●第31回関東大学女子サッカーリーグ戦2部
~山梨学院大が東海大に3対0で勝利し2部優勝~
~創部4年目の完成年度で悲願の1部昇格を果たす~
第31回関東大学女子サッカーリーグ戦2部第9節が11月12日に行われ、現在首位につけている山梨学院大女子はホーム・山梨学院和戸サッカー場で暫定5位の東海大と対戦した。試合は、前半序盤から一進一退の攻防で山学は我慢の時間が続く。山学は、30分を過ぎるとサイドチェンジから縦に送り、ゴール前にもクロスが入り始め、徐々に試合の主導権を握り始める。43分には、左CKからの切り返しをFW三津山美有が決め、山学が先制。1対0で前半を折り返し、後半に入ると東海の攻撃に対応できず、山学は苦しい場面が続いたが、GK吉原桜花を中心とした守備陣が対応し、得点を許さない。後半17分にはDF前門桃香からのクロスにDF生沼奈央が反応し2点目を追加。37分 には主将のMF又吉果奈が決勝点となる3点目を決め、山学が3対0で勝利。勝ち点3を得たことで、残り1試合を残し、山学の2部初優勝と来季の1部昇格が決定した。試合後は、選手・スタッフが喜びを分かち合い、全勝優勝と来季の1部での戦いに向け、気持ちを新たにした。
山梨学院大サッカー部女子は2014年に創部。監督には、なでしこリーグ浦和レッズレディースでプレーし、栃木SCレディースの監督を務めた田代久美子監督を迎え、部員12人で始動した。創部1年目は3部からスタートし、2部・3部入れ替え戦で勝利し2部昇格。4年生まで揃い、完成年度を迎えた今年は、第1節の初戦で尚美学園大に3対1で勝利すると前節まで7連勝で勝ち点21の暫定首位に立っている。山梨学院は残り1試合を残し、2位と勝ち点差が6ついており、今節引き分け以上で優勝と1部昇格が決まる。悲願の2部初優勝・1部昇格に向け、山学にとって重要な1戦は東海のキックオフで始まった。
第31回関東大学女子サッカーリーグ戦2部 第9節 ≪山梨学院大VS東海大≫(11/12)山梨学院和戸サッカー場 |
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○ 山梨学院大 3 | 前半 1-0 後半 2-0 |
0 東海大 ● |
山学得点者:三津山美有、生沼奈央、又吉果奈 |
試合は、前半序盤から一進一退の攻防で山学は我慢の時間が続く。焦れずに攻撃のリズムを整えた山学は、30分を過ぎるとサイドチェンジから縦に送り、ゴール前にクロスが入り、徐々に試合の主導権を握り始める。43分には、DF佐藤諒子(3年・文京学院大女子高)の左CKをファーサイドでMF井原美波(3年・八千代松陰高)が切り返し、ゴール前にいたFW三津山美有(3年・藤枝順心高)のシュートで山学が先制。1対0で前半を折り返し、後半に入るとセカンドボールへの対応の甘さや東海の縦への早い攻撃に対応できず、厳しい場面が続いたが、GK吉原桜花(3年・藤枝順心高)を中心とした守備陣がゴールを守り抜き、得点を与えない。後半17分にはDF前門桃香(4年・糸 満高)からのクロスに途中出場のDF生沼奈央(2年・健大高崎高)が反応し2点目を追加。37分には左サイドからDF生沼、FW小山由梨奈(2年・二階堂高)と横にパスをつなぎ、最後は主将のMF又吉果奈(4年・東村山高-ASエルファン狭山)が決勝点となる3点目を決めた。山学は、その後も東海のカウンター攻撃などを耐え、3対0で勝利。勝ち点3を得たことで、残り1試合を残し、2部初優勝と来季の1部昇格が決定した。試合後はベンチ前に戻った選手たちを総監督や監督、交代選手が出迎え、喜びを分かち合い、監督や選手の目には光るものがあった。最後は部員全員で記念写真に納まり、残り1試合の勝利・完全優勝と来季の1部での戦いに向け、気持ちを新たにした。
試合後、田代久美子監督は「優勝が決まり、嬉しいというよりホッとしたのが正直な気持ちで、達成できて良かったです。昨年・一昨年と相手チームにカウンターで負けていて、守備からしっかり入ろうと選手には話をしていて、思った以上に上手くいかなかった部分もありましたが、1点取って前半折り返せたのは良かった点です。まだ1試合あるので、ここで集中を切らすことなく、しっかりきょうの試合を反省して勝ち点3を取って全勝優勝できるように次の試合に臨みたいです。これで1部が決まったので、来年1部で戦って上位に行くためにもそこにつながるゲームをしたいです」とさらなる抱負を語り、この4年間について「12人でこのチームは始まって、最初の公式戦は私も出て8人で戦ったこ とがスタートで、それが今、ここまで来たので4年生にとって集大成になったなと思います。4年生は何も無い所からスタートして3部から2部、2部から1部にと結果や財産を残し、卒業させてあげられるので良かったと思います」と回想した。創部から携わり、選手たちを温かい眼差しで見つめ、試合中も大きな声で選手を叱咤激励した横森巧総監督は「これまで内容で負けているゲームがあったので、きょうは守備から入り、無失点で勝てたのは成功だったと思います。セットプレーからの1点目が取れたことが大きく、我慢してからの得点で、選手たちには自信になりました。監督も選手もゼロからの出発で、4年で1部に昇格することができ、監督や選手は立派にやってくれて、選手を送ってくれたチームや高校にもお返しができたと感じます。1部は別格ですので、どこまで対応できるかですが、一つずつ積み上げていけば何かを得ることができると思います」と語った。創部時から主将としてチームの中心として活躍した又吉果奈主将は「試合中厳しい時間も長かったですが、前半を1対0で折り返せて、後半追加点が入れば絶対に勝てると思っていたので、後半の入りはチームとして集中して入りました。押し込まれている時間帯も多く、去年はそういう場面で失点することが多かったですが、無失点に抑えられたのは大きな収穫だと思います」と試合を振り返り、「勝ちはしましたが、改善点は多いので、改善をして、来週の試合も勝って2部全勝で完全優勝したいです。また、この1部昇格は通過点なので、来年からは1部優勝・インカレ優勝できるように後輩のみんなには頑張って欲しいと思います」と気持ちを新たにした。また、又吉主将はこの4年間について「凄く楽しくて、このチームが大好きで、このチー ムでキャプテンをやれて良かったなと思います。(なでしこLを経て)大学に入学してサッカーの基本から見つめなおし、1年生からキャプテンをやってきて苦しい時もありましたが、みんなと一緒にプレーすることで改めてサッカーの良さが知れました。卒業後はもう一度“なでしこ”でプレーしたいです」と話した。先制点でチームに活力を与えた三津山美有選手は「連戦が続き、コンディション面でも厳しいゲームでしたが、自分自身で1点決められたのは大きかったと思います。(1部昇格で)監督にこれまでの恩返しができたかなと思いますが、重要なのは1部での結果なので、まだ通過点だと思って今後も頑張りたいです」と述べた。
山梨学院は、2部最終戦を11月19日に順天堂大と順天堂大さくらキャンパスグラウンドで14時キックオフで対戦する。全勝での完全優勝まであと1つ。全部員が気持ち新たに今季リーグ最後の戦いに挑む。
文(Y.Y)、カメラ(藤原 稔)2017.11.12