山梨学院パブリシティセンター

HOME

山梨学院パブリシティセンターニュースファイルイメージ画像

●山学短大独自の認定資格試験「スイーツマイスター」
~スイーツ製作技術を測る実技試験に全員合格~
~専門家による評価「専門的実践力外部試験」も兼ねる~

山梨学院短期大学で1月26日、「スイーツマイスター」実技試験が行われた。スイーツマイスターは、7年前の食物栄養科フードクリエイトコース(今年度からパテシエコースに名称変更)開設時に設けられた山梨学院短大独自の認定資格。「スイーツマスター」資格は、スイーツの世界をもっと楽しみ、身近なものにしようと、スイーツと食品に関する知識と洋菓子・和菓子・製パン3分野の製菓技術を身につけ、必要専門教育科目の単位を修得した上で、実技試験に合格したものに認定資格が与えられる。試験の内容は、山梨県産の農畜産物や加工品を活用してオリジナルスイーツを製作するというもの。食物栄養科フードクリエイトコースの7期生19人と食物栄養科栄養士コース(1年間の履修)2年生7人が実技試験に挑んだ。山梨学院短大は一昨年7月に文科省の「大学教育再生加速プログラム」に申請した事業計画「卒業時における質保証の取り組みの強化」が認定され、その内、学修成果を学内・学外の両輪で評価し、社会に目に見える形で提示していく仕組みとして、本学の3人の審査員が行う「スイーツマイスター」実技試験の内部審査以外に、3人の専門家を招いて評価を問う「専門的実践力外部試験」として同時審査された。審査の結果、「スイーツマイスター」実技試験には、受験者26人の作品が評価基準点を上回り全員が合格となった。「専門的実践力外部試験」の結果通知は後日行う。合格認定書は3月の卒業式でそれぞれに授与される。

山梨学院短期大学が平成28年度文部科学省「大学教育再生戦略推進費・大学教育再生加速プログラム」に申請して認定された「タブレットを活用した先進的なe-learningシステムの開発」、「学外助言評価委員会の設置」の2つの事業内容のうち、学修成果を学内外の両輪で評価し、目に見える形で提示していく仕組みを開発・整備し、専門的な知識・専門的な実践力・総合的人間力を養い、専門職として社会に貢献できる力を卒業時に学生が確実に身につけられたかを、外部の専門家が評価する「専門的実践力外部試験」と兼ね、山梨学院短大独自の認定資格「スーツマイスター」実技試験が行われた。

「スイーツマイスター」とは、『スイーツを知る』『スイーツを食する』『スイーツを探求する』『スイーツをつくる』の4つの要素の知識を深め、スイーツの世界をより広く知り、楽しむための資格。安全で美しく美味しい洋菓子・和菓子・製パン技術と専門教育科目を修得した学生に、実技試験の受験資格が与えられる。フードクリエイトコースが開設される時に、素材の探求やデザインの創造などスイーツの世界をより身近なものとするために設けられた。実技試験は、①地域素材の活用、②独創性、③製菓技術(レシピ通りの製作 コストパフォーマンス)、④視覚性(美しさ・センス・好感度)、⑤味覚性(おいしさ)の5つの視点から評価され(100点満点)、それぞれA評価(良い)20点、B評価(普通)10点、C評価(劣る)5点で採点。実技試験は、60%の得点率を持って合格となる。「専門的実践力外部試験」の評価は、3人の学外審査員の平均点とする。学生は、試験時に「製作したスイーツの名前」「材料・分量」「作り方」「作品の菓子の意図や食材に対する思い」をレポート用紙に記入提出して実技試験に臨んだ。調理時間が2時間と限られているため、焼く・蒸す・デコレーションなどの作業は設定時間内に行われなければならない。そのため、事前準備は許されているが、出来上がったものの持参は許されない。

フルーツ王国山梨の桃、ぶどう、イチゴ、キウイ、ブルーベリー、柚子などの果実。豊かな大地が育んだ、あけの金時、八幡芋、天空かぼちゃ、大塚人参など県産特産品をふんだんに使った、アイディアあふれる色とりどりのオリジナルスイーツが学生たちの技術によって素敵に仕上がった。完成した26作品は、カフェテリア(レストランサービス実習室)の審査会場に並べられ、羽畑祐吾食物栄養科長、山本候充食物栄養科非常勤講師、三神敬子学事顧問、3人の審査員が行った。見た目の美しさや味の美味しさ(試食)、安全性、独創性などについて、2時間以上に及ぶ厳正な審査が行われた。審査結果は、いずれも60%以上の評価を獲得し26人全員が合格と認定された。今回の作品は洋菓子と製パン、和菓子の作品が並び2年間で習得した技術を遺憾なく発揮した。

