●2017山梨学院高伝統の「英語暗唱弁論大会」
~特進コース(G系)1・2年生が英語表現力を競う~
~カナダ語学研修などの体験を生き生きと活写~
山梨学院高校特進コース(G系列)が毎年行っている「英語暗唱弁論大会」の決勝が1月17日に開催された。旧英語科が2005年に文部科学省が教育支援したSELHi(スーパー・イングリッシュ・ランゲージ・ハイスクール)の研究指定校になったことの一つの取り組みとして「英語暗唱弁論大会」を行うようになった。英語科は2015年、山梨学院高の学校改革の一環としてのコース再編に伴い、特進コースのG(グローバル)系列と位置づけられ、今回、1年生による『暗唱の部』と2年生の『弁論の部』が行われた。会場のルネサンスホールに受験を控えた3年生を除く1年生特進コース(G系列)40人・2年生52人がホールに集まり、昨年12月に1年と2年生全員でそれぞれ行われた予選会を突破した『暗唱の部』の5グループと『弁論の部』の10人がカナダ語学研修の自身の体験や個人が経験した留学について発表を行い、表現力を競った。それぞれに日頃学んだ英語力を駆使し、2人の外国人教師と1人の日本人教師、外部から審査員として招いた英語指導者による4人の審査が行われた。『弁論の部』では、フランス留学の際、ホストファミリーのお母さんに対する感謝をスピーチした吉村春香さんが1位を獲得した。また、姉妹校の上海・文来高校の編入生3人とオーストラリアからの短期留学生2人が日本語のスピーチを行い、それぞれが山梨学院高での思い出や印象、日本での生活を語った。
山梨学院高校は、英語の「読む」「聞く」「話す」「書く」の4つの基本技能により、コミュニケーションに必要な能力の向上を目指す研究校として、平成17年(2005年)から平成19年(2007年)の3年間にかけて文部科学省が英語教育に積極的な学校を支援するSELHi(スーパー・イングリッシュ・ランゲージ・ハイスクール)に指定された。その教育の一つとして英語科(昨年3月まで)が「英語暗唱弁論大会」を取り入れ、独創力や表現力を磨き、世界で通じる英語力の育成を図ることを目的に行われてきた。山梨学院高は2015年、学校改革の一環としてコースの再編を実施、英語科は特進コースのG(グローバル)系列と位置づけられ、さらに国際社会で活躍できる人材の育成に取り組んでいる。
1年生の『暗唱の部』は、昨年までは一人ずつ暗唱する形で行われていたが、今年は、4人が一組になり詩を読み上げる『Choral Echo Reading』を試みた。今回の課題は“SICK”。学校に行きたくない理由に風邪の症状を4人がそれぞれに挙げていき、何としても休みたいが・・・。最後にオチがつくというもの。読む速さに緩急、強弱を付けたり擬音を入れるなど、聞き手が詩の内容を想像できるかが審査の対象になった。昨年12月に行われた予選を勝ち抜いた5グループが決勝に臨み、面白可笑しく工夫を凝らした個性的な発表を行った。結果はグループ名“それでは1曲”が1位を獲得した。審査員の一人、佐野喜道教諭は「1年生のパフォーマンスがとても上手で驚きました。発音も奇麗でしたし、昨年末に山梨学院大iCLAで行われた“グローバルスタディキャンプ”で教えられたことを盛り込んでいて、成果が出てうれしいです」と話した。
2年生のスピーチ(弁論)コンテストは、昨年10月の2週間のカナダ語学研修での自身の体験談や個人での留学経験や将来に夢をテーマに12月に全員で予選会を行い、10人が決勝に残った。決勝では、一人2分から3分の持ち時間でそれぞれがスピーチをした。スピーチにはマイクを使用せず、会場にいる生徒にいかに自身の生の声で印象に残るよう伝えられるか2人の外国人英語教師と1人の日本人教師、審査員として招いた外部英語指導者の4人が暗唱力、表現力、発音力などを総合審査した。審査の結果、1位1人、2位2人、3位3人が選ばれ表彰された。1位を獲得した吉村春香さんは1年間のフランス留学についてのスピーチを行った。「1番学べたことは、ホストファミリーのお母さんとの出会いで、その思い出を話しました」とテーマを述べ、「お母さんへの思いを伝えるのに、フランスに戻って行うのは難しいので、審査委員や聞いてくれている皆に、お母さんの素敵さを皆に分かってもらえるようにスピーチしました。昨年は、本選に残れなかったので1位はうれしいですし自信にもなりました」と話した。将来については「折角、英語とフランス語を勉強しているので、2020年の東京オリンピックでフリーガイドを務めたいと思っています。大学では国際教養学を学んでいけたら」と語った。2位の一人岩崎あゆりさんは「昨年の暗唱では3位だったから、それより上の順位を取りたいと頑張りました」と笑顔で話し、「いろんな人と話したことがテーマで、中学時代の1回目の個人的なフランスへの留学や2回目のカナダ語学研修で旅行代理店の人やホストファミリーとの会話の中で自分のやりたいことが見つかり、近い将来にはオリンピックのガイドをやってみたいことと、大学では長い留学をしてみたい」と将来の夢をスピーチした。コンテストでは姉妹校の中国上海・文来高校からの編入生3人と同じく姉妹校オーストラリア・キングスクリフ高校からの短期留学生2人が日本語でスピーチした。また最後に今回、審査委員として招いた外部英語指導者の田中大幸氏からプレゼンテーションに関するアドバイスをいただいた。
審査を担当した前出の佐野喜道教諭は「全体的には生徒の個性が出て良かったですが、『弁論の部』ではスピーチすることに一生懸命で“間”を取ることがあまり上手くできませんでした。緊張していたことと、時間が限られている点はありますが、スピーチは聴衆を説得しなければいけないという側面があり、コミュニケーションが成り立たたなければスピーチの意味がありませんからそこの部分で少し余裕を持てると良かったです」と講評した。勝村寿子教頭は「平成17年に始まって今年で13回目になりました。今回の弁論では、バラエティーに富んだ話で面白かったです。これからいろいろな経験をする生徒がさらに増えてくると思います。海外の語学研修などの経験をもとに、自分の意見をまとめて、ライティングの練習にもなったりそれをいかに相手に伝えるかの練習の基礎になっていて将来的なプレゼンに結び付くと思います。1年生が行ったグループでの暗唱は、これからのグローバルな時代に協同で知恵を寄せ集めて行うことが役に立つと思います」と生徒の表現力に手応え口にした。
文(K.F) カメラ(平川大雪) 2018.1.18