山梨学院パブリシティセンター

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●第10回山梨学院理事長賞受賞記念講演会
~「勝利への軌跡と展望」高田・山部・シアン監督が講演~
~学園の社会的評価の向上に多大に貢献~

山梨学院生涯学習センターは、平成29年度「第10回山梨学院理事長賞受賞記念講演会」を12月6日、山梨学院50周年記念館(クリスタルタワー)で開催した。今回理事長賞を受賞したのは高田裕司スポーツ科学部教授・レスリング部監督と山部伸敏経営情報学部准教授・柔道部女子監督、シアン・ジョン・パトリックスポーツ科学部教授・ホッケー部女子監督の3人。3人は、指導者として優れた手腕を発揮して、これまで多くの大会で功績を積み重ねてきた実績が評価された。記念講演会は「勝利への軌跡と展望~レスリング・柔道・ホッケー~」と題し、青山貴子現代ビジネス学部准教授・生涯学習センター副センター長が司会進行を進める形で行われた。3人は、それぞれの競技で指導者になったきっかけやそれからの苦悩、現在までの道程を振り返り、2020年東京五輪に向けて展望を語った。会場になった生涯学習センター講義室には教職員や学生、一般聴講者約100人が訪れ席を埋め、一流指導者の話に聞き入った。

山梨学院理事長賞は、学校法人山梨学院の教職員が教育・研究活動、学校改革、スポーツや芸術文化活動などを通じて、法人の発展に多大な貢献し、顕著な功績があったと認められる教職員・団体に贈られる。今年度の第10回受賞者は、個人部門は3名、団体部門1件で高田裕司レスリング部監督、山部伸敏柔道部女子監督、シアン・ジョン・パトリックホッケー部女子監督と大学水泳部に贈られた。講演会は理事長賞を教員の立場で受賞したものが講師として記念講演会を行うこととしている。この日は3人の監督の講演が青山貴子生涯学習センター副センター長の進行司会で行われ、古屋忠彦理事長を初め、教職員・学生・一般聴講者、約100人の参加者が会場になった生涯学習センター講義室を埋めた。

開会に先立って、司会の青山貴子現代ビジネス学部准教授・生涯学習センター副センター長が、理事長賞受賞理由を一人ひとり読み上げた。高田監督に対しては「レスリング部監督として優れた指導力と、永年にわたり日本レスリング協会専務理事としてレスリング界を牽引、またリオ五輪でJOC日本オリンピック協会の役員として実績を上げるなど学園の社会的評価の向上に多大な貢献をした」。山部監督には「柔道部女子監督として優れた指導力を発揮し、大学女子柔道界において7度にわたり頂点を極める輝かしい記録を打ち立て、またリオ五輪では悲願のオリンピックメダリストを誕生させるなど学園の社会的評価の向上に多大な貢献をした」と。シアン監督に対しては「女子ホッケー部監督して優れた指導力を発揮し、これまで何人ものホッケー部員を日本代表選手に育てオリンピックに送り出してきました。さらに加盟する大学リーグにおいて創部以来、無敗の伝統を継承し現在もその連勝記録を更新し続けるなど、ホッケー界における学園の名声を不動のものにしたことによる」とそれぞれの受賞理由を説明した。その後、受賞者それぞれがプロフィールを紹介。指導者として山梨学院へ赴任してきた動機や現在の実績を挙げるまでの苦悩や指導方針、選手との接し方などを振り返ってもらった。

次に青山生涯学習センター副センター長が、それぞれの監督に質問する形で進められた。
①なぜ、実績を積み上げることができたか。
②人間力を育てるために大事にしていること。
③2020年東京五輪への展望。
の3つの質問がなされた。

高田裕司レスリング部監督
① 「実績を積み上げるためには、まずそれをやってくれる強い選手が必要です。そのためにはスカウトが重要で高校から強い選手を預かったら必ず強くして送り出す。相手の信用を得ることが我々の仕事です。その信用を得るためにどれだけ大変だったか、それに10年掛かった気がします」。
② 「選手には『嘘をつかない。人には嘘をついてはいけない、自分にも嘘はつくな』と言っています。レスリングは厳しいトレーニングをしていますので、自分ではいくらでも嘘はつけるわけです。嘘をつけば必ず自分に返ってくるんだという指導方法でいます。弱い選手が4年間どう頑張れるか、だめな選手ほど目がいきますので、嘘をつかないで真面目に練習することが本人のためにもなります」。
③ 「レスリング部の2020年はとても明るいです。卒業生で昨年の世界選手権で36年ぶりに金メダルを取った高橋。現役の74㎏級の藤波、1年生の乙黒、卒業生の鴨居の65㎏級の軽量級の4人がメダルに近いところにいますし、金メダルを取らすことが目標です」。

山部伸敏柔道部女子監督
① 「負けた時の悔しいと思うエネルギーが重要で、負けて、負けてたまに勝つ。その勝つ喜びがあるからやれるのですけど、ゼロから始めて、目標となる大学に追いつきたいという強い思いがここまで支えてくれました。4年生がしっかりまとまっている時は勝っているんです。最初の頃は自分が教え伝えていたことを、最上級生がチームを引っ張るという自主性という文化が育ってきているからだと思います」。
② 「学生に考えさせることが大事なので、型にはめない。柔道は対人競技なので自己責任の部分が大きい。1対1ですから誰も助けてくれない、自分で考えて動く必要性があって、それができない選手はなかなか試合に勝てないんです。自己表現できないんです。できる子は普段から試合をイメージして考えていかに勝つか戦っています。それが社会に出たときも役立つと思います」。
③ 「リオ五輪で卒業生の78㎏超級の山部佳苗が山梨学院から初めて五輪に出場した選手が銅メダルを獲ってくれ歴史を作ってくれました。東京五輪ではどこの企業でも大学でもターゲットにしていますので、厳しい戦いですが是非金メダルを獲ってもらいたい。柔道競技は開会式の翌日に始まるので高田監督のレスリングより早く金メダルを獲りたい」と会場を沸かせた。

シアン・ジョン・パトリックホッケー部女子監督
① 「私が来た時にはある程度実績を挙げていましたが、実績を継続していくため考えていることは、個人がやることをどうやってチームワークに繋げるか、それがクラブワークという大学挙げての支えがあり、やることが確立されているなら、何か変化があっても自動的にあるレベルの選手を調達できるまでになっているか、それを指導者が選手の個性を組み合わせてチームを作っていくことができれば継続的な結果は得ることが可能ではないかと思います」。
② 「人をいい悪いで判断しないこと。壊れていないものを直す必要はなく、指導者は、選手に自由にやらせてどんなものかと見極める必要があり、個性を大事にしながら、『ここは通用しない』、目指している目標には『ここが足りないので最終的に成功しない』と助言してあげることが指導者で、選手にはできる限り自由にやらせたい」。
③ 「今、勝っているから良い選手が入ってくれています。そのサイクルを継続していけるように努力していきたい。今の現役も、卒業する選手も多いですが、日本代表として活躍することができると思っています。東京五輪にも6,7人ぐらいのOG,現役選手に出場してもらい、出場するだけでなくメダルを狙ってもらいたい」とそれぞれ述べ講演を締めくくった。

会場の参加者は、山梨学院カレッジスポーツセンターの一流指導者がこれまで積み上げて来た実績には並々ならぬ苦労や葛藤があったと窺わせられる言葉の一言一句に引き込まれた。1時間半の講演は瞬く間に終わり、これからさらなる活躍に期待を寄せる。

文(K.F) カメラ(平川大雪) 2017.12.7