審査後、まず初めに三神敬子学事顧問が感想を述べた。これからのAI(人工知能)による技術世界の発展に危惧感を滲ませ、「今日皆さんのお菓子を拝見したときに『何て豊かさと安らぎと美しさがあるのだろう。これなら絶対大丈夫だ』人工知能にはできないと思いました。皆さんの手や身体や心の感覚で覚えたものは、大事になさっていただきたいと思います」と人工知能にはない技術と感性の大事さを講評とした。続いて、羽畑祐吾山梨学院短大食物栄養科科長・審査委員長がスイーツマイスター実技試験に全員が合格したことを報告。次に審査委員の山本候充食物栄養科非常勤講師は「今年も素晴らしい作品が並び楽しく審査させてもらいました。今年の大きな特長は、二つありました。製菓技術の完成度が高く、色彩が非常にきれいでした。もう一つは、物づくりの考え方の組み立て方がしっかりしている人が多かった。プロ的な感覚が良かった。さらにもう一段階上がれそうなこととして感激したことがあります。今年は文学的ストーリー性と造形的なストーリーを持った人が何人かいました。このように伝え方がもう一つステップアップできる要素が出てきたと感じました」と絶賛した。

また同時に、昨年度から始まった外部評価、「専門的実践外部試験」ではフードクリエイトコース19人の学生に対して「卒業後の質の保証」という2年間の学びがどのように成果となって表れているかを専門的分野の審査員が評価。審査は、審査委員長の山梨学院短大学外助言評価委員会委員・小川義美山梨県洋菓子協会会長小野曜山梨県製パン協同組合理事長、山梨学院短大食物栄養科卒業生でオーナーシェフの廣瀬和代氏の3人が行った。審査後、小川義美山梨県洋菓子協会会長が「昨年も驚いたんですが、今年はそれ以上に皆さんの感性の豊かさが伝わってきました。技術的な問題というのはこれからどんどん鍛えることができますが、最初に持っているきっかけとか、感じ方、それは先生たちからの学び方とか育っている環境とか自分自身で築いたものしかないと思います。今日いただいたなかには、工夫次第ではお店にすぐ出せるもの、ネットに出ているものより美味しいものがいくつもありました。これからも自分をトレーニングしながら成長していってほしい」と励ましの言葉を送った。その後、小野曜氏、廣瀬和代氏がそれぞれ講評した。

「イチゴのムースケーキ」を制作した石原清華さん(フードクリエイトコース)は「今、イチゴが旬なのでイチゴを使ったケーキを作りたくて。先生方のたくさんの指導があって、技術的にはまだまだですが、今の自分のレベルでは良くできたかな」と納得した。食物栄養科栄養士コースから受験した矢野高惟さん「はちみつのマフィン」を製作。「この資格ではなく授業の方に興味があり、お菓子について学びたかったので取りました。授業内容も楽しく1年間しっかり学べました。出来はイマイチですけど、病院勤務を希望していますが自分たちの作ったお菓子を提供したいです」と話した。「アップルローズのシャルロット」を製作した相澤ちな海さん(フードクリエイトコース)は「なるべくバラが赤い方が良いなと思って、なるべく赤いものを選んで、なかなか熱を通すと色が消えてしまったりしていたのですけど、レモン汁を入れて3回ほど試作しました。出来はまずまず良かったです。卒業後は洋菓子店に勤めるという」。スイーツマイスターの資格認定書は3月の卒業式でそれぞれに授与される。

製菓実技を指導してきた内藤傳二教授は「何日も掛かって試作して今日の作品になりましたけれど、レベルは年々高くなっています。自分で考えたことを少しずつ積み重ねていますので、それぞれが個性的な作品に仕上がっており素晴らしいです。試作を重ねることで忘れることのできない経験となりましたね」と全員の努力を称えた。スイーツの美味しさは皆を笑顔にする。

文(K.F) カメラ(平川大雪) 2018.1.28

| アルバム1 | アルバム2 | アルバム3 | アルバム4 |