山梨学院パブリシティセンター

HOME

山梨学院パブリシティセンターニュースファイルイメージ画像

●2017関東高等学校駅伝競走大会 山梨開催
~女子1区小笠原快走、復帰の森野も好走し優勝~
~男子は2位、惜しくも2連覇ならず。飯澤は区間賞~

平成29年度「男子70回・女子26回関東高等学校駅伝競走大会」が11月18日、山梨県を舞台に行われた。富士河口湖町・西湖をスタート・フィニッシュとする周回コースに男女ともに48校が出場。男子は7区間42.195km、女子は5区間21.095kmで関東1位を懸けて争った。山梨学院高は、10月28日に富士河口湖町西湖湖畔で行われた山梨県大会で男子は7年連続、女子は9年連続優勝、ともに17回目となる全国大会(都大路)出場権を獲得し、その試金石になる関東大会で地力を発揮した。朝早くから西湖湖畔に集った多くの高校駅伝ファンが見守る中、午前10時20分に男子がスタート。遅れて午前10時30分に女子がスタートした。肌寒い小雨模様のコンディションにも若いエネルギーがぶつかり合った。女子は1区6kmに小笠原朱里(2年)が2位に41秒の差をつける快走。2区、3区で2位に順位を下げたが、4区は森野純夏(3年)が怪我から復帰約2年ぶりの関東大会に出場。区間2位となる激走を見せ、再び1位に押し上げた。最終5区の伊藤夢(1年)は、一時は2位に順位を落としたが、残り500mで競っていた順天高を振り切り1位でゴールした。男子は1区に前回大会で15人抜きを演じた八重畑龍和主将(3年)が初めての1区に抜擢され、区間賞は逃したが2位につけ、2区で5位に順位を下げるも、3区矢島洸一(3年)が区間2位の走りで再び2位に浮上。続く4区飯澤千翔(2年)が区間賞となる素晴らしい走りで2位の埼玉栄と27秒差の1位に押し上げた。6区で逆転され2位に落ち、アンカーの加藤颯太(1年)が必死に追うも届かず2位となり、2連覇を逃した。

高校駅伝も大学駅伝同様、上位校の実力が拮抗し、いかに早い区間で先行し優位にレースを進め逃げ切るかが勝負の鍵となる。女子は1区6kmに10月の国体少年女子3000mで高校歴代3位となる9分を切る好タイムを叩き出した小笠原朱里(2年)が快走、2位に41秒の差をつけた。小笠原朱里選手は「このチームで優勝はうれしいです。県大会よりしっかり走れて良かったです。最初から区間賞を取る意識で走りました。先生から2、3キロぐらいからと言われていたのですけど、遅く感じていたので自分から1.5キロぐらいからペースを上げて一人で行きました。ラスト1キロぐらいは寒さで手も足も動かなくなってきてラストはもがきつつという感じです。そこが課題です。2区の眞田ひまり主将は、設定タイム内で走ろうと襷を受けたが、思うように身体が動かず徐々に後続に追い詰められ2位に下がった。眞田ひまり選手は「せっかく朱里が貯めてきてくれた分を全部自分が潰してしまって駄目な走りでした。調子は悪くないのきちんと走れないということは実力がないということなので、そこは全国までには修正をしないといけません」と肩を落とした。3区古賀華実(2年)は2位で襷を受け、途中まで1位の白鵬女子高(神奈川)と競っていたがラスト1キロで離された。古賀華実選手は「個人としての走りは、まだまだ力不足と実感しました。自分の3区の時点で差を広げなくてはいけない区間なのにそれができませんでした。後ろの人が頑張ってくれての優勝なので、そこに貢献できなかったことはすごく悔しいです」と笑顔がなかった。4区は森野純夏(3年)が怪我から復帰、約2年ぶりに関東大会に戻ってきた。6秒差の2位で襷を受け取った森野は前を追走。1キロ付近で追いついた。森野純夏選手は「前との差があったので絶対に抜いて、抜いてからの差をもっと付けてやるという気持ちで走りました」。区間2位の激走を見せ再び1位に順位を押し上げた。復帰できたことについては「県大会が最初のレースになったですけど、その時は走れて本当にうれしかった。走っていて苦しいという感じもあるんですが、それも感じられたのもいいなと思ったし、本当にもう走れないというところまで落ちてしまった時に萩倉先生が『ちゃんとやれば走れるんだから』と自分を見捨てないで支えてくれたおかげで自分がこうやって走れるようになったので、先生はもちろんメンバーの皆にも感謝しています」と話した。最終5区の伊藤夢(1年)は、故障明けで5kmのレースは初めてと不安を抱えながらもアンカーに抜擢された。1位で襷を受けたが、一時は2位に順位を落とした。残り500mで抜き返しスパート、1位でゴールを切り4年ぶりの優勝をもたらした。伊藤夢選手は「1キロぐらい抜いたり抜かれたり併走しました。とにかく前を見て一番でゴールすることだけを考えて走りました」と1年生ながら優勝に懸けた執念を見せた。

