山梨学院パブリシティセンター

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●山学短大「社会人基礎力育成講座I」
~卒業生からのメッセージ~
~卒業生の実体験を就活に有効活用~

山梨学院短期大学では社会で活躍している卒業生を招いて、「社会人基礎力育成講座Ⅰ~卒業生からのメッセージ~」を1月18日、山梨学院メモリアルホールで開催した。講座は授業の一環として行われ単位取得に反映される。今回の講座は1年生を対象に行われ、実社会で活躍している5人の卒業生それぞれが在学時に就職や今後のキャリアについてどう考え、どのように就職活動をしていたかを語ってもらい、在学生に自身の職業感・キャリア感の醸成や就職活動を進める上での参考にしてもらうのが目的。5時限目、短大食物栄養科栄養士コース65人、同パティシエコース20人、保育科159人の1年生244人がメモリアルホールに集まり山梨学院就職・キャリアセンター長田孝治主事がコーディネーターを務め、質問形式で進められた。会場では在学生が卒業生の経験をメモを取りながら真剣に耳を傾けた。

山梨学院短期大学では、一人ひとりが希望する職種・業種に進めるよう山梨学院就職・キャリアセンターとの協同で様々な支援体制を敷いている。「社会人基礎力育成講座I」は、旧卒業要件科目の見直しを行い、2014年度から全学科共通の卒業要件科目として新設され単位取得に反映される。今回の講座は、キャリアデザイン学習の一つとして進路選択と就職活動、適正能力検査受検、履歴書記載のポイントなど就職活動に役立つ内容で在学生をサポートしている。この日は、『卒業生からのメッセージ』と題し、現在、実社会で活躍している卒業生5人を招いて職種・業種を決めた時期、動機、就職活動、希望の職業についてからのやりがい、苦労、これからどのようにキャリアを繋げたいかなど、山梨学院就職・キャリアセンター長田孝治主事がコーディネーターとなり、それぞれに質問する形で進められた。長田主事は、面接で必ず聞かれる質問などを卒業生に投げ掛け、それぞれポイントを捕捉しながら在学生にも分かりやすいよう、卒業生の言葉を引き出していた。

5人の出席者(向かって右から)
◎渡邉龍司さん=病院栄養士。《食物栄養科栄養士コース、2015年度卒業》
◎小川美咲さん=株式会社清月・菓子製造。《食物栄養科フードクリエイトコース(現、パティシエコース)、2015年度卒業》
◎栗原(旧姓:小宮山)可奈さん=株式会社早野組・一般職《食物栄養科栄養士コース、2010年度卒業》
◎村上昇さん=国母保育園・保育士《保育科、2013年度卒業》
◎小野かずはさん=つつじが崎学園・保育士《保育科、2012年度卒業》

講座は、いくつもの質問のやり取りで行われ、その中で小川さんは「お菓子関係の仕事に就きたいと思ったのは中学生の頃からです。その頃からお菓子を作るのが好きでよく友達に作ってあげたりしました。それで“おいしいね”と言われるのがうれしかったです。そして、高校のインターンシップでケーキ屋さんに行ったときにやはりお菓子を作りたいと決めました」ときっかけを話し、専門職ではなく一般職を希望した栗原さんは「自分の気持ちを素直に話し、事務職としてやっていきたいと話しました。パソコンはどの位できますかの質問には『これから教えていただきましたら一生懸命頑張ります』と熱意を伝えました。将来についての意欲を伝えたことが採用に繋がった」と話した。男性保育士として期待されていることについて村上さんは「職場は、園長先生と自分を除いて全員が女性の30人位ですが、保育園の先生は子どもたちと楽しく仲良く関わることはもちろんですが、保育士として保護者に顔を覚えてもらうことが大切で、そういう面では男性ということですぐに覚えてもらえました」と話した。発達障害支援施設で働く小野さんは「職員になるとすべてに責任が出てくることが一番の違いと思います。私たちが伝えたことが、その子の将来に関わってくるのでそこは常に意識しています。また、職員になると保護者の方にも頼られる存在になるので、周りの健常児と比べて落ち込むことも多いので、それに対応して保護者に寄り添うことができるスキルを学んでいかねばならないと感じてます。発達は健常児に比べて緩やかですが、小さな成長を見られたときやその成長が大きなものに繋がった時に感動します」とやりがいを語った。渡邉さんは「2年間という時間は短くて、この2年間は栄養士認定試験の問題を完璧に仕上げていくことが次のキャリアに繋げる大前提だと思うので、分からないことがあったら先生方に聞くことが大切だと思います。今のうちから将来に向けて準備をしておくことが大事」と在学時における心構えなどを話した。他にそれぞれに職種の選択に至る経緯、就職活動のときの思い、さらに希望した職業に就き、やりがいや直面した苦労、挫折などを話し、在学時にすべきことをアドバイスした。

コーディネーターを務めた就職・キャリアセンター長田主事は「面接に行くと何故この職業に就きたいと思ったかと、必ず聞かれるので、答えをいまのうちから言語化しておくことが大事」。「同じ業界であればやることは基本的には同じですけど、ただ各企業や施設によっても考え方や思い、方向性は違うので、皆さんはそこのポイントをしっかり抑えておくと面接のときに相手に伝えることができると思います」などと折々にアドバイスを交えながら、卒業生から在学生に伝えるメッセージを主導した。最後に長田さんは「社会に出れば1日に仕事に割合は大きいと思います。だからこそ就職するときはそこにやりがいを持って、生きがいを持って働けるかどうか、そこの基準を大事にしながら就職先を選んでいただきたい」と講座を占めた。

講座を聞いた在学生の小俣玲奈さん(パティシエコース)は「お菓子の専門職を希望しています。現実と入ってからのイメージが違うのは、何となく分かっていたのですが、結構いい面、悪い面も出てくるので慎重に決めなくてはいけないと思いました」と話した。有野菜穂さん(保育科)は「話を聞いて自分の就職について改めて考えることができました。私は現在保育士を目指していて自分がこれからどのように就職に臨んでいけばいいか悩んでいて、今回話を聞いてみてこれから実習させていただくときは、自分が就職しているイメージでやっていきたいと思いました。残り1年、勉強や実習だけではなく就職活動も視野に入れながら過ごしたいと思います」と気を引き締めていた。古屋七虹さん(栄養士コース)は「先輩のアドバイスを聞いてアドバイスを活かしたいと思ったんですが、本当に今の自分に活かせるのかなとか、自分を見つめ直すきっかけになったと思いました。私は病院の栄養士になりたいと思っているんですが、私は朝が弱いのですが実際に朝が早いとか、今の自分がどのようにこれから生活していったらいいのか、就活に向けてどういう活動をこれから準備していったらいいのか、それを聞けて本当に有意義な時間だったです」と先輩の話をそれぞれ噛み締めていた。

伊藤美輝教授は「卒業生が多分思い込みとか勘違いなのか、その時自分はこうしたいと考えていた20歳位から実際に社会に出てこんなはずではなかったとか、それがしばらくして逆にあれが意味のあったことだとか、いろいろなことの経験を積んで、今回の壇上にいるという話のプロセスをしっかりと理解してもらえたら」と講座の意義を語った。

文(K.F) カメラ(平川大雪) 2018.1.19

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