●2017天皇杯全日本レスリング選手権 大会開幕
~初日フリーの小栁、木下、乙黒(兄)が明日の決勝へ~
~グレコ55㎏級丸山智也、決勝にあと一歩3位~
平成29年度「天皇杯全日本レスリング選手権大会」が12月20日に開幕した。23日までの4日間、東京・駒沢体育館で行われる。今大会は、2018年ハンガリー・ブタペストで開催するシニア世界選手権大会の代表選考会を兼ねており、1964年、東京五輪のレスリング会場になった駒沢体育館に精鋭たちが一堂に会した。今大会は、来年1月から階級や計量方法が変更になる国際ルールを採用、順応できるかも勝負のわかれどころとなる。また、階級も増え、各階級男女フリースタイル各10階級、男子グレコローマンスタイル10階級合わせて30階級種目が行われ、社会人から高校生まで出場資格を満たした選手が各階級で日本一を争う。山梨学院大からは4日間を通じて15人、OB6人が出場する。各階級の決勝は翌日に行われる。1日目に男女10階級が行われ、山梨学院大からは7人、OB3人が出場した。今季の山梨学院勢の活躍は目覚ましく、シニア世界選手権大会でOB高橋侑希が金メダル、藤波勇飛(3年)が銅メダルを初め、二冠の学生王者・木下貴輪(4年)、乙黒圭祐(3年)・拓斗(1年)兄弟の国体W優勝など大きく話題をさらった。今大会も山梨学院勢に対する期待は大きい。山梨学院勢の1日目は、フリースタイルスタイルの61㎏級の小栁和也(4年)、70㎏級の木下貴輪(4年)、乙黒圭祐(3年)の3人が決勝に進出。木下、乙黒は同門対決となる。55㎏級グレコローマンスタイルの丸山智也(3年)は3位となった。
1日目、61㎏級フリースタイルの小栁和也(4年 山梨・韮崎工高)は階級を一クラス上げ出場。準々決勝から登場し、初戦を6-2で退け準決勝では大技を次々決め12-0でTF(テクニカルフォール)勝ち、明日の決勝に進んだ。70㎏級フリースタイルは、木下貴輪(4年 鹿児島・鹿屋中央高)と、この大会から階級を上げてきた乙黒圭祐(3年 東京・帝京高)の両雄が出場。学生二冠の木下は、2回戦から登場し、準決勝の3試合をすべてTFで相手に1ポイントも与えない完勝。決勝に駒を進めた。一方の乙黒も2回戦から登場。同じく準決勝まで失点なしのTFで決勝に進み、明日行われる決勝の同門対決で優勝を争う。また、55㎏級グレコローマンスタイルの丸山智也(3年 山梨・韮崎工高)は、1回戦をわずか46秒でTFを決め、2回戦の準々決勝では、インカレ3位の同門の高橋三四郎(2年 山梨・農林高)と対戦。先輩の意地を見せF(フォール)勝ちで準決勝に進出。準決勝では、第1ピリオドをリードしたものの、第2ピリオドで逆転され決勝には惜しくも進めなかった。この大会3位決定戦は行わないため、3位が決定となり「平成30年度明治杯全日本選抜選手権大会」の出場権を獲得した。丸山智也選手は「前にも勝ってる相手でしたが、勝負所で動きが悪くなってしまいました。ルールが今回から変わって、計量がうまくいかなかったです。練習通りにできていれば」と悔しがった。山梨学院勢の他の選手は、92㎏級フリースタイル牛水瑞貴(3年 鹿屋中央高)、125㎏級フリー藤本歩(2年 茨城・霞ヶ浦高)は初戦敗退。55㎏級グレコローマン高橋は準々決勝敗退。OBの125㎏級フリー金澤勝利(自衛隊体育学校)は準決勝、70㎏級フリー森川一樹(栗東クラブ)、97㎏級フリー有薗拓真(ALSOK)は準々決勝で退いた。
試合後、小幡邦彦コーチは「2つの決勝(木下、乙黒は同級)は、予定通りだったですけどグレコの丸山が負けたのはもったいなかったです。乙黒は減量がなくなったので、伸び伸びできていました。その分、いつも通りの力を出してくれたので、来年に繋げてくれと思いますので収穫でした。明日は同門対決になってしまいましたが本人たちには『思い切ってやるだけだ』と言いました。小栁にも可能性もありますし、これから明日は藤波、あさっては乙黒(弟)とOBの高橋侑希もいますので全日通して決勝に行かせたい」と抱負を語った。
大会2日目は男女10階級が行われ、山梨学院勢は男子フリースタイル74㎏級に2人、79級㎏級に1人・OB1人、グレコローマンスタイル130㎏級に1人,4人の選手が出場する。
文(K.F) カメラ(平川大雪) 2017.12.20