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●第94回箱根駅伝 往路区間
~2区ニャイロ区間賞の快走。上位ゴール狙うも~
~往路16位でゴール、復路でシード圏内目指す~

新年を飾る一大イベント箱根駅伝。「第94回東京箱根間往復大学駅伝競走」の往路区間が2018年1月2日午前8時、東京大手町読売新聞本社前を1区の選手21人が一斉にスタートした。10区間217.1kmを昨年優勝の青山学院大学を初め、シード校10校、予選会を通過した32年連続32回目の出場の山梨学院を含めた10校、関東学生連合チームを加えた21校が箱根を折り返し、大手町を目指す10区間の激走が始まった。2日の往路は5区間107.5kmで争われた。山梨学院は、11月末の記録会でニャイロの10000mの記録に続く自己新を出し、絶好調の永戸聖(3年)がレースの流れを作るべく1区に抜擢された。永戸は区間17位ながら1位の東洋大に1分差で2区エース区間のドミニク・ニャイロ(3年)に襷を繋いだ。ニャイロは、本来の爆発的な走力で13人抜きで4位に順位を押し上げた。3区を任せられた箱根初出場の首藤貴樹(2年)は7位と順位を下げたがシード圏内に留まった。4区の準エース区間の川口(2年)は、初めての公式戦で気負いから本来の走りができずに13位まで順位を下げた。5区の上田健太(3年)は、2度目の山登りに挑んだが、登り始めるや否や、両足を痛め苦しんだ。仲間が繋いだ襷をシード圏内に持ち込むべく必死の形相で総合16位でゴールした。山梨学院は、往路優勝を飾った東洋大から9分38秒差、シード圏ラインの中央大から3分49秒差。箱根芦ノ湖畔からシード圏内を目指し疾走する。

■往路107.5km
◆1区[21.3km 東京大手町 ⇒ 鶴見中継所] 永戸聖(3年)

1区は、全体的に平坦なコースで走りやすいが、集団で走ることで多く、どこで抜け出すか駆け引きが注目される。1区で流れを引き寄せるかが、以降の順位に影響を与えるため、各校のエース級のスピードランナー選手が投入される。1区は、昨年11月末に記録会で1万mで自己ベストを記録した永田聖(3年 岩手・盛岡工高)が抜擢された。28分30秒59は、チーム内のニャイロに次いで2位のエースランナーに成長。1月2日、青い空が広がる暖かい朝を迎えた。午前8時、多くの駅伝ファン幾重にも取り囲む中、号砲と共に21校が一斉にスタート。レースは1キロ3分ペースで進み、永戸は、落ち着いた表情で20人ほどの集団の中に位置し、周りの様子を窺っていた。しかし、16キロ付近で青山学院大学の鈴木塁人選手が一気にペースを上げ仕掛けた。永戸は、対応しきれず順位を17位に落とした。永戸聖選手は「ペースを上げられたときに身体が固まってしまい無駄に力が入ってしまいました。プラン通りに走れなくて、本当にかろうじて最低限の1分差の走りしかできなくて自分としては悔いの残るレースでした。ニャイロに頼る結果になってしまいました」と肩を落とした。トップとの差は1分。2区のドミニク・ニャイロに繋いだ。

◆2区[23.1km 鶴見中継所 ⇒ 戸塚中継所] ドミニク・ニャイロ(3年)

襷を渡されたドミニク・ニャイロ(3年 ケニア・メサビサビ)は、前回大会では、足の故障で2区9位と不本意なレースに今大会に賭ける思いは強かった。昨年の箱根駅伝予選会で個人2位、全日本大学駅伝最終区区間賞と本来の走りを見せた。山梨学院の絶対的エースとして、1区17位ながら1分差はニャイロにとってはトップに躍り出るタイム差と期待を抱かせた。襷を受け取ると猛追を開始。1キロ足らずで4人を捉え13位に浮上。途中、拓殖大の留学生と次々と前を捉え区間賞の4位で3区に襷を繋いだが、1位の東洋大、2位の青山学院大の好走に、タイム差は57秒と僅かしか縮められなかった。ドミニク・ニャイロ選手は「最後の3キロは、風が強くてきつかった。区間賞はうれしいですけど、チームの16位は悔しい」と話した。

◆3区[21.4km 戸塚中継所 ⇒ 平塚中継所] 首藤貴樹(2年)

3区を託されたのは、首藤貴樹(2年 大分・日大文理大付高)。今大会への仕上がりも良く初の箱根駅伝出場を決めた。4位で襷を受けた首藤は、強い風と気温の上昇が注意のコースに、「コンディションは良かった」。ニャイロの作った貯金を使わないように積極的に走るも、遊行寺の坂で早稲田大、拓大に追いつかれた。首藤貴樹選手は「緊張はしていたんですが、自分自身楽しもうと走っていました」。「追いつかれてから早稲田、拓殖に付いていかなくてはいけないところで自分の甘さが出たと思います。最低限のラインで抑えることが自分たちの仕事だと思うのでそれができなかったのは残念です」と振り返った。首藤は、順位は3つ落とし7位で4区に襷を繋いだ。

