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●第94回箱根駅伝 復路区間
~シード権争いに加われず、2大会連続の予選会に~
~気概、チャレンジ精神を持ってグラウンドに~

「第94回東京箱根間往復大学駅伝競走」復路区間が1月3日、箱根芦ノ湖から東京大手町の読売新聞本社前までの5区間109.6kmのコースで行われた。よく晴れわたった箱根芦ノ湖畔の向こうには雪を頂いた富士山が顔を覗かせスタートを見守った。午前8時、凛として冷え込んだ空気が緊張感を醸し出す。前日の往路で優勝した東洋大学からタイム差で次々とスタートした。2位の青山学院大とは36秒差、3位の東洋大まで2分以内の混戦。山梨学院大は2日の往路で2区ニャイロが13人抜きの快走で4位に浮上。シード権を狙える位置につけた。しかし、後続が徐々に16位まで順位を落とし出遅れるも、シード権ラインの10位には3分49秒差と、復路での躍進でシード権獲得に可能性が残された。今季の山梨学院は出雲駅伝不出場、全日本大学9位でシード権を落とし、最後の目標を箱根駅伝上位入賞に照準を絞った。シード権獲得には6区山下りの走りがポイントと箱根初出場の比夫見将吾(4年)に復路の流れを託した。比夫見は、一つでも順位を上げようと懸命に前を追い、順位を一つ上げ区間15位で襷を繋いだ。続く7区出木場風吹(3年)、8区古賀裕樹(4年)、9区藤田義貴(3年)10区片山優人(3年)は期待に応えられずシード権争いに加われず総合成績18位でゴールした。昨年の雪辱を果たせず2大会連続のシード落ちとなった。次回は再び予選会からの挑戦になる。優勝は往路の優勝は東洋大にゆずったものの、青山学院大が復路で圧倒的強さを見せつけ、復路優勝、総合4連覇を飾った。

◆6区[20.8km 箱根芦ノ湖 ⇒ 小田原中継所] 比夫見将吾(4年)

往路で出遅れた山梨学院は復路で巻き返しを図る。シード権ラインの10位とは3分49秒差。十分に可能性の残るタイム差である。6区山下りの重責を任されたのは箱根初出場の比夫見将吾(4年 大阪・大塚高)。箱根芦ノ湖畔をトップの東洋大から9分38秒後に小田原中継所を目指してスタートした。レース後、比夫見将吾選手は「下り対策を練っていまして、59分30秒切りタイムは出るだろうという練習は積んできました。5区の健太(上田)も必死に繋いでくれましたし、シード権が目的なので2日目6区の自分がいいスタートを切って、7、8、9、10と順位を上げていくという思いがありました。レースは10キロまではあまり身体が動かなくて、身体としては出し切ったですけど気持ち的にはまだまだいけたので、今日は100%出しても60点位の出来でした」とレースを振り返った。区間記録は13位、総合では15位と往路からの順位を一つ上げた。

◆7区[21.3km 小田原中継所 ⇒ 平塚中継所] 出木場風吹(3年)

7区の出木場風吹(3年 鹿児島・鹿児島工高)は、これまで特筆する記録は残していないが、ハーフマラソンもこなすスタミナが持ち味。この区間は、往路の4区で前半3kmが下りながらほぼ平坦、後半に小刻みなアップダウンが続き、気温も上がる区間でペース配分に注意を要する。15位で襷を受けた出木場風吹選手は「シード圏内までにはやってやろうという気持ちはあったのですけど、思い通りには走れなかったです。練習ではいい感じで走れていたんですけど、ラスト5キロが海沿いのところで風が出てきて苦しかった」と話した。シード権ラインから6分34秒と芦ノ湖からの時間差を広げられシード権争いから一歩後退した。自身の成績は区間17位、総合では16位とスタート時に戻ってしまった。

◆8区[21.4km 平塚中継所 ⇒ 戸塚中継所] 古賀裕樹(4年)

8区の古賀裕樹(4年 福岡・大牟田高)は、昨年9区18位と結果を残すことができなく、2度目になる箱根駅伝に挑んだ。17位で襷を受け取り、最上級生として、シード権を後輩に繋ごうと持てる力を振り絞った。しかし、思いは空回りし昨年より区間順位を落とし、9区に襷を繋げなかった。時間差も広がりさらにシード圏内から離された。総合では16位となった。古賀裕樹選手は「2度目になる箱根でこの結果はとても悔しいです。今年の方が最上級生になってチームを引っ張っていく中での出場になったので、もっといい結果が出せると思っていたのですけど、そこは結果に結びつかずに悔しいです。順位を上げようと前を追って行って神奈川大に20秒ぐらい縮めたんですけど、後半勝負というところで、離されてしまい、坂で練習したことが発揮できなくて自分の力が足りなかったです」と無念さを口にした。「卒業しても陸上は続けていくので、自分が続けていく中で自分にも下級生にもしっかり残していけるものを残りの期間で少しでも努力していきたいです」と山梨学院での残りの陸上生活を充実したものする。

◆9区[23.1km 戸塚中継所 ⇒ 鶴見中継所] 藤田義貴(3年)

