●関甲新学生野球春季リーグ戦1部第1節3戦目
~関学に2勝1敗、5季ぶりの勝ち点獲得~
~林投手、1戦目の雪辱果たし3安打完投~
一昨日開幕した「平成30年度関甲新学生野球春季リーグ戦1部」の第1節、山梨学院大は関東学園大との対戦で1勝1敗タイブレークで迎えた3戦目、残り1勝を懸けて4月9日、群馬県伊勢崎市・上武大学野球場で対戦した。山梨学院は1戦目を逆転で勝利し、その余勢を駆って2戦連勝を目指した。しかし、小林永人投手(3年)が8回まで好投したものの、勝利目前で同点に追いつかれ、救援した梶尾郁彰投手(3年)が死球押し出しで逆転負けし、後味さが残る敗戦を喫した。タイブレークになった3戦目、気持ちを切り替え臨んだ試合は、先発の林雄輝(3年)投手の完璧な投球もあり、山梨学院らしい機動力を生かした展開となった。先攻の山梨学院は一死後、2番金城義(4年)が中前打で出塁、盗塁で二塁に進塁すると二死後、4番・砂川聖(4年)が中前適時打で先制した。砂川は次打者宮下塁(2年)の初球にすかさず盗塁。再びチャンスをつくると、宮下は、ファールで粘った8球目を右翼前に運び、走者の砂川は二塁から一気に生還し2点目のホームを踏んだ。山梨学院先発の林投手は、1回裏を三者凡退で打ち取ると、その後も安定した投球で5回まで1安打と相手を沈黙させた。6回表、山梨学院は待望の追加点を挙げたが、その裏、関東学園もようやく1点を返した。9回の裏、山梨学院は一死後、8番江川航(3年)が、初球を三塁打しチャンスをつくると、代打駒崎真也(3年)が右前適時打で1点追加、3番枝川大哉(4年)の打席で相手投手の暴投で1点、枝川は左翼線を破る適時打でダメ押しの1点を加え6-1とリードした。完璧な投球を続ける林投手は、6回以降一人の走者も出さない好投でこの試合を勝利で締めた。山梨学院は、5季ぶりに勝ち点を挙げた。
「関甲信学生野球リーグ」は1部から3部まであり、各部6チームで構成され春と秋にリーグ戦が行われる。上位リーグの1部は、各チーム総当たりで7節まで行われ、各節相手チームと2戦先勝方式で争われ、勝ったチームに勝ち点が与えられる。最終的に勝ち点が多いチームが上位となり、順位が決められる。春・秋シーズン終了後には各部で入れ替え戦が実施される。1部の山梨学院は、昨年秋季リーグで勝ち点0の6位。2部1位の平成国際大学との入れ替え戦で2勝して残留を決めている。山梨学院は平成28年春に入れ替え戦で敗れ2部に降格し昨季春季リーグで1部との入れ替え戦(ここでも対戦相手は平成国際大学)で1部に復帰したものの、4期連続(降格時期含め)勝ち点を奪えていない。
9日3戦目、山梨学院は、土壇場で勝利が手から滑り降りた悔しい敗退から、気持ちを切り替えて上武大学野球場に立った。午後12時50分、気温はやや低いものの、ようやく晴れの穏やかな日和となった。しかし、2回以降微風だった風が徐々に強くなり、守備にも影響が出るほどの強風に変わる荒天となった。試合は、2戦目と同じく山梨学院が先攻。須田喜照監督は「昨日は逆転負けをしたが、小林がしっかり投げていたし、チームとしてもうちの野球ができていたので自信を持って3戦に臨もう」と選手を送り出した。1回表、山梨学院は機動力を発揮した。一死後、2番金城義(4年 山梨学院高)が中前打で出塁、足のある金城は積極的に二盗を決める。二死後、この大会打撃好調の4番・砂川聖(4年 糸満高)が中前適時打で先制した。砂川は次打者DH宮下塁(2年 山梨学院高)の初球にすかさず盗塁。再びチャンスをつくると、宮下はファールで粘った8球目を右翼前に運び、走者の砂川は二塁から一気に生還し2点目のホームを踏んだ。山梨学院先発の林雄輝(3年 盛岡大附属高)は、1回戦を先発したが、試合をつくれず5失点で降板した。2回目の先発には意を決して臨んだ。