山梨学院パブリシティセンター

HOME

山梨学院パブリシティセンターニュースファイルイメージ画像

●2017山学小「アカデミックプロジェクト」
~「もっと学びたい」、興味関心がさらに増えた~
~子どもたちが自ら挑む28講座“課題探求型授業”~

山梨学院小学校では、児童が興味・関心を抱いたテーマについて学ぶ「アカデミックプロジェクト」が1月24日から1月31日の日程で行われた。通常の授業とは別に時間を設け、1年から6年まで学年の壁を取り払い行われる山梨学院小独自の課題探求型プログラム。子どもたちは自分が取り組んでみたいと思ったテーマの講座を選び学んでいく。このプロジェクトの特徴は、「今度はあの課題に挑戦したい。あれもあれもやってみたい」などと、自らが課題を決め、その課題への手立てや時間配分を、自分で選択・計画する。今回は6日間の期間中を前半後半に分け昨年より11講座多い28講座が開設された。戦国武将、キャラクターデザイン、土壌入門、計算パズルトライアル、科学探偵2、弓道入門、統計グラフ講座など、子どもたちはそれぞれ自分の興味関心に沿って学びの楽しさを探求した。山梨学院小では、教師は初めから教えるのではなく、小さなステップをいくつも作り、子どもたちが『もっと学びたい』と自分の力で学ぶ環境を用意する独自な教育システムを実践している。プロジェクト終盤の30日には保護者参観日が設けられ、約230人の保護者が子どもたちの活動を見守り、中には子どもたちの課題にともに取り組んでいた。

山梨学院小は「自律性=探究心に満ちた心 自ら判断し、自ら行動していく力」「思考=生きるための基礎学力 多角的に物事を捉える力」「表現=確かなコミュニケーション能力(日本語・英語) 感性豊かな表現力」「共生=人間・自然とのつながりの意識化」「他者とともに生きていく力」など積極的に社会にコミットできる「攻めの学習者」へとイノベーションを加速させ、学習指導要領の枠を超えた先進的教育プログラムに取り組んでいる。その中で山梨学院小は、2016年3月1日、山梨学院幼稚園とともに9年間のプログラムを提供する「国際バカロレアPYP」候補校に認定され、「IBワールドスクール」として承認されるよう教育活動に取り組んでいる。

その従来の教育活動のひとつにプロジェクトがある。山梨学院小のプロジェクトは5月の『スポーツプロジェクト』、秋の『オクトーバープロジェクト』、冬の「アカデミックプロジェクト」を三大プロジェクトと位置づけている。『アカデミックプロジェクト』は、自分の興味・関心からテーマを選び、自分で学ぶ自主性を高める課題探求型プログラム。期間中は数多くの講座が用意され、通常の授業では学びきれないテーマに挑む、学術色が強いプロジェクト。子どもたちは、自由に自分だけの時間割を作成し、開設される講座を受講しながら、3級から1級と、段階的に設定された認定テストを行っていく。一つの講座をとことん究めることも、たくさんの講座に参加して様々な知識を得ることも、一人で学習することも、友だちと協力しながら学習することも自由。学びのスタイルが自由に選べる。この学びこそが山梨学院小が目指してきた「豊かな学び」の創造といえる。今回も前半、後半に分け、子どもたちが興味・関心を抱く次の28の講座が用意された。

■2017年度アカデミックプロジェクト 1月24日~31日 28講座一覧

◆ 前半 ◆ 後半
戦国武将 ONE PAGE 漫画家
あたましりとり 計算パズルトライアル
紙建築 科学探偵2
キャラクター・デザイン 弓道入門
暗号法則アドベンチャー 国旗
将棋 正多角形と正多面体
世界に影響を与えた書 Eco
そろばん入門 対称
多面体折り紙 旅名人
手紙 プログラミング
マラカスdeアンサンブル マナー
土壌入門 統計グラフ
美と比例 レタリング
富士川:石の旅・砂の旅(後半も) 名曲アレンジ


このうちプロジェクト後半に行われた『科学鑑定2講座』では、足跡から行動分析や指紋検出など鑑識実験を行い、その結果を考察し人物を特定したり、水溶物のpH測定から飲み物の特定や筆跡鑑定や繊維鑑定といった応用的な鑑識実験を行い人物特定に繋げるなど高度な講座に挑戦した。pH測定をしていた6年生の二人の女子児童(右から小島萌英さん、岩田恵梨衣さん)の小島さんは「いつもはやらない実験ができて1級取った人は、自分の好きな実験を自分で計画してできるのでとても楽しいです」。岩田さんは「身近な物を使って実験できることに驚いたし、あまり慣れない実験でも友だちと協力して進めていくことが楽しいです」と実験の面白さを語った。『国旗』について調べていたグループは、10か国の国旗を調べ、指定された国旗パターンを調べ、国旗には似たデザインがあること、それらの意味、由来などをまとめていた。コンピュータへの命令を出す仕組みを理解、応用する『プログラミング講座』では、論理的思考力を伸ばすためにプログラミングソフトを使い、オリジナルゲームのプログラムづくりに挑戦していた。初めてプログラミングに取り組み1級に挑戦していた2年生男児は「プログラムを自分で作って、ちょっとでも失敗すると思い通りに動いてくれないので、失敗しないように頑張るのが楽しいです」と目を輝かしていた。唯一プロジェクト期間を通して開かれた『富士川:石の旅・砂の旅』講座は、富士川を流れる石や砂が、水を媒介としてどのように時間を掛けて移動するかを学ぶ。実際の石や砂を使った実験を行い課題の達成を目指していた。小学4年の女子児童は「上流から下流に行くに従い、石が小さくなることや、富士川ではたくさんの川が途中で合流していることなど知らないことばっかりでびっくりすることが多かったです」と話した。

プロジェクト担当の牛奥祐太郎教諭は講座を増やした理由を「子どもたちが学習する幅、いろんなところに興味を持ってもらえるように、先生たちの得意な分野を活かしてもらって講座を作っていきました。今までですと特に低学年で一つの講座に長くいられなく、飽きてしまう子もいたのですが、今回は飽きることがなかったです。他に高学年、低学年の交流も増え、高学年が下級生に“一緒にやろうよ”と誘って、丁寧に教えている場面が目立ちました」と講座数を増やした効果を挙げた。

30日に行われた保護者参観日には約230人の保護者が訪れ、子どもたちの活動を見守り、一緒に講座に取り組む姿が見られた。山梨学院小の「アカデミックプロジェクト」では、先生たちが創意工夫して準備した音や映像、実際の現物などの資料を使い、子どもたちにさまざまな学び方を提供している。

文(K.F)カメラ(平川大雪)2018.2.2

| アルバム1 | アルバム2 |