9区にエントリーされたのは、藤田義貴(3年 神奈川・新栄高)。8区の古賀が中継点に着いたときには9区の藤田義貴はすでに走り出していた。トップが襷を繋いで20分が経過すると繰り上げスタートになり、21分47秒の差が付いていた。皆が繋いできた母校の襷ではない心細さ、悔しさを胸にしまい、藤田は前を向いて走った。藤田義貴選手は「繰り上げスタートになってしまったですが、気持ちで負けてはいけないと分かっていたのですが、大学の襷を受けられなかったことで、後半のきついところで粘れなかったことが悔しいです。調子は3週間前に16人のメンバーを発表された頃から上向いていて悪くはなかった。今まで走ってきた駅伝と箱根駅伝は全然違うなというのが正直あります。来年は、いきなり優勝を目標に立てるのは、この順位ではどうかなと思いますけど、今年取れなかったシード権を取ってまた9区でリベンジできるように力を付けたいと思います」と語った。藤田は、区間17位総合も17位に終わった。

◆10区[23.0km 鶴見中継所 ⇒ 東京大手町] 片山優人(3年)

最終区10区を任された片山優人(静岡・藤枝明誠高)は、スピードはないが20kmの長距離を安定して走る走力を持つ。昨年の全日本大学駅伝6区13位。箱根駅伝予選会でも70位の成績を残し、初の箱根駅伝本戦に抜擢された。復路も一度もシード争いに加われずさらに一斉スタートの襷を掛け、それでも山梨学院の誇りを胸に、一つでも順位を上げようと走った。片山優人選手は「一斉スタートは早い段階から知らされていて、その一斉スタートのグループの中でトップを取って来いという指示があったんですけど、15キロ付近の坂で足を使ってしまい、15キロで離れてそれからずっと風にあおられて走れませんでした。風が吹くことは予定していたのでいかに風に耐えて一定のペースを保っていくかと考えていたのですが、いろんなシチュエーションを考えて、どんなことになっても対応できるように準備はしていたのですけど、やはり力不足を感じました。片山は、区間14位、総合成績18位で大手町のゴールを切った。「沿道の声援が途切れることがなくてずっと左から声援を受けていたので左耳がジーンとするのですけどこれが箱根駅伝なんだという実感もありますし、目標としていた大会なので、素直にうれしかったです」と初めての箱根駅伝の感触を確かめた。

■復路成績19位 復路成績:5時間38分07秒 総合成績:11時間23分24秒
区間 ランナー 区間時間 順位 合計時間 総合順位
6区 比夫見将吾(4年) 1:00:35 13位 6:38:42 15位
7区 出木場風吹(3年) 1:07:37 17位 7:46:19 17位
8区 古賀裕樹(4年) 1:09:38 19位 8:55:57 16位
9区 藤田義貴(3年) 1:13:59 17位 10:09:56 17位
10区 片山優人(3年) 1:13:28 14位 11:23:24 18位


■復路・総合順位(総合順位10位までがシード権獲得)

復路順位 大学名 総合順位 大学名
1位 青山学院大学 1位 青山学院大学
2位 東洋大学 2位 東洋大学
3位 日本体育大学 3位 早稲田大学
4位 東海大学 4位 日本体育大学
5位 法政大学 5位 東海大学
6位 帝京大学 6位 法政大学
7位 早稲田大学 7位 城西大学
8位 城西大学 8位 拓殖大学
9位 神奈川大学 9位 帝京大学
10位 駒澤大学 10位 中央学院大学
19位 山梨学院大学 18位 山梨学院大学


レース終了後の結果報告会で保護者、関係者、OB、選手たちを前に大崎悟史コーチは「今回の結果について、前回大会のインフルエンザ、故障についての予防についてはしっかりやってきました。練習についても手応えを感じて今回に挑みました。しかし、結果は付いてきませんでした。一番悔しいのは4年生に笑顔で卒業させてあげられなかったことを悔しく思います。この悔しさを4年生は実業団、社会人になってからも活きると思いますので経験を活かしてほしいと思います。残った選手についてはまだ箱根があります。結果として残せるようにコーチとして何かを変えていきたい」と述べた。飯島理彰コーチは「2日間とも力不足を見せつけられたレースでした。簡単に力をつけられないことは分かっていますが、努力は裏切らないという言葉を信じ、来年は強くなってこの舞台に帰ってきたいと思います」と述べた。上田誠仁監督は「予選会で我々より下位であったチームがシードを取り、我々の前を走っています。彼らが成しえたことは我々にも成しえる。まずは勝利する者、順位を上げたものにリスペクトして、謙虚に素直に自分たちもやってやると甲府に帰ってもらいたい。今ここから時間の経過に負けないように努力するしかありません。単に汗を流せばいいのではない。伊達に流した汗ではないんだという気持ちを持って日々を終えること、これしかないと思います。自分の足で稼いだ努力しか自分の力にはなりません。これはその通りです。厳しい現実を乗り越える君たちの気概、やってやろうというチャレンジ精神、それを持ってグラウンドに集結してください」と皆に奮起を促し呼びかけた。最後にチーム全員で円陣を組み来年の活躍を誓った。

文(K.F)カメラ(平川大雪・藤原稔・今村佳正・小池裕太・Y.Y)
2018.1.3

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