●日本学生氷上競技選手権4日目 スピード・フィギュア
~女子3000m高山3位、今大会で初の表彰台~
~フィギュア河西、藤本SP突破。FSに駒を進める~
「第90回日本学生氷上競技選手権」(インカレ)は、1月7日、スピードスケート競技とフィギュアスケート競技の2日目が行われた。スピードスケート競技は、各種目各校3人ずつが出場することができ、男子は15位、女子は12位までに与えられる各順位別のポイントを競う。山梨学院は6日から始まったスピードスケート競技で、初日に6人が入賞を果たした。2日目は、まず、最初に行われた女子3000mで高山瑞穂(3年)が今大会個人種目で初めての表彰台に上った。同種目の原田梨央(4年)は12位、僅かだが得点を獲得した。女子1000mでは虫狩光桜(3年)が6位入賞。持田あかり(2年)と昨日1500mで自己新を5秒短縮した川上琴子(3年)は入賞を逃したが二人とも大学対抗得点は確保した。男子1500mは渡辺晟(4年)が9位となり惜しくも入賞はできなかった。他に男子5000mでは、昨日10000mで入賞した山本大生(3年)、1年生ながら好走した伊藤研太(1年)も対抗得点を獲得、チームに貢献した。また、フィギュアスケート競技SP(ショートプログラム)が行われ、河西萌音(1年)、藤本梨乃(1年)が共に明日の最終日に24人で競われる決勝ラウンドのFS(フリースタイル)に進んだ。
■大会4日目≪スピードスケート競技2日目 高山、虫狩が入賞≫
大会4日目、スピードスケート競技2日目。朝10時、競技は女子3000mから始まった。山梨学院からは、蓑田結依(3年 北海道・白樺学園高)、原田梨央(4年 北海道・白樺学園高)、高山瑞穂(3年 北海道・駒大苫小牧高)が出場し、3000mを得意とする高山が、屋外での自己ベストを記録し3位に入り、この大会初の表彰台に上った。原田は12位となり対抗得点を獲得。蓑田は原田に次ぐ13位となった。高山瑞穂選手は「3位はうれしいです。前半で足がなくならないように余裕を持って行こうと思っていたんですけど、意外とラップが出て、3周目で落としてしまいやばいかなと思ったんですけど、我慢しました。タイム的にはもう少し遅いかなと思っていたので良かったです。」とレースを振り返る。続いて行われた男子5000mは山本大平(4年 青森・八戸西高)、山本大生(3年 同)兄弟と伊藤研太(1年 長野・松代高)が出場。山本大生が昨日入賞した10000mの好調を維持し好走したが14位となった。伊藤研太は自己記録を更新。15位に入り得点を獲得、チームに貢献した。山本太平は19位で終わった。続く男女1000mの女子は、虫狩光桜(3年 北海道・池田高)は低いダッシュからそのままの勢いを維持する攻めの滑りで自己新を記録、6位に入った。虫狩光桜選手は「記録も上で先輩の人が同走だったんですが、とにかく記録よりその人に勝とうと思って臨んだので勝ててコーチとハイタッチしたりして喜んだのですけど、自己ベストも出せ、入賞もできてうれしいです」と素直に喜びを表した。同種目の持田あかり(2年 北海道・白樺学園高)は10位、昨日1500mで5秒も自己記録を更新する快走を見せた川上琴子(3年 北海道・帯広農高)は11位と伸びなかったが得点は獲得した。一方の男子は、1500mで入賞した渡辺晟(4年 福島・郡山商高)が同走の選手のアクシデントで競えなくなり、タイムを伸ばせず9位と入賞を逸した。他に赤神諒(3年 北海道・釧路北陽高)は17位、岡田稜(2年 北海道・釧路江南高)は19位と振るわなかった。山梨学院勢は、12人出場して2人が入賞、高山が3位の表彰台に上がり、明日の団体に弾みをつけた。2日間の個人戦が終わり伊藤潤二コーチは「川上や他にもベストを更新した子も結構いたので得点的には思い描いていた一番良い形を作り上げることができたかなと思います。女子は高山が表彰台に上ってくれたし、今日終了時点で僅差で3位を保持していますし、明日のリレーとパシュートでしっかり得点を獲得していけば現状は維持できると思います」と明日の出来に賭ける。
■≪フィギュアスケート競技2日目 2選手が3大会ぶりに出場≫
また、昨日から行われているフィギュアスケート競技に山梨学院の出場は2014年以来、3大会ぶりの出場となる。今回出場する河西萌音と藤本梨乃は共に山梨学院高校の出身。河西は昨年暮れの全日本フィギュアスケート選手権に出場するなど、実力をめきめきつけている。インカレ4日目。夕方から始まったフィギュアスケート競技女子7・8級クラスのSP(ショートプログラム)2番手に登場したのは、藤本梨乃(1年 山梨学院高)。SPは、与えられた課題を構成に組み込んで2分50秒内で演技する。藤本は、小柄な身体を黒のコスチュームに身を包み、スタンダード曲の「ムーンリバー」を演技した。3つのジャンプを飛び、ステップ、スピンも織り交ぜ、小さなミスはあったものの、ヴィオリンの優雅な調べに載せて丁寧な表現で演技した。15位で通過、明日のFS(フリースタイル)に挑む。藤本梨乃選手は初めてのインカレ出場に「緊張しませんでした。普段より気楽に演技できました。練習で1回目と2回目のトリプルが入ることが最近なかったので、回転は足りなかったのですけど、片足で下りることができ良かったです。フリーではもっと良い演技ができるように頑張りたいです」と話した。夜8時半過ぎ、30番目に出番が巡ってきた河西萌音(1年 山梨学院高)は、フラメンコダンサーを想わせる赤い衣装に身にまとい、スパニッシュギターが奏でる「エル・フラメンコ」を情熱的に踊りあげた。最初のジャンプは転倒するも、その後は、妖艶さを醸し出す演技で観客を魅了。結果は12位となり、藤本と共に明日のFSに進んだ。河西萌音選手は「前の試合が全日本選手権だったのですけど、ループが回転しきれなかったですが、今回は手を突いてしまったですけど、最後まで回転しきれたことが良かったです。全体的にはちょっとしたミスは目立ったんですけど、上手くまとめられたと思います」。決勝では好きなプログラムの『美女と野獣』の世界観を自分なりに作っていき、見ている人に何かを伝えられるような演技ができればいいなと思います。とりあえず初めてのインカレなので楽しみたいです」と語った。
熱戦が繰り広げられた氷上のインカレも明日が最終日。スピードスケート競技では団体戦の男女2000mリレー、男女チームパシュートレースが行われる。フィギュアスケート競技は男子AクラスFS、女子7・8級FSが行われ、各競技の得点を集計して総合順位が決められる。
文(K.F)カメラ(平川大雪)2018.1.7