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●山学短大栄養士コース、初の「専門的実践力外部試験」
~若い女性への『給食』を想定し調理課題に挑戦~
~2年間の学びに外部審査委員から高評価~

山梨学院短期大学食物栄養科栄養士コースで2月19日、20日の両日、専門家による評価を問う「専門的実践力外部試験」が行われた。平成28年7月に文科省の「大学教育再生加速プログラム」に申請した事業計画「卒業時における『質保証』の取り組みの強化」が認定され、学修成果を学内はもとより、学外の両輪で評価し、社会に目に見える形で提示していくもの。この「外部試験」は、食物栄養科フードクリエイトコース(今年度からパテシエコースに名称変更)では、昨年から実施され栄養士コースでは、初めての導入となった。栄養士コース2年生83人が2日間午前・午後の部4グループに分かれ実施された。内容は成人女性(19歳~29歳)の昼食『給食』を想定し、あらかじめ与えられた課題で献立を作成し、実際に1人分を調理する。学生は、30分の事前準備を経て1時間半の持ち時間でそれぞれの献立を調理、完成させた。調理中には、3人の審査員が調理台を回り、学生の献立のアピールポイントや工夫点などを聞き、その後完成した料理の味見をして評価を記入していた。「専門的実践力外部試験」の結果通知は後日行われ、合格認定書は3月15日の卒業式でそれぞれに授与される。

山梨学院短期大学が平成28年度文部科学省「大学教育再生戦略推進費・大学教育再生加速プログラム」に申請し認定された「タブレットを活用した先進的なe-learningシステムの開発」、「学外助言評価委員会の設置」の2つの事業内容のうち、学修成果を学内外の両輪で評価し、目に見える形で提示していく仕組みを開発・整備し、専門的な知識・専門的な実践力・総合的人間力を養い、専門職として社会に貢献できる力を卒業時に学生が確実に身につけられたかを、外部の専門家が評価する「専門的実践力外部試験」を今回、食物栄養科栄養士コースで実施された。

「喫食者に見合った献立が利用できる」「献立に沿った調理することができる」ことを栄養士の専門的実践力と捉える山学短大食物栄養科栄養士コースでは、この「外部試験」によって、専門的実践力を学外の管理栄養士・栄養士から評価を受けることは今回が初めて。学生は、夏休み中に身体活動レベルの普通(Ⅱ)の成人女性(19歳~29歳)を対象者として、冬の1食分の『給食』を想定し、あらかじめ与えられた課題で昼食献立を作成し、後期授業開始時に提出、各ゼミ教員の指導受けながら準備を進めてきた。外部試験は、秋山知子山梨県栄養士会常務理事・管理栄養士・山学短大学外助言評価委員会委員、堀口一美・介護老人保険施設相川ケアセンター管理栄養士・山学短大学外助言評価委員会委員、梶原直樹巨摩共立病院管理栄養士(山学短大食物栄養科卒業生)、森澤健太甲府共立病院管理栄養士(山学短大食物栄養科卒業生)の4人の外部審査員(梶原氏と森澤氏は日替わり)を招き、栄養士コース2年生83人が実技試験に挑んだ。

今回の評価は昼食『給食』を献立・調理を目的にしており、家庭料理ではなく1食の給食としての形がしっかりとれているかが大切となっている。①基準となる食品構成を参考に食事摂取基準に見合った献立となっているか。②1食分の体裁(主食、主菜、副菜の組み合わせ、分量など)が整っているか。③嗜好的、衛生的、経済的な配慮がなされているか。④献立表通り調理されているか。⑤おいしそうな外観(調理技術、盛り合わせ、色合いなど)となっているか。の5項目の視点から評価され(100点満点)、それぞれA評価(良い)20点、B評価(普通)15点、C評価(劣る)10点で採点。評価は、3人の学外審査員の平均点とする。食物栄養科栄養士コース2年生83人が実技試験に挑んだ。実技試験は、事前準備を経て1時間半の制限時間内で学生が立てた献立を調理した。審査委員は、各調理台の間を巡り、上記の評価基準のチェックや学生自身に献立のアピールポイントや工夫点などを聞いていた。調理の完成後には、学生が調理した全献立を試食しながら採点をしていた。

審査後、審査員の秋山知子審査委員長は「初めに専門のライセンスを取るためにここで2年間頑張ってきたんだなと印象を受けました。きちんと主食や主菜などがバランスよく考えられていて、もちろん個々にはもう少しあった方がいいかなという部分もありましたが全体的には専門職としての勉強してきた人たちだなと感じました」と講評した。堀口一美審査員は「準備から素材の買い付けから、本当に大変だったと思います。ひとり一人の努力からまた、一生懸命調理している姿を見て感心させられました。献立も基準の中で頑張ったたんだなと感じました。私もとても参考になった献立もあったのでぜひ真似をしたいなと思っています。皆さんには今日やったことを糧にして頑張っていってほしいなと思います」。梶原直樹審査員は「個性的なものがあったり、皆さん一生懸命頑張って調理されていたなと伝わってきました。『給食』ということで作るので個々の料理というよりも全体のバランスを考えて作らなければいけないので、もう少し統一感があると見栄えも良くなってくるかなと感じました」とそれぞれ講評した。

「鮭の味噌シチューと焼きネギと厚揚げの煮ひたし」の主菜を調理した白須瑞希さんは「時間制限があったり、先生方が見られているので結構緊張してどうなるかなと思ったのですけど時間内に作れて、見た目なども気にしながら途中先生方からのアドバイスを参考にしながら完成することができました。献立を考えるときもいろいろ計算したり、基準の範囲内に収めなければいけないことが大変でした」と話した。卒業後は病院の栄養士になるという。岸本未来さんは主菜に「レンコンとほうれん草の和風ハンバーグ」を調理。「ハンバーグの食感を出すようにしたんですけど、焼き加減が難しかったです。今までは自分たちで作って自分たちで食べるという感じだったので、また違った面から評価していただけるので、栄養面や見た目、食感、色合いとかも考えながら作りました」と感想を語った。岸本さんも病院の給食委託会社で栄養士として働くという。

深澤早苗食物栄養科教授は「通常の授業の中で自分の献立を人に評価してもらう機会がそんなにないので、自分の作ったものをそのまま外部の先生に見てもらうことが学生には緊張感とともに出来上がった達成感もあったみたいですごく良い経験だったと思います。評価も大変良かったですが、まだ栄養士の卵なので修正の意見もたくさんもらったのでそれが将来、学生たちの一つひとつ財産になっていくと思います」と初めて実施した「専門的実践力外部試験」の感想を語った。

文(K.F) カメラ(平川大雪) 2018.2.21

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