢神宮内宮宇治橋前 19.7km》
◎ドミニク・ニャイロ(3年 ケニア・メサビサビ高)57分06秒 [区間1位]
総合:5時間20分32秒 [9位]


レース後、上田誠仁監督は「この全日本の準備は、予選会を経てスピードの強化をしてきましたが、そこまで(シード)届かなかったですね。序盤で上位のレース展開から弾き出されたところから本来の走りを見失っていますから、それをどう取り返すかということをまずやらないと次の強化にならないです」と課題を述べた。1区で流れをつくれなかった上田健太主将は「状態としても良かったので区間賞狙って行こうという気持ちもあったのですけど、レース感覚とか、ペースの上げ下げに対応できなかったことは自分の弱さです。風も吹いていて身体が冷え、後半身体が動かなくなった自分が今回流れを絶ってしまいました。はずしてはいけないというプレッシャーにも負けたかなと思います。皆に迷惑をかけてしまいました」と涙をこらえ、無念さを滲ませた。「残るレースは箱根しかないので、そこではしっかり戦いたいです」と決意を新たにした。悪い流れを食い止めようと力走した永戸聖選手は「自分が前のチームとの差を縮めようと思ったのですけど、自分も流れを上手くつくれず終わってしまいました。予選会から全日本へのスピード移行が自分の中でできていなくて、個人走でスピードで押すことができずにタイムも悪くなってしまい悔しい思いです。今回の課題を箱根に活かしていきたい」と話した。シード権を獲得しようと懸命に前を追ったドミニク・ニャイロ選手は、報告会で「シード取れなくて悔しい」と述べた。箱根駅伝まで2ヶ月弱、どこまで課題を修正し、雄姿を山梨学院ファンに見せてくれるか期待したい。

今大会のシード権獲得校は、優勝・神奈川大、2位・東海大、3位・青山学院大、4位・駒澤大、5位・東洋大、6位・中央学院大となった。

文(K.F)カメラ(平川大雪・藤原 稔・Y.Y)2017.11.5