1回裏を2人を三振、三者凡退に打ち取ると、その後も緩急をつけた投球で5回まで1安打と相手をねじ伏せた。追加点が欲しい山梨学院は6回表一死後、3番枝川大哉(4年 東海大付属甲府高)が相手内野手の失策で出塁すると、4番砂川が初球をヒットエンドランで右翼線に決め、続く宮下が内野ゴロの間に1点を加えた。その裏、関東学園も2安打でようやく1点を返した。8回にも追加点のチャンスはあったものの、9回の裏、山梨学院は一死後、8番江川航(3年)が、初球を三塁打しチャンスをつくると、代打駒崎真也(3年 川越東高)が期待に応え、右前適時打で1点追加、さらに続く1番島快莉(3年 豊川高)が三塁手の前にバントヒットを決め一死二塁・一塁とする。二死後、3番枝川の打席で相手投手が2球目に暴投、幸運な1点を挙げた。気を良くした枝川は4球目を狙いすまし、左翼線を破る適時打でダメ押しの1点を加え6-1とリードした。好投を続ける林は、6回以降一人の走者も出さない完璧な投球でこの試合を勝利で締めた。山梨学院は、5季ぶりに勝ち点を挙げた。
■《第1節第3戦 4月9日 上武大学野球場》
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 合計 | |
山梨学院大学 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 3 | 6 |
関東学園大学 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 |
山梨学院大 バッテリー:(投手) ー (捕手)江川
〔投手〕小林(勝利投手):投球回数9回、打者28、投球数126、安打3、四球2、三振12、失点1・自責点1
〔打撃〕安打11(三塁打:江川、二塁打:枝川、江川)、四球3、三振3
〔交代〕河本(右)→H駒崎真也→R佐藤誉起→新垣僚麻(右)
試合後、須田喜照監督は「今日は林があのようなピッチングをしたから良い流れで攻撃にもつながりました。まあ、途中で3点取って1点返された時に、勝っているのにまた、嫌な感じだなあと思っていましたが、最後に3点取りましたのでこういう試合すれば楽になるし、リーグ戦にも勝てます。打線は3試合とも二桁安打を打っていますし、林も良く投げ、ピッチャー陣にも刺激になります」と試合を振り返る。河本賢一主将は「良かったです。先制して中押し、ダメ押しするというのがうちの野球だと思うので、ピッチャーがリズムをつくり攻撃に活かすということが今日は良くできたと思います。次の試合では今日みたいな試合ができるかは分かりませんが、精度をどの位上げていくかが今週の練習の課題になっていくと思います」と話した。攻撃の起点となり勝利に貢献した金城義選手は「個人的には、いい調整ができていたのでこの3日間とも試合に良い形で出せました。チームとしても良かったところと悪かったところといろいろ実力を出せ、冬に頑張ってきた粘りというものが出たというのはあります。ここから戦いはどんどん厳しくなって、上も見えてくればプレッシャーも出てくるので、そういうところに負けないで気持ちを入れて頑張っていきたいです」と気を引き締めていた。好投した林雄輝選手は「昨日あのような負け方だったので今日は、何としても勝ちたかったので必死に投げました。今日は、風にも乗って真っすぐが行っていたのとカーブがもともと得意なのでそれを上手く使い抑えられました」と投球を振り返った。
山梨学院、次の第2節は、4月14日(土)・15日(日)、栃木県・白鷗大学野球場で新潟医療福祉大学と対戦する。リーグ戦は始まったばかり。山梨学院の機動力野球で2014年春以来のリーグ優勝を果たしたい。
文(K.F) カメラ(平川大雪) 2018.4.10