山梨学院パブリシティセンター

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●第96回全国高校サッカー選手権 山学高初戦敗退
~加藤が前半先制するも、米子北に後半に逆転される~
~「相手が上。出直します」必ずや来年に雪辱を期す~

「第96回全国高校サッカー選手権大会」、山梨学院高の初戦が12月31日、2017年の締めくくり大晦日に行われた。2大会連続出場の山梨学院は、前回大会は3回戦(16強)で敗れているが、今回はメンバーも充実し優勝を狙う。対戦相手は8大会連続13度目の出場の鳥取県代表の米子北高校。昨年は2回戦で敗退しているが16強が最高のチーム。大会会場の神奈川・ニッパツ三ツ沢球技場は、風が冷たく雲が低く垂れ込む寒い日となった。試合は、米子北高のキックオフで始まった。序盤、山梨学院は米子北高にやや押し込まれる状況だったが、徐々に前線を押し上げ主導権を握ると、ペナルティエリア手前で味方選手が倒され、FK(フリーキック)を得る。25分キッカーの7番MFの増村友哉(3年)の低い弾道のボールを9番FW加藤拓己(3年)が頭で合わせゴールネットを揺らし先制した。その後も、山梨学院高がボールを支配して敵陣ゴールを脅かしたが、31分米子北高が右サイドからのセンタリングをヘッドで決め同点とした。終了間際には、10番FW宮崎純真(2年)が決定的なチャンスをつくるも、得点にはならずに、同点で前半を終了した。後半に入り開始7分、相手にゴール前に持ち込まれたボールを山梨学院GK(ゴールキーパー)大嶌宏汰(3年)が弾いたこぼれ球を相手FWに押し込まれて逆転を許した。追いつきたい山梨学院は、ロングパスで加藤に合わせて打開を狙うも、相手ディフェンスに阻まれ、1点が遠い。後半は必死に攻撃を仕掛けるも得点を奪えず1-2で悔しい初戦敗退となった。目標にした8大会ぶりの優勝には手が届かず持ち越しとなった。

山梨学院高の今季の道のりは決して順風満帆ではなかった。新人戦3位、山梨県総体6位、インターハイ予選は逆転負けで2位となり、ここまではタイトルは何一つ獲得できなかった。10月から始まった全国高校サッカー選手権県予選では全国大会2大会連続出場を賭け、ハードワークに磨きを掛けてチーム一丸で臨んだ。初戦を都留高相手に7-1で圧勝。準々決勝では東海大甲府高に5-0で勝利。準決勝では日本航空高に2-0と勝ち上がり、決勝では、インターハイ予選で逆転負けを喫した帝京第三高に4-1と完勝。4試合で18得点2失点と攻守が機能し、ようやく今季初タイトルを獲得し全国大会への切符を手にした。一方の対戦相手の鳥取県代表の米子北高は、高校リーグ最高峰のプレミアリーグWESTに所属。全国大会には8大会連続13度目の出場となる。過去の成績は16強が最高だが、全員攻撃、全員守備を目指す「堅守速攻」をプレースタイルにする。上位を窺う侮れない相手。

《下記のインタビューの人物へのリンクは、ピッチ以外の写真撮影が禁止されているので見ることできません。名前を見やすくするために色をかえています》

バス17台に分乗し応援に駆け付けた山梨学院の応援団の数は、生徒会・吹奏楽部・チアリーダー部を中心に受験生を除く全校応援の生徒約700人。その他、教職員、選手の保護者、OBらの約200人がサッカー部の初戦の勝利を目にしようと約900人が集結、バックスタンドに陣取った。先日の全国高校ホッケー選抜大会で日本一を目指したホッケー部の井上晃希選手(3年)は「初戦なので加藤選手に頑張ってもらいたいです。全国一を目標にしていると思うので、自分たちは、先日の選抜大会で取れなかったので優勝してくれたらうれしいです」。今夏の甲子園野球大会に2大会連続出場した野球部の広瀬巧真選手(3年)は「今まで応援してもらった分、勝てるように応援したいです。去年よりも知っているメンバーが多いので距離が近いので思い切って応援します」。生徒会の望月梨生前会長(3年)は「相手が強豪校というので、応援では絶対に負けないように山梨学院高校が一つになって全員で応援します」。田中ともか応援団団長(3年)は「自分たちもこの大会が最後なので気を引き締めて良い応援ができるように後押しの先導が切れたらなと思います。自分たちが声を出して、今日は寒いですけど、寒い気持ちを吹き飛ばすように頑張ります」。チアリーダー部の志村桃華前部長(3年)は「選手たちに届くように笑顔で元気良く、山梨学院のチアらしく応援できたらいいなと思います」とそれぞれがエールを贈った。大応援団は試合が始まると、応援団、サッカー部員を中心に全員が吹奏楽部の演奏、チアリーダー部の演舞に合わせ、メガフォンを使い休みなく声援を続けた。