萩倉史郎監督は「小笠原の貯金をその後、多少食い潰しても持たせなければいけないけど、全国では、小笠原もあそこまで差を付けることができませんから、もっと後ろの区間の子たちがきちんと走らないと。ここですと少しメンバーを落としていますので、何とかなりますけど全国ではそうはいかないですね。ここから数週間しかありませんけど、ここからしっかり上げて頑張りたいと思います」と指揮官は気を引締めた。

■女子初優勝
◆女子成績《21,0975km》 優勝*山梨学院高 タイム*1時間11分36秒

区間 氏名 距離 区間タイム 区間 合計タイム 総合
1区 小笠原朱里(2年) 6,000m 19,14 1位 19,14 1位
2区 眞田ひまり(2年) 4,0975m 14,28 15位 33,42 2位
3区 古賀華実(2年) 3,000m 10,19 9位 44,01 2位
4区 森野純夏(3年) 3,000m 10,07 2位 54,08 1位
5区 伊藤 夢(1年) 5,000m 17,28 4位 1:11,36 1位


男子の1区は前回大会で15人抜きを演じ、今回初めての1区に抜擢された八重畑龍和主将(3年)が途中1位でレースを引っ張るも2位で襷を渡した。「優勝を狙っていたので正直悔しいです。個人的にも区間賞を狙って、今回のチーム編成は前半逃げ切りという形で、キーとなる1、3、4区でいかにタイムを広げ後半粘るという形だったのですけど、自分が2位でスタートしてしまい、この地で走ることは区間賞で渡さなければいけなかったです」と悔やんだ。2区の漆畑徳輝(1年)が5位に順位を下げたものの、3区矢島洸一(3年)が中間点あたりで2位に順位を上げた。矢島洸一選手は「先生には自分の区間で1位に出ようという作戦だったので、自分がそれをできなかったのは悔しいです」と話したが、「向かい風が強いところで沿道の県民の人たちが『山梨頑張れ、山梨学院頑張れ』と声を掛けてくれ、励みになりました」と区間3位の走りを見せた。全国では「中盤でタイムが上がらなかったことが自分の中では課題なので、残り1ヶ月でしっかりスピードをつけ全国の強豪と闘えるように準備したい」と話した。続く4区飯澤千翔(2年)が区間賞となる素晴らしい走りで2位の埼玉栄高と27秒差の1位に押し上げた。飯澤千翔選手は「自分の役割は2位でもらった襷を逆転して1位で渡すことはでき、差も広げられたので良かったのですけどタイムがあまり伸びなかったのでそこは改善する必要があると思います」。全国では「自分はスピードに自信があるのでアンカーに置いてもらって、ラストで順位を上げていくレースをしたい」と意気込んだ。レースは後半の5区大塚嘉胤(1年)で追いつかれ、6区新井悠我(3年)が逆転され2位に落ちたが、アンカーの加藤颯太(1年)が区間3位の好走。前を必死に追うも埼玉栄高との差は縮まらず2位でゴール、惜しくも2連覇を逃し2位となった。

萩倉史郎監督は「いいレースをして、ポイントで3本の軸が動きましたし、あとそれに繋がる人間が出てくればと思っていますが、3,4人いますので何とかそこを上げなければと思っています。今日はまずまずの結果です」と手応えを口にし、全国大会で上位を虎視眈々と狙う。

◆男子成績《42,195km》 2位*山梨学院高 タイム*2時間09分16秒

区間 氏名 距離 区間タイム 区間 合計タイム 総合
1区 八重畑龍和(3年) 10,000m 30,13 2位 30,13 2位
2区 漆畑徳輝(1年) 3,000m 9,01 13位 39,14 5位
3区 矢島洸一(3年) 8,1075m 24,48 3位 1:04,02 2位
4区 飯澤千翔(2年) 8,0875m 24,22 1位 1:28,24 1位
5区 大塚嘉胤(1年) 3,000m 9,22 19位 1:37,46 1位
6区 新井悠我(3年) 5,000m 15,48 12位 1:53,34 2位
7区 加藤颯太(1年) 5,000m 15,42 3位 2:09,16 2位


◆2017関東大会成績結果 上位8校入賞
男子優勝=埼玉・埼玉栄高(2:08.58)、2位=山梨・山梨学院高(2:09.16)、3位=八千代松陰高(2:10.18)、4位=群馬・東京農大二高、5位=栃木・佐野日大高、6位=神奈川・鎌倉学園高、7位=茨城・水城高、8位=栃木・白鴎大足利高。

女子優勝=山梨学院高(1:11.36)、2位=東京・順天高(1:11.42)、3位=神奈川・白鵬女子高(1:11.44)、4位=埼玉・昌平高、5位=埼玉・埼玉栄高、6位=神奈川・荏田高、7位=千葉・成田高、8位=千葉・市立船橋高となった。

高校生ランナーが師走の京都・都大路を駆け抜ける全国大会は12月24日(日)。母校の誇りを懸け、熱い戦いが繰り広げられる。山梨学院は前回、男子が13位、女子は12位。今年は、上位入賞を狙う。

文(K.F)カメラ(今村スタジオ・藤原 稔・小池裕太)2017.11.18