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●第二十回酒折連歌賞「問いの片歌」記者発表
~「答えの片歌」の応募要項等を発表~
~応募期間は4月1日より9月30日まで~

酒折連歌賞実行委員会は3月30日、山梨学院広報スタジオで「第二十回酒折連歌賞『問いの片歌』」の記者発表を行った。廣瀬孝嘉酒折連歌賞実行委員長から酒折連歌の概要、今回の問いの片歌、『晴れた日の買い物メモに単三電池』『コーヒーか紅茶それとも海を見にゆく?』など、5句が紹介され、それらの句に対する『答えの片歌』の応募要項などが説明された。「古事記」によると倭建命(日本武尊)が大和への帰途に酒折宮に立ち寄った際、詠んだ片歌に御火焼(かがり火役)の老人が片歌で返した逸話が連歌の起源とされたことから、酒折宮が連歌発祥の地といわれるようになり、「酒折連歌」と名づけているものは、5・7・7の問いの片歌に対して5・7・7の答えの片歌の問答形式になっている。酒折連歌賞は、多くの人に連歌に興味・関心を持ち、連歌を蘇らせ文化の振興、文化の創造に資することを目的に1998年(平成10年)、山梨学院大学が母体になり創設された。文学形態上からも珍しい特徴があるといわれ、伝統を現代に活かそうとする試みは、回を重ねるごとに周知され、全国はもとより海外からも応募が寄せられている。今回で二十回目の「酒折連歌賞」答えの片歌の応募期間は4月1日より9月30日までとし、酒折連歌賞事務局は前回の「答えの片歌」30,973句を上回る応募に期待を寄せる。

第二十回酒折連歌賞の「問いの片歌」の記者発表が行われ、今回は次の5句が紹介された。

一. 晴れた日の買い物メモに単三電池
二. コーヒーか紅茶それとも海を見にゆく?
三. 歩き出す洗いざらしのブルージーンズ
四. 風の色記憶の中のあなたとあなた
五. まっすぐにまっすぐに降る雨を見ている

問いの片歌記者発表は、まず、廣瀬孝嘉酒折連歌賞実行委員長が「酒折連歌」の概要を、
「『古事記』に登場する倭建命(日本武尊)が大和への帰途に酒折宮に立ち寄った際、『新治 筑波を過ぎて 幾夜か寝つる(新治・筑波の地を過ぎて、ここまで幾晩寝たのか)』と問いかけたところ、御火焼(かがり火役)の老人が『かがなべて 夜には九夜 日には十日を(日数を重ねて、夜では九夜、昼では十日~九泊十日~ですよ)』と答え、この問答が酒折連歌の起源とされたことから、酒折が連歌発祥の地といわれるようになった」と説明。次に「酒折連歌賞」の経緯、応募数の推移、また30,973句の応募があった前回の年代別・性別・都道府県別などの応募状況をモニターに映しながら詳しく紹介した。次に今回の「問いの片歌」5句を発表、幅広い年齢層が応募できることを考慮し、各選考委員がそれぞれ持ち寄った数句に熟考を重ね選出したと説明。選考委員は昨年同様、俳人・現代俳句協会特別顧問、日本芸術院会員の宇多喜代子さん、歌人・歌誌「りとむ」発行人、宮中歌会始選者の三枝昂之さん、同じく宮中歌会始選者の歌人・今野寿美さん、俳人で俳誌「郭公」主宰・井上康明さん、歌人・もりまりこさん、直木賞受賞作家・辻村深月さんの6人であることなどを発表した。続いて酒折連歌賞事務局から応募規定の説明があり、応募は上記の問いの片歌5句すべてに何句でも可能であることや4月1日より9月30日までが応募期間であること。また、表彰は、一般部門に大賞・文部科学大臣賞1句、山梨県知事賞1句、山梨県教育委員会教育長賞1句、甲府市長賞1句、特選10句、優秀賞12句、優良賞54句、将来楽しみな才能を見出すことを目的に、小・中・高校生の作品を対象に設置したアルテア部門の大賞・文部科学大臣賞1句、特選19句が選出されることなどが紹介された。結果発表は、平成31年2月1日に酒折連歌賞ホームページで公表すると説明した。

最後に廣瀬孝嘉実行委員長は「酒折連歌は、問いがあって答えがある。二人が向かい合って問答するところに酒折連歌の原点があります。さまざまな年齢層がひとつの問いの片歌に対して答えを競い合うところに面白さ楽しさがあります。決められた一つの片歌から十人十色の違った歌が生まれることが大きな魅力になっています。相手を受け止めた上での言葉選びにこの文芸の特徴があります。鑑賞や創作を通して心のふれあいが生まれ、独吟では得られない生きたコミュニケーションが形成されていくのが大きな特長です。本県発祥の貴重な文化として、酒折連歌の裾野がさらに広がっていくことを願っています」と挨拶した。発表後に報道各社との質疑応答が行われた。

文(K.F) カメラ(平川大雪) 2018.3.30

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