12月31日大晦日、午後12時05分。天候は曇り・気温3度、真冬の寒さの中、試合は米子北高のキックオフで始まった。前半早々に米子北に2回のセットプレーからゴールを狙われたが難なくクリアすると徐々に山梨学院がボールを支配し、加藤拓己主将(3年)にボールを集め敵陣に迫る。25分、ペナルティエリア前でフリーキックを得ると7番MF増山友哉(3年)の蹴ったボールは、ゴール前で張っていた加藤がヘッドで合わせ、待望の先制点を挙げた。勢いに乗った山学は再三ゴールに迫るも、あと一歩決めきれずにいた。一方の米子北は31分右サイドから上げたセンタリングを頭で合わせられ同点とされた。その後、ロングパスから前線にボールを送る米子北のプレーに流れが変わり、一進一退の攻防が続いた。追加点を欲しい山梨学院は、終了間際に宮崎純真(2年)のドリブル突破でエリア内に攻め込んだ決定的とも思えるシュートも、相手GKに阻まれ得点できずに前半を終えた。後半に入ると、立ち上がり相手にボールを支配された7分、手薄になった味方ディフェンスの隙を突かれ、中央からドリブルで持ち込まれたボールをGK大嶌宏汰(3年)が懸命にクリアしたこぼれ球を詰めていた相手FWに押し込まれ逆転された。山梨学院も中盤、左右サイドからゴール前にセンタリングで加藤に合わすも得点には繋がらず、我慢の時が過ぎていく。その後も山梨学院の攻撃は続くも、堅い相手ディフェンスの前に無常の終了の笛が鳴った。1-2で初戦敗退。ここで8大会ぶりの優勝の夢は潰えた。

第96回全国高校サッカー選手権大会 1回戦
《山梨学院高VS鳥取・米子北高》 12/31 神奈川・ニッパツ三ツ沢球技場
● 山梨学院高 1 前半 1-1
後半 0-1
2 米子北高 ○
得点:山梨学院 加藤拓己(前半25分)
米子北 坂田二千翔(前半31分)、葉間田塁(後半7分)

山梨学院選手交代:6番MF天野菖梧(3年)→20番MF安田正太郎(2年) 

試合後、安部一雄監督は「実力通りです。徹底されていたように粘り強いし、しっかり鍛えられています。うちは加藤に頼り過ぎてしまったかなと、他にも方法があったと反省しています。本当に走りこんでいるなと感じました。高さはないけど身体のフィジカルも強いし、走力もあるし、その辺では向こうが上でした。出直します」と敗戦の弁を述べた。加藤選手とともに得点を期待されたエースストライカー宮崎純真選手は「点を取ってからの失点も良くなかったですけど、そこで立て直せなかったことと、あと決めきれる場面もたくさんあったのにチャンスをものにできなかったことも敗因でした。去年は、チーム状況も余り良くない中で、2回勝つことができ、最後は0-4で負けてしまいましたけど、どちらかというとやり切った感じが大きかったですが、今年は拓己君もいたし、10月あたりから負けていなかったので、そういうことを考えれば今年は去年と比べて情けないし不甲斐ない試合をしてしまった」と悔しさを滲ませた。全国大会は「2回経験しましたが、今回ノーゴールに終わってしまったので来年戻ってきて自分が点を取ってチームを勝たせたいです」と最後に来季のポイントゲッターは前を見据えた。加藤拓己主将は「入りも良かったし、悪くはなかったです。自分が先制点を決められて、その後、前半で同点に追いつかれたというところと自分もその後決めきれなかったことが一番の敗因です」と悔いた。3年間を振り返って「自分のサッカー人生にとって大きな分岐点になったと思います。一番成長したし、何より一番サッカーを楽しめた時期ですし、この3年間というのは大きな財産になりました。本当に山梨学院に来てここまで来たことにチーム全体に感謝したいと思います」と感慨深く語った。

「うまさより速さ」をテーマにあげ、身体を張ったハードワークに磨きを掛けるプレースタイルをさらに進化させ、来年こそは9大会ぶりの日本一を勝ち取る。

文(K.F) カメラ(平川大雪) 2017.12.31

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