◆4区[20.9km 平塚中継所 ⇒ 小田原中継所] 川口竜也(2年)

4区は、アップダウンを繰り返す対応が難しいコース。前回大会から距離が2.4キロ伸び、残りの3キロが上りになり踏ん張りが必要となる。5区に有利に繋ぐための重要な区間として各校の準エースが投入される。4区を任された川口竜也(2年 鹿児島・鹿児島城西高)は、初めての公式戦、初の駅伝に大抜擢された。川口竜也選手は「設定していたタイムでも区間10番に入れるか入れないかのタイムでしたし、そう簡単にはいかないなと感じました」。レースは、5キロ付近までは首藤が持ってきた7位の順位を守ったが、体調の不調もあり次々と落とした。「一回離れて自分のリズムで整え直そうと思ったのですが、そこで足を使って疲れてしまい後半対応できなくて、箱根の厳しさを痛感しました」。結局、13位に順位を落とした。

◆5区[20.8km 小田原中継所 ⇒ 箱根芦ノ湖] 上田健太(4年)
昨年の全日本大学1区を失敗した走りで屈辱を味わった上田健太(4年 山梨学院高)が最後の箱根を前回大会に続き5区山登りに挑んだ。13位で襷を受けた上田健太選手は、「登り始めてから身体が動かなくなってしまい、右足、左足と痙攣がきてまったく思うような走りができませんでした」と山登りの難しさを語った。「気持ちはシード圏内まで上げ、後半しっかり動かそうと・・・」。2度目の山登りについては、「昨年よりは条件は良かったですが、昨年の反省もうまく活かせないでチームに迷惑を掛けてしまったので、2度目も1度目もそんなに変わらなかったです。自分の中でコースへの不安だったり、足への不安だったり、早い段階での足の痙攣などで心の乱れの弱いところが出てしまい不甲斐ないです」と結果を残せなかったことを悔んだ。上田は最後のスパートに歯を食いしばり痛みに耐え16位でテープを切った。復路について、「シード権圏内に入るように明日のメンバーに頑張ってもらうしかないですし、自分よりしっかり練習を積めているメンバーもいますし、箱根を走る喜びだったりチームのために走ることを経験して、あまり考えずに走ってもらいたいです」と自身を振り返る言葉を残した。

■往路成績16位 往路時間 5時間38分07秒
区間 ランナー 区間時間 順位 合計時間 総合順位
1区 永田 聖(3年) 1:03:16 17位 1:03:16 17位
2区 ドミニク・ニャイロ(3年) 1:07:15 1位 2:10:31 4位
3区 首藤貴樹(2年) 1:05:05 15位 3:15:36 7位
4区 川口竜也(2年) 1:05:30 18位 4:21:06 13位
5区 上田健太 (4年) 1:17:01 18位 5:38:07 16位


■往路順位(10位シード権以内)

順位 大学名 合計時間 復路時間差
1位 東洋大学 5:28:29  
2位 青山学院大学 5:29:05 36秒
3位 早稲田大学 5:30:25 1分56秒
4位 拓殖大学 5:33:05 4分36秒
5位 法政大学 5:33:06 4分37秒
6位 城西大学 5:33:19 4分50秒
7位 日本体育大学 5:33:47 5分18秒
8位 順天堂大学 5:33:54 5分25秒
9位 東海大学 5:34:09 5分40秒
10位 中央大学 5:34:18 5分49秒
16位 山梨学院大学 5:38:07 9分38秒


レース後、上田誠仁監督は「本来1,2区でトップに出るぐらいのつもりではいたんですけど、もう一つ追い足が足りなかったです。首藤も川口もチームの中での練習の達成度は一番良かったので使ったんですけど、大舞台で力を発揮できなかったです。健太は、有終の美を飾ってチームに貢献をと、いう気持ちが強かったですけど悔しい結果になってしまいました」とレースを振り返った。最後に「シード圏内までにはタイム的には結構開いていますけど、復路に関しては攻めの走りで向かっていこうと思っていますので、入っているメンバー、リザーブのメンバーも万全の準備を整えています」と明日に望みを託した。

山梨学院大は、今大会も上位入賞には届かない状況に甘んじてしまった。しかし、最低限の目標といえるシード権獲得には十分に届く3分49秒差。箱根駅伝に向けて苦しい練習に取り組んできた一年間。チーム力で戦い結果を残すつもりだ。

3日の復路スタートは箱根芦ノ湖畔を午前8時に東洋大からスタートする。ゴールは午後1時30分頃。

文(K.F) カメラ(平川大雪・藤原稔・今村佳正・小池裕太・Y.Y)
2018.